最近NY関連の仕事が始まり、時差の関係で夜中でも仕事をしていたりします。
もちろんアジアだったり、欧州だったり、日本だったりの仕事も一緒にしているので、気が付くと自分が思っている以上に、かなりお疲れモードになっていたりします。
グローバル”や世界”という言葉で一括りにされがちですが、実際にはローカル(ご当地)”ごとで全然事情が違います。
例えば海外に行くと、日本人も韓国人も中国人も皆同じ言葉で同じ文化だと思っている人たちが沢山いますが、実際はそれぞれ全然違う言葉や文化です。
そんな中で、僕たち日本人は、日本の文化であり強みでもある「品質」を維持する為に、日々汗を流しています。
欧州で人手もモノも無い中でずっと仕事をしてきたので、相手の状況が痛いほどわかることもあって、これは日本側が頑張らないとなと思い、無意識に体が動いて、日々忙しさに追われるだけの毎日になっていたりしますが、最近これから海外に出て行きたいという人から「どうして日本に帰ってきたんですか?」と聞かれ、当時の気持ちを忘れかけている自分に気づかされることがありました。
夜部屋で1人、久しぶりにふと以前このブログにもアップした「ニッポンジン!」のことを思い出し、それは最終話にカズさんが語った言葉に込められた思いだったなと、当時の思いを反芻していました。
昭和のアニメで描かれた未来には、ロボットが働き、自動車が空を飛んでいましたが、昨日まで無かったものを、明日実現する為に、今日の自分は生きているのだと、そんな風に言えるように生きたいと思い、日本へ戻って「新しい仕組みを作ろう」と思ったあの日の自分。
カズさんが語った言葉を、もう一度噛みしめてみようと思います。
※ニッポンジン「Final Session/カズさんのパートより」
一度この小さな島国の外に飛び出すと、オレ達は嫌がおうでも思い知らされる。
ニッポンで生まれ育ったオレ達は、どこまで行ったって、どんなにあがいたって、結局ニッポンジンなんだって。
でも日本は今、未来への希望の光と、進むべき道を見失いかけている。
世界のどの国も真似できない、高いクオリティを持った日本の製品達が、円高や税制度の問題、韓国などの新しいライバルの存在によって、今世界で苦戦を強いられている。
そんな中、現在の日本の大きな強みは、長年世界最高品質の製品とサービスを支え続けてきた、オレ達「ニッポンジン」自身だ。
これまで日本製品が、世界の人達の暮らしを変えてきたように、これからはより多くのニッポンジンが海を渡って、世界の人達の暮らしを変えられる可能性があるって、オレは感じているんだ。
シンジの言うとおり、他人に言われなくても普通の人達が高いレベルで頑張れる"ニッポンジン"は、オレ達自身が思っている以上に、日本の大きな武器だ。
しかしシンジがそうだったように、いきなり海外生活未経験で出て行っても、その国に適合し本来の力を発揮できるまでには、少なくとも2~3年は時間がかかってしまう。
その間、誰からもサポートを受けられず、うまく現地へ適合できなければ、何も成し遂げられないまま挫折する可能性も高い。
仮にそれを個人のチカラで乗り越えて、その国に適合できたとしても、孤立無援の篭城状態で、日本人だけが1人で頑張り続けるという構造では、いずれ限界が訪れる。
だからニッポンジンが、これからもっともっと世界に出て活躍するには、そのニッポンジンを支える「新しい仕組み」が必要だと思うんだ。
海外に出て行くニッポンジンの絶対数が増えれば、いままでは出来なかったことでも、可能になることが増えてくる。
そしてFacebookを使って実現された、アラブの春の例にもあるような、インターネット技術の発達とその応用は、日々すごい勢いで地球のサイズを小さくし、新しい選択肢と可能性を増やし続けている。
これらは「新しい仕組み」を作る上で、大きなヒントになるだろう。
あの夜、オレやシンジは、ピッチに立って実際に戦えた訳じゃない。
でもスタジアムに響き渡った、オレ達の「ニッポン!!!ニッポン!!!」という叫び声が、まったく無意味だったとは思えないんだ。
一人ひとりの声は小さくても、オレ達の叫び声が、周りの人達の声と重なり、それが大きな輪となってさらに広がり、1つの固くて強い「思いのカタマリ」となって、選手達を支える大きな力になれたって、オレは信じているんだ。
同じように、世界の最前線で戦うニッポンジンが結果を出せるよう、後ろで、周りで支えることがすごく重要だって、この数年間、Facebook越しにシンジの背中を見ながら、強く感じていた。
これからニッポンジンが、世界で大きな活躍をし続けていくには、ニッポンジン同士が今以上に手をとり助け合い、支えあうことが絶対に必要だ。
皆が強い「心の軸」と「自分の武器」を持って、自分の与えられた役割を背一杯頑張る。そしてそれを「周りが支える」。
そうすることでオレ達ニッポンジンは、この国と自分達の未来に、希望という名の光を再び灯すことができるとオレは思うんだ。
※写真:リトルなでしこU17W杯優勝(FIFA via Getty Imagesより)