風箱の徒然ブログ

旅の思い出話から、木工、日常の徒然を気ままに

波照間島の文化

2008-03-20 21:09:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
朝の何時だったろうか。
島の人らしい女性が2人、テントを張っている自分達のスペースを通り過ぎ、草むらに消える。そして、しばらくしたら帰って行った。

こちらが「おはようございます。」とあいさつしても、目をそむけて、決して話そうとはしない。
姿がちょっと変わっていた。
白い服に、頭にも何か布を巻き、片方の手に杖を持ち、もう片方の手には15cm位の木の実をえぐったようなのにひもを付けた物を持っていた。

「この島の儀式か何かだろう。」と皆で推理したりした。

これは後で分かったのだが、2人の白装束の女性は「つかさ」と言って、島の神事や、あちこちにある「うたき(もしくはおがん)」にいる神様の世話をするそうである。
テントを張っている場所のすぐ近くに、うたきがあるようだ。

つかさは、簡単になれるものではなく、神事も年に数回しか見られない。
いや、本来は見てはならない。
とくに、男性は絶対会ってはならないらしい。
つかさを見かけたら避けてまわり道するほどだと言う。

まあ、外から来た知らない人は例外ということで、バチが当たるという事はないそうなので、ひと安心。
二度と見る事はできないであろう。


波照間島は1周が15km程の小さな島だ。
走る所ほとんどが砂糖キビ畑。
あちこちに山羊がいる。

日本に3基しかないという、大気の成分を調べる「モニタリングステーション」がある。波照間の他には、北海道の根室、茨城にあるそうだ。

さて、NT君の誘いで、島で一番の歌い手と言われる、後冨底周二さんのCD発売記念のパーティがあるというので、他のキャンパー達と一緒に、ビニルハウスが並ぶすいか畑の中にある番小屋へ行った。

周二さんは、一見するとヤクザ(失礼)のような風貌で怖いが、実はとてもいい人のようだ。
20人くらいが集まり、番小屋はギュウギュウ詰めだった。
オリオンビールと泡盛、そして周二さん自ら腕をふるった山羊鍋、ブダイなどの刺身など、とても美味しくいただいた。

20人も集まるとさすがに熱気がすごい。
周二さんの名人芸的三線と歌で多いに盛り上がった。
この時初めて沖縄の文化に肌で触れた。
自己紹介を兼ねて、安里屋ユンタで一人づつ歌い回しするのだが、自分はこういうの大の苦手で実に困った。

夜も深くなり始めの頃、ひと段落した所で抜け出した。
いや~ものすごい濃い空間だったわ~。

翌日は二日酔いで沈没。
頭がガンガンしてほとんどテントで寝ていた。