足回りのウェザリングを行っていきますが、前回のパンターは汚し過ぎだったと感じており、その反省を踏まえて作業を進めます。
最近は模型専用のパステルもあるようですが、私が使用しているのは画材店で容易に入手できるこのような一般的なパステルです。AFV関係はこの6色以外は必要ないと思われます。
粗めのサンドペーパー等で好みの色を粉状にし、容器に投入します。
そこへ、スポイトを使ってアクリルの溶剤を適量、滴下します。
今回は、転輪の色が判別できる程度の状態にし、パステル粉を溶剤にをよく溶かします。
以前も説明しましたが、パステルは乾くと白っぽくなるので、そこまで計算してパステルの色を作ります。
この作業で重要なのは、溶いたパステルが転輪の下の部分に溜らないように、塗った後転輪の付いている車体部分をを↑または↓にし、パステルの定着を均一にしてやる事です。
この後、最低2色の色で再度汚しを行い、単調な感じになるのを回避します。
フラットブラックでマズルブレーキ周辺を塗装し、煤煙の表現をします。
フラットブラックを用いるのは、あまりにも記号的な技法だと思いましたが、いい方法も浮かばなかったので、次回の宿題にしたいと思います。
キャタピラにシルバーのドライブラシを行うため、フェンダーにマスキングをします。
第一段階で、地色(この場合はゲルプ)を描き込みます。多少オーバーな様でも、その上にまた別な色を描き込むので問題ありません。とにかく根気と時間がいる作業になります。
フェンダーには、引っ掻き傷が出来た様にチッピングします。
最初のゲルプのチッピングの上に、鉄の地色をそれらしく描き込みます。
実際のツインメリット・コーティングは合成樹脂なので、鉄の地色を描き込むと嘘になります。今回は、コーティング面へのチッピングは最小限にしました。
どこにどうチッピングを施すのか考えてしまいますが、本物を知っているわけではありませんから、イメージだけで進めます。
派手目なチッピングでも、最後にはウェザリングでかなり緩和されます。
全体に半光沢であるのが分かると思います。この時点でマットにしてしまうと(表面がガサガサの状態だと)、パステルの喰い付きは良くなりますが、後で行うウェザリングの際に、溶剤によるぼかしの許容度が落ちてしまいます。
特にドイツ装甲車両全般に共通するウォッシングの原則は、“ダークイエローの部分は、ウォッシング後にダークイエローになるように”です。どういう色調になるのか予測しながら塗装を行うのです。
ウォッシングが終わった段階で、トップコート(半光沢)をシュッとひと吹きします。この後行われる作業から、弱いアクリルの塗膜を保護し、かつ半光沢にすることで、マットな汚しとの対比を強調するためです。
大日本絵画「ティーガー重戦車写真集」を参考に、車両ナンバーの位置を確認しながらデカールを貼り付けていきます。231号車はもちろん、実在の車両です。
ツインメリット・コーティング面への貼り付けは、マークソフターを使ってなじませていきます。貼る面に一滴、貼ってからはデカールの表面にもマークソフターを塗ります。濡れティッシュで押しながらなじませます。
マーキングが終了したら、パステルで窪みにシャドーを入れていきます。実物には無い汚れですが、模型の場合は、「強調させる」ことがより「らしさ」につながります。その後、再度トップコート(半光沢)をひと吹きします。パステル、デカールの保護です。