1996年12月15日
人見知りの激しい自分だが、それでもここ米原キャプ場に半月も居ると、何人かとは少しずつ話すようになる。
同い年の東京からカブで来たK君とは、なんとなくウマが合った。
陽気で、本が好きで、旅慣れていた。
彼の使っているストーブがまたいい。
マナスルという灯油コンロ。とても雰囲気が良かったので、絵に描かせてもらった。
聞けば、米原は12月31日に冬季休業になるので、出て行かねばならないそうな。
みんなはどこに行くの?なんて質問しあう。
キャンパーの中には、冬の間は暖かい沖縄で、毎年のように製糖工場の期間工や、砂糖キビの刈り入れ作業の手伝い、牧場などのアルバイトをして金を稼ぐ人がいるそうだ。
確かに、このキャンプ場から、アルバイトに通っている人は何人かいた。
話しによれば、その人達の住所はここになっているそうで、しかもちゃんと郵便が届く。
ひえ~。何たる事よ。
住所がキャンプ場で、テントが家で、郵便まで届くとは・・・
実際、赤い郵便カブが、郵便を届けに来たのを見た。
感心するやら呆れるやら、と言った感じである。
しかし、自分も人事ではなくなっていた。
実の所、帰れなくなっていた。
帰りの船に乗る金が足りないのだ。
正直焦っていた。
一方で少し投げやりにもなっていた。
この際だから、八重山で冬を越して金を稼ぎ、春になったらまた本土を回れば一石二鳥ではないか?
迷いながらも、自分の都合の良い方に解釈するよう努めた。
となると、今度は働き口だ。
製糖工場で働くには、事前に職安(今のハローワーク)で面接を受けて、合格しないとダメらしい。
ということは、もうこれは手遅れ。
K君は波照間製糖で働く事が決まっているようだ。
次は農作業の手伝い。
冬と言うのは沖縄にとって最も忙しい季節らしく、特に砂糖キビの収穫作業は人出がいくらでも欲しいらしい。
石垣島、西表島、小浜島、波照間島の中のどこかに行く事になる。
自分に重労働の農作業が出来るのかは、はっきり言って全く自信がなかった。
しかし、悠長に働き先を選んでいる余裕などなかった。
ココロはキビ刈り作業のアルバイトに傾いていった。
長期間やっているのは西表島と波照間島らしい。
この時は西表島に行こうかなと思っていた。
しかし、この島にはハブがいるらしい。
う~ん。ちょっと、と言うか、かなりイヤだなあ・・・
蛇は嫌いである。
あるキャンパーが、波照間島で作業員を雇っている農家を知っているというので、電話番号を教えてもらった。
一本の頼みの綱である。
こうなると、先行きが明るくなったような気になってくるから不思議だ。
とにかくやってみよう。
もう帰れないのだから、やるしかないのだ。
人見知りの激しい自分だが、それでもここ米原キャプ場に半月も居ると、何人かとは少しずつ話すようになる。
同い年の東京からカブで来たK君とは、なんとなくウマが合った。
陽気で、本が好きで、旅慣れていた。
彼の使っているストーブがまたいい。
マナスルという灯油コンロ。とても雰囲気が良かったので、絵に描かせてもらった。
聞けば、米原は12月31日に冬季休業になるので、出て行かねばならないそうな。
みんなはどこに行くの?なんて質問しあう。
キャンパーの中には、冬の間は暖かい沖縄で、毎年のように製糖工場の期間工や、砂糖キビの刈り入れ作業の手伝い、牧場などのアルバイトをして金を稼ぐ人がいるそうだ。
確かに、このキャンプ場から、アルバイトに通っている人は何人かいた。
話しによれば、その人達の住所はここになっているそうで、しかもちゃんと郵便が届く。
ひえ~。何たる事よ。
住所がキャンプ場で、テントが家で、郵便まで届くとは・・・
実際、赤い郵便カブが、郵便を届けに来たのを見た。
感心するやら呆れるやら、と言った感じである。
しかし、自分も人事ではなくなっていた。
実の所、帰れなくなっていた。
帰りの船に乗る金が足りないのだ。
正直焦っていた。
一方で少し投げやりにもなっていた。
この際だから、八重山で冬を越して金を稼ぎ、春になったらまた本土を回れば一石二鳥ではないか?
迷いながらも、自分の都合の良い方に解釈するよう努めた。
となると、今度は働き口だ。
製糖工場で働くには、事前に職安(今のハローワーク)で面接を受けて、合格しないとダメらしい。
ということは、もうこれは手遅れ。
K君は波照間製糖で働く事が決まっているようだ。
次は農作業の手伝い。
冬と言うのは沖縄にとって最も忙しい季節らしく、特に砂糖キビの収穫作業は人出がいくらでも欲しいらしい。
石垣島、西表島、小浜島、波照間島の中のどこかに行く事になる。
自分に重労働の農作業が出来るのかは、はっきり言って全く自信がなかった。
しかし、悠長に働き先を選んでいる余裕などなかった。
ココロはキビ刈り作業のアルバイトに傾いていった。
長期間やっているのは西表島と波照間島らしい。
この時は西表島に行こうかなと思っていた。
しかし、この島にはハブがいるらしい。
う~ん。ちょっと、と言うか、かなりイヤだなあ・・・
蛇は嫌いである。
あるキャンパーが、波照間島で作業員を雇っている農家を知っているというので、電話番号を教えてもらった。
一本の頼みの綱である。
こうなると、先行きが明るくなったような気になってくるから不思議だ。
とにかくやってみよう。
もう帰れないのだから、やるしかないのだ。