kebaneco日記

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怪しい

2010年04月06日 | 折々の話題
昨日自民党に離党届を提出した後、園田博之センセは記者団の質問に「離党届には『打倒民主党のため、新しい党に参加したい。そのため離党する』と書いてある」と答えたとされる。打倒民主党だけなら自民党に残ったってできる話。現在の自民党の体制では戦えないと批判することは簡単だけど、自民党を一致団結させるとか、戦える組織に変えることもできないような人が、日本を変えるなんて土台無理だろうし、民主党を打倒も怪しいものさ。

お国の一大事なのに、自分のことしか考えてない。「じっちゃんの党」(命名by特派員一号)、大義もなく怪しすぎ、大儀なこっちゃ。

怪しいといえば・・・

こないだ新聞で、脳科学全体への信頼が揺らぎかねないような、根拠が乏しく怪しいさまざまな「神話」を撲滅しようという動きが出てきているという記事を読んだ。

「脳科学者」を名乗る「専門家」が「最近の研究では・・・」などとのたまうと、一般人は「そっかぁ~」といともたやすく信じてしまう、それに対する危機感が高まっている、というのだ。さらには、単に心理学の実験程度で集中力が高まるとわかっただけのゲームを、「脳を活性化する」と謳ってみたり、健康に良い食べ物を「脳に効く」とあおってみたり、消費者に「脳が・・・」という言葉がもつインパクトを悪用したものが目立ち、もはや悪影響を考えると看過できないとあった。

その記事には、世界中の脳精神科学者や教育学者が共同でOECDから出した報告書で、脳科学の発展がもたらす教育分野での可能性に触れながらも、「神経神話を一掃する」という独立した章を設けて、「脳が・・・」という根拠の薄い「俗説」を「神経神話(neuromyth)」と名付け(造語)、打倒(笑)を図っているとあった。ついでに存在理由の薄いセイジカも一掃してほしいけど、残念ながら、それはOECDの役目じゃないよなってことで・・・。

いわゆる「神経神話」として、賛否両論、鵜呑みは禁物とされたものの一例は、こんな感じ↓。

右脳と左脳は異なる働きをになっており、どちらが優位かで人は“右脳型”と“左脳型”に分かれる。
私たちの脳は全体の10~20%程度しか使われていない。
語学や楽器演奏などには、学習適齢期がある。
睡眠学習は効果がある。
記憶力は改善できる。
女性の脳と男性の脳は大きく異なる。
生後3歳までで脳の基礎的な能力はほぼ決まる。

など、など

ちなみにOECDのホームページでは6つの事例があげられ、一般に信じられている俗説の内容、それと相反する主張の説明、それらの出典、などが事例ごとに説明されている(英語)。ハイパーリンクは6つめの事例に貼ってあり、ずっと読んでいくと下のほうに1から5までのリンクがあるので、そちらを参照くだされ。

人間の脳は科学技術の進歩により、部位ごとの機能の解明が進んでいるとはいわれている。でも、今でもネズミの脳を使った実験が主流だそうで、素人考えでも「なんでネズミなんやぁ~~」な状態。おまけに、そういう各部位ごとの解明すら終わってない状況であるからして、「脳」、ましてや「人間の脳」全体について科学的にうんぬんできる状態にあるひとは、誰一人としていないとも言える状態なのだって。

そういう状態であるにもかかわらず、「最近の研究で、人間の脳は・・・」とか言える人って、自分の研究に求めるサイエンスの度合い低すぎ・志低すぎ。かつ科学者としての社会的責任意識が低すぎ。そんな輩のことを、「科学者」だと呼んでいいのかはなはだ疑問だなぁとkebaは思うのであります。

そういえば、テレビに出まくって、まじめな実験してる時間あるのかなぁと思えるような脳科学者を名乗る人が、スピリチュアル・カウンセラーを名乗る人と共著で本を出したり、ど~考えても怪しい「科学者」がいるもんだなぁとは思っていた(苦笑)。そ~か、そ~ゆことか、一掃されるべきはあの種の人なのね、きっと、なんて激しく納得。

科学技術の進歩から恩恵を被ることは多いし、何事も専門家の知識やアドバイスはありがたいものではある。が、たとえばインターネットで調べて得られる情報は玉石混交だし、「専門家」だって資格試験のない分野においては同様だろう。我々情報の受け手も、相手の主張を検証できないまでも、根拠を疑う目・批判する頭・考える心なんぞを持たないと、見た目のインパクトだけが強い情報に踊らされるだけで、結局馬鹿を見るよなぁと、当たり前のことを思い知った次第。

政治も、科学も、ね。

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