私は大のクルマ好きでもあります。
車に興味の無い人はこのページを読み飛ばして結構です(笑)。
私が車に興味を持ち始めたのは高校生の頃でした。父が長年、日産自動車の営業をしており、その影響下で自然と日産党になっておりました。
我が家では、クルマのプラモデルを買う時も、絶対トヨタのは買ってはならん、という鉄の掟があったくらいです。
時代はバブル経済前夜。日本車は依然として、クラウン、マークⅡ等に代表される、乗り心地重視・きらびやかな内・外装を重視するアメリカ車の模倣の域を脱しきれずにいました。
そして、直接は車の性能に全く関係の無い、装備品の数の多さや豪華さを誇り、ヨーロッパのメーカーからはそれらを「ギミック」などと言われ馬鹿にされる始末。
しかし、日本のメーカーも高性能で鳴らす欧州車に負けじと虎視眈眈、挽回の機会をうかがっており、中でも日産は、90年代に世界一の走りを極めるという「901運動」を展開し、プリメーラ・スカイラインGT-R・インフィニティQ45、アテーサ・システム等、伝説の名車・メカを数多く送り出していったのです。
この辺のクルマが開拓した分野を後に他社が喰い荒すのですが・・・
その頃の私のお気に入りのクルマ雑誌は「カー・アンド・ドライバー」誌で、これは欧州車>日本車、トヨタ=×という、ある種日本の自動車マスコミの論調の典型ともいえる内容でもあり、それを愛読していた私は「アウトバーンを制する車は世界を制する」という図式が頭の中で出来上がってしまいました(笑)。
特に私の目をくぎ付けにしたのは、AMG・アルピナ・シュニッツァー・エッティンガー・ゲンバラ・ケーニッヒ等のドイツ・スペシャルチューニングカーのインパクトでした。
メカチューンされたエンジンと強化されたシャーシ、贅沢なウォールナットや本革を多用した豪華な内装。
アウトバーンを200㎞で巡航する高速スタビリティ。
・・・何が言いたいかというと、そういう時代の、ドエライ車の直撃をくらった世代の私の心の中には、「クルマの本質・真髄・本流はセダンにこそあり」という大前提がまずあっったわけです。
(それがセダンのみ乗り続けていた理由である)
スタビリティやボディ剛性、エンジンの鼓動などにトキメクのではなく、エンターテイメントな装備品や室内の広さを重視する今の流れは、もう、「クルマは広くて、安くて、「電動スライドドアが付いてりゃそれでいい」みたいな、もう身も蓋も無い状況なんじゃないでしょうか。
奥様方の意見ばかり聞いて、外国で馬鹿にされるようなモン作ってません?
ホント、各メーカーには、クルマ好きの琴線に触れるような通好みの車を出して欲しい、そう切に願います。
と、偉そうに御託をたれた私が最近(2010年12月2日)まで愛車にしていたのは、レガシィB4 RS TypeB。
実は初めてのスバルです。
前からスバルは気になっていたのですが、なかなか機会がなく日産車を乗り継ぎ、当時乗っていたY33レパードを自損事故で廃車にした(3年くらい前)のを機に、スバルの購入を考え始めました。
スバルというと私の中では、「レガシィ=10万キロ世界速度記録達成」「初代・RS」のイメージが強烈に印象に残っており、買うなら「レガシィのセダン」と決めていました。
ワゴンは、後になってスキーのブームになった時に、周りに流されやすい主体性の無いチャラチャラした若者が多く飛びついたようですが、レガシィというと私はやはり、ラリーにも出撃した硬派なセダンの印象が強いです。
家族持ちの私としては、室内が狭く、ヲタクっぽい雰囲気を放つインプレッサは最初から考えませんでした。
私のレガシィはネットで商談・購入をして、はるばる北海道からやってきたディーラー系中古車です。
私のRS typeBはNAです。本音を言うとターボが欲しかったのですが、正直、予算より高かった(笑)。
でも、全般的にレガシィの中古車は高いです。
同じ金額で、もっと走行距離の少ないローレルやスカイラインが買えます。
キャリアカーで運ばれてきた時は長旅のため薄汚れていて、心の中でチョット「オイ!」って言いました(笑)。
それを一生懸命キレイにし、マメにオイル交換をし、今では欠かせぬ私の相棒となっております。
独特の脈動と排気音を発する水平対向エンジン(EJ20)は、NAということもあり155馬力しかありませんが、この辺は慣れの問題で、坂道を登る時などは非力に感ずるところ無きにしも非ずですが、普通に走る分にはこれで充分です。
しかし、3000回転付近で最大トルクを発揮するため、それなりに廻してやると豹変したようにパワフルになります。
やはりボクサーエンジンは通常の直列4気筒には無い「味わい」があります。
設計の古いエンジンという事もありますが・・・そしてやはり、スバルが誇るシンメトリカルAWDは、走る道を選びません。
ただし、高速スタビリティに関しては、以前乗っていたP11型プリメーラに明らかに劣る、というのが率直な感想です。
