kebaneco日記

日々の出来事、考えたこと、行った場所、見たもの、なんかを記録してます

桜満開の京都旅 初日

2024年04月08日 | 旅行記&その他
今回はとにかく主人のウィルス性胃腸炎でキャンセルした予約を「1ヶ月以内でしたらいつでも変更可能ですから」と無鄰菴事務所に言われたことがきっかけで、先週末の京都行きが決まった。そのときは「もう桜は終わってるだろうね」「葉桜かなぁ〜」などという会話をしていた。おまけに1週間前の天気予報でもあまり期待のできない空模様。が、台風で午前中新幹線がストップしても根性で旅行に行っちゃう我が家(笑)、東京駅で駅弁をゲットして新幹線に。京都駅ではクロスタ(ホテルまで荷物を運んでくれる)を使って手ぶらになり、地下鉄・バス1日券を入手して、まずは駅から徒歩で行ける渉成園へ。
 
 
東本願寺の飛地。周囲にカラタチが植えてあったことから枳殻邸とも呼ばれる。平安時代の左大臣源融が営んだ六条河原院の旧跡という伝承などがある場所(が歴史的にはここではなかったのではという話になっているらしい)、徳川家光がこの土地を本願寺に寄進し、石川丈山が作庭、江戸時代の2度の大火をへて明治時代に復興され、1936年に国の名勝に指定された四季折々の花が楽しめる池泉回遊式庭園。
 
 
 
入って目を引くのは桜の林
 

 
ちょうど満開
 
 
 
京都タワーが借景(笑)
 
 
いきなり桜が満開でよかったね〜と言いながら、烏丸通りに出た。クロスタは本当に便利だ。今回の旅行でも大きなスーツケースを持って混雑したバスに乗り、本人は肩身が狭く周囲も黙ってるけど迷惑してるオーラを発している状況を多く目にした。東京でずいぶん普及してきたロンドンタクシー型の車種が京都ではまだ比較的少ないので、長期滞在予定で大きなスーツケース1つにまとめてきたりすると、タクシーのトランクに荷物が入らない。そういう光景も何度も目にしてきた。インスタ映えする観光地情報は広がるのが早くても、そういう旅行のお役立ち情報ってなかなか伝わらないもんだね。
 
 
以前はクロスタだけだったけど、今回の受付の人によると「もう一社同じサービスを提供していますので、お間違えなく」ということだった(笑)。こういうのが増えて、一人でも多くの人がバスに乗れて(特に地元の人)、少しでもオーバーツーリズム状態が緩和されればいいなあと、オーバーツーリズムに加担しつつも考えたのであった。
 

 
東本願寺は中には入らず門の写真だけで失礼
 
 
今回の旅程で決まってるのは、2回の夕食と無鄰菴だけ。お天気なら小川治兵衛作のお庭と桜を、雨なら建物を見ようかな〜という程度でしか予定を立てていなかった。花ぐもりだけど雨は降らない予報。渉成園をゆっくりみ終わっても無鄰菴の予約の時間にはずいぶん早いので、蹴上のインクラインの桜を見に行くことにした。五条まで歩いて烏丸線で烏丸御池、そこから東西線で蹴上げ、というルートになる予定だった。
 
 
地下鉄で移動中に「立誠小学校跡地で地元のイベントの手伝いをしている」と、主人の先輩の記事がインスタにアップされた。立誠ガーデンは小学校跡地を一部は保全、一部は再生してホテルになっている場所で、実は前から気にはなっていた。しかも今回は人に背中を押されてやってきた京都、押された背中は全部押されてみるもいいかも?と感じて「いいじゃん、行こうよ。学校って絶対桜あるもん」と、東西線に乗り換えようと降りた烏丸御池駅で、そのまま外に出ていつもは通らない小さい通りを突っ切って立誠ガーデンへ。
 
 
 
ローカル密着型イベントをやっていた
 
 
ここに立ってるザ・ゲートホテル京都高瀬川、決してお安くはない。ホテルの持つ物語には興味があるけど、うちみたいに週末一泊で観光旅行をする人間にとっては、ホテルはある程度の広さがあって、バスタブがそこそこ広くて、落ち着ける場所ならここまでお金を出さなくてもいい。今回もホテルに滞在したのは夕食を終えて翌朝チェックアウトするまでの10時間くらいだから。なのでせめてご飯でも食べていこうか、ってことで(笑)。
 
 
 
お揚げさんのピザとか万願寺とうがらしのアヒージョとか
 

 
目の前の高瀬川の桜も満開
 
 
川沿いをそぞろ歩いて、京都市役所前駅から東西線に乗り蹴上まで。このタイミングで日本に来た外国人観光客はラッキーよね、去年のタイミングを考えたら先週来てたよね、なんて話しながら歩いてたらあっという間。あらためて高瀬川を散策してわかったのは、池田屋跡とかいろんな人が遭難した場所とか、いわく付きの場所ばかりで、長い歴史を持つ京都を凝縮したようなところだったってこと。
 
