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コルドバのメスキータこと、聖マリア大聖堂です。
6~7世紀の西ゴート王国時代の聖ビセンテ教会だった場所に、後ウマイヤ朝をひらいたアブデ・ラーマン1世が785年に建築を開始し、その後3回の拡張工事を経て987年に、2万5千人をも収容可能な現在の大モスクの形になったと言われています。
メスキータといえば円柱の森と呼ばれる850本の柱が連なることで有名ですが、最盛期にはこの円柱も1000本を越えていたとか。
1236年にスペイン王フェルナンド3世の軍によってコルドバはキリスト教勢力に奪回され、その後モスクがキリスト教会に転用されます。
モスクと教会が同居しているケースでは、イスタンブール(旧コンスタンティノープル。1453年にオスマン帝国により陥落)のアヤソフィアが有名ですが、キリスト教会からイスラムモスクへ転用されたアヤソフィアに対して、メスキータはモスクがキリスト教会に転用された世界でも非常に珍しい例です。
スペイン語でモスクを意味するメスキータは、スペインに現存する唯一の大モスクで、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
アンダルシア地方の世界遺産と言えば、グラナダのアルハンブラ宮殿が有名ですが、個人的にはこのメスキータの方が、軍事&政治の場所と、祈りの場所との性質の違いもあってか、ずっとスケールが大きい歴史遺産だと感じました。
コルドバはマドリッドからAVEで約1時間50分と比較的アクセスも容易なこともあり、マドリッドを訪れた人たちに、ぜひ一足のばして訪れてみて欲しい場所だと思います。