AWDという言葉から想像するようなビシッとした直進安定性はありません。
「B4」の「B」って、なんだろうと思って調べたら、「ボクサー」、「ベルリネッタ」の頭文字らしいです。
「4」は、「4気筒」「4ドア」だそうです。
だからどうしたと言われたら困りますが・・・アウディには「A4」ってのがありますが、それパクったのかなぁ(笑)。
スバルのセダンというと、おじさんが乗ってるSOHCのクタクタのヤツか、公道をサーキットと勘違いした仕様の両極端のイメージがありますが、私はあくまで「アンダー・ステートメント」、つまり「控え目」の大人仕様を心掛けています。
クルマは自分自身のパーソナリティ・センスを宣伝しながら走る看板のようなものです。
子供っぽく、マニアックな仕様はスバルのイメージ低下(ヲタっぽさ)を助長しこそすれ、ますます「スバル=マニア=変わり者」という図式が定着する一因になると考えているのです。
個人的な見解ですが、過度なチューニングやサーキット仕様はクルマの寿命を縮めるだけだと考えています。
ま、人の勝手ですが・・・
詳細はよく判らないのですが、このBE型までは、初代のコンポーネンツの流用が多く、その意味では古い世代のスバルの範疇に入るでしょう。
この後のBP/BL型ではスバル臭さがかなり薄まって洗練の度合いが高まっていますが、逆に「味わい」は減ったと感じている人も多いようです。
レガシイ(セダンに限る)を一言で言い表すとすれば、
「ブレない漢(おとこ)のスタンダード」ってとこでしょうか。
さぁ、あなたもスバル乗りになりませんか?退屈なカーライフなんて、もうイヤ!
フロント・ビュー。洗車してキレイになってます。
グリルはワゴン・GT-B用のものを装着。スバルマークのついたグリルをもうひとつ持っており、気分で付け替えたりします。
(グリル・リップスポイラーは自家塗装)
リア・ビュー。リヤアンダースカートは後から自分で付けました。
タイヤはヨコハマのDNAデシベルES501を装着。不快なロードノイズは若干減少しました。
基本的にノーマル派です。エアロ・マフラーはもちろん純正。
このB4は「RS・typeB」という特別仕様車で、ビルシュタインのショックアブソーバーが標準装備されています。
ノーマルサスとの違いは・・・車高が少し低い位で違いはワカンナイ(笑)。
想像するより乗り心地は良いです。
中を見てみましょう。ある種古典的なデザインとクオリティです(笑)。
しかし慣れれば気になりません。ありがちな自発光メーターでない事も好感が持てます。
コクピット型のインパネです。運転席だけレカロシートになっています(予算の都合)。レカロの評判は半信半疑でしたが、その掛け心地の良さに驚きました。
恐るべし、ドイツの人間工学。
シフトノブを本革に、オーディオをアルパインに交換しています。
ひとめ見てドライバーズ・カーというのがすぐ分かるデザイン。ナビは格納状態になってます。ペダルはSTI。
後付け系・バランスぶち壊し系の痛い追加メーターはありません。
インパネは好みで茶木目に交換しています。
目指すのは、かつてのメルセデス190・2.6-16VやAMGの様な「黒内装」「木目」「レカロ」「KAROマット」という昔のドイツ車の雰囲気。
でもこれはKARO「調」で、早い話パチモン(笑)。
夜間の室内はご覧のような感じです。メーターをバラして電球を赤に換えているので、夜間は赤いメーターになります。ナビは格納式。
オーディオも赤です。また、足もとに間接照明を組み込んだので、気分で点けたり消したりします。
間接照明の色はアンバーです。
2007年12月、猫魔スキー場にて。圧雪の上り坂をものともせず、グイグイ登って行きました。別グリル装着。ホイールはエンケイ。妻子はスキー、私はボードをたしなみます。
猪苗代湖の湖畔にて。スバルの車は本当に雪国の風景が良く似合います。
白鳥の訪れるポイントにて。(猪苗代湖)
都会の人はノーマルタイヤを履いてスキー場に来てましたよ・・・チェーンの取り付け方も良く分からんようで、このまま30分以上苦闘してました。彼女は見てるだけ(笑)。
常磐道のサービスエリアにて。日欧セダン揃い踏み。
リヤウインドゥにお守りステッカー(笑)。左奥にW124のワゴンが見えますね。あれ欲しいわ・・・ボディカラーもグー。
このクルマは、近年の私のカーライフとしては長く乗っていた方(といってもまだ3年位ですが)です。
しかし、この車の不思議な魅力というか、口で説明するのがなかなか難しいのですが、見て、乗って、走らせて、飽きが来ない。
スバルの硬派な部分が良い面に転化してて、誇らしくも感ずる。中古で買った型落ち車とか、そういう引け目も無い。
スバル 1000、レオーネ、レガシィと連綿と続く、スバルのエンジニア魂を、プライドを感じるのです。
そして新たな愛車として、このクルマの後継者となったエクシーガにも、その鼓動は脈々と受け継がれているのである。