kebaneco日記

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気づかなかった〜

2025年01月18日 | 折々の話題

イングランド銀行総裁を務めたマーク・カーニー氏が、辞任を表明しているトルドー首相の後継者として名乗り出た。

 

なんでイギリス人がカナダの首相になれるんだ?と激しい違和感を覚え記事を読み進め、カーニー元総裁はイングランド銀行初のカナダ人総裁だったってことを知った。

 
 
カーニー氏は、気候変動と金融システムの関係、もっというと気候変動で金融システムの安定性が損なわれるのでは、という警鐘を鳴らし続けてきた人。今では普通に使われる「座礁資産(気温上昇を1.5度に抑えるアクションが主流になると重荷にしかならない資産;例えば石炭資源、石炭火力発電所など)」という概念を提唱したのも彼。だから金融安定理事会がTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosure; 気候関連財務情報開示タスクフォース)を発足させ、企業が業績開示をする時に財務情報としては現れない「気候変動が激烈化した時にその会社にどういうリスクが起こりうるか」を開示させる枠組みづくりをはじめて、その初代議長となった。
 
 
ここ6-7年、環境や財務関係の仕事の時に、この人の名前が出ないことはなかった。でもいつも「イングランド銀行総裁」とか「元イングランド銀行総裁」という紹介をされるので、てっきりイギリス人だと思っていた。記事をちゃんと読むと、このかたは先進国の中央銀行総裁としては最年少でカナダ銀行の総裁となり、その後公募によりイングランド銀行の総裁に選任されちゃったという、ものすごい経歴を持っていて、今は資産運用会社でESG投資やインパクト投資部門を統括する副会長だという。
 
 
ぜひカナダ自由党党首選挙で勝っていただきたい。正しいことをするためのグローバルで巨大なイニシアティブを、各国の利害を調整しつつ率いた、そして幅広く信頼を得てきたカーニー氏が、カナダで実力を発揮してくれることを心底望んでいる。隣の国のならず者が、アホ以外の何ものにも見えなくなるような、圧倒的な倫理的価値観と指導力を見せつけてほしい。
 

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