みなさ~ん。
今日から6月ですね。
移りゆく1日ということでは、ほかの日となんら変わりありませんが、
区切りとして設けられていると、
毎月の「ついたち」というのは、ちょっと気が引き締まる感じが(私としては)します。
古今東西、
人は月の満ち欠けだとか、
動物や植物の動きなどで時間や季節の流れを感じてきました。
北海道の先住民族アイヌの人たちにも、
独特の表現があったようです。
現暦の5月(旧暦4月)は「モキウタ チュプ」=静かなる採取月
現暦の6月(旧暦5月)は「シキウタ チュプ」=大いに採取できる月
そしてシキウタ・チュプは「サク チュプ」=夏の始まりです。
大いに採取できるモノ、
その主役は「ハル イッケウ」=食料の背骨と称されたオオウバユリの鱗茎です。
オオウバユリは花が咲くようになるまで、
数年~10年ほどかかるといわれていますが、
鱗茎を採るのは花が咲かないうちのものです。
この“ユリ根”からは、良質なデンプンが多く採れるのです。
一番粉、二番粉、そしてデンプン滓に至るまで、
ムダなく利用されました。
1882(明治15)年ごろ、西川北洋によって描かれたアイヌ風俗絵巻の中にも、
オオウバユリを採集するアイヌ女性たちの姿があります。
オオウバユリ掘りだけでなく、
山菜を採りに行くときなどは1人で行くことはなく、
たいていは3人から5人くらいの女性で出かけたとか。
わいわい、がやがや賑やかに、
キムンカムイ(ヒグマ)と遭遇しないための対策でもあったと思われますが、
それ以上に、若い人と年上の人がともに行動することで、
探し方や採り方、処理の仕方などが受け継がれていく、大切な時間だったのでしょう。
オオウバユリの葉を見るたびに、
遠い昔のひとときに、思いを馳せてしまいます。
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周辺は、日に日に緑が濃くなってきています。
植物の生命力を感じに、
森の中に出かけてみませんか!
センターでは、
リアルタイムな情報を用意してお待ちしておりますので、
ぜひお立ち寄りくださいね!
川湯エコミュージアムセンター http://www6.marimo.or.jp/k_emc/