 
「遭難」って書いてあるとどうしても雪山遭難しか連想できなくて「難に遭った」と理解するのにちょっと時間がかかるね〜などと、地下鉄でアホ丸出しの会話をしているうちに蹴上到着。
 

 
インクラインに登ってみた
 
 
 
琵琶湖疏水の舟ルートの、途中の水路落差が大きい場所に設置した傾斜鉄道。伏見と蹴上の2箇所にあったらしいけど、線路まで残して保存されているのは蹴上のみ。ここは蹴上船溜まり(上流にあたる)と南禅寺船溜まり(下流にあたる)の間の36メートルの高低差を、鉄道に乗せて舟を引き上げた、当時としては世界最長の傾斜鉄道で、その長さは600メートル。
 

 
枝垂れ桜も満開
 



足元の線路に乗っかって撮るとこんな感じ
 
 
途中でインクラインを降りて、無鄰菴方面へ。予約の時間にはまだ早いから、その手前の京都市国際交流会館へ。ここにも小川治兵衛が手がけた庭があり、通常はカフェレストランで窓越しに拝見することができる。が、この日は無料開放日だそうで、ラッキーとばかり、あたしたちはこの小さなお庭に出てしばし休憩したのであった。
 
 
 
小さなお庭は京都市長公舎の迎賓館時代の名残だそう
 

 
前庭では国際交流イベントが開催されていて賑やかだった
 
 
ということで、本日の目的の場所へようやく到着。無鄰菴、1896年に造営された山縣有朋の別荘。近所に何も立っていなかったので「隣のない庵」で無鄰菴。小川治兵衛の作庭、近代日本庭園の傑作と言われる。このあたりには富裕層がこぞって立てた別荘がたくさんあるけど、通年で公開しているのは無鄰菴だけで、1951年に国の名勝に指定されている。
 

 
入り口、お向かいは瓢亭という土地柄
 

 
ここでガイドの方の説明を伺う
 
 
池を海に見立て、岩を島に見立てるような象徴主義的な庭ではなく、東山を借景に里山の風景や小川をそのまま自然主義的に取り入れた庭。ガイドさんからは無鄰菴は3つあり、ここは第三無鄰菴、第二無鄰菴は京都市内に、第一無鄰菴は下関にある、と説明を受けた。写真左手にある石のうち平たい大きな石を「伽藍石」といい、作庭家が「ここに立って景色を眺めてほしい」という思いを込めておいた石です」と教わった。ま、今でいう映えスポット(笑)。
 

 
伽藍石の上に立つとこういう風景
 
 
東山から足元に至るまでが、連続した里山の風景のように感じるのは琵琶湖疏水から引いた水のおかげ。東山がこの庭園の主役なのかもね〜などと思いつつ、庭を鳥の囀りを聞きながら散策。
 
 

 
母屋、洋館、茶室の三つの建物が立っている
 

 
茶室
 

 
 
洋館の内部。1903年、当時の元老山縣有朋、政友会総裁伊藤博文、総理大臣桂太郎、外務大臣小村寿太郎が、日露戦争開戦直前の日本の外交方針を決めた「無鄰菴会議」がここで開催された。当時の新聞では、約2時間(みじかっ!)だったそうな。
 



 
一番先の丸いのが「伽藍石」
 
 
というわけで、無鄰菴を出て疏水沿いをぶらぶら、ここの桜も見事に満開であった。
 
 
 
疏水沿いには動物園・京セラ美術館・近代美術館などがならぶ
 
 
そのうちの一つ京都市京セラ美術館の庭も小川治兵衛作で、庭園は無料で24時間開放されているので行ってみた。が、今回はあたしが毛嫌いしている村上隆の作品で、おまけにルイヴィトンとのコラボで、せっかくの茶室が覆われていて残念しごくである、おのれ〜むらかみ〜、でございまする。で、この辺りもう一つ小川治兵衛の庭がある、それが平安神宮。社殿を取り囲むように庭が配置されている。気を取り直してそちらに向かうことにした。
 
 
 
神苑の八重枝垂れ桜も満開
 

 

 
東山を借景にした東神苑栖鳳池にかかる橋殿と中央の泰平閣
 
 
無鄰菴と違って広すぎて大味だし、なんだかよくわかんない感じだったけど、東神苑の美しさに満足。
 



最後に本殿をパチリ
 
 
初日は約2万歩歩いてここで終了し、この辺りに京都に出てきて最初に住んだのがこの辺りだった主人、あたりを散策してみたものの「変わりすぎててわからん」。この日は御所の南のいつも行っているビストロで夕食をとってから、ホテルにチェックインしたのであった。
 
 
追記:クロスタってどうやって使うの?って聞かれたのでお答え(回し者じゃありませんぜ〜)
JR京都駅の地下1階にある、JR京都駅キャリーサービスというのが正式名称。京都駅からホテル、ホテルから京都駅の荷物の移動を代行してくれる。うちは京都駅に到着したらまずここに荷物を持って行ってホテルまで運んでもらう。ホテルからは翌朝10時までにフロントで手続きすれば、午後2時以降8時までの間に京都駅で受け取り可能。料金は片道1500円、もしも旅程の一環で朝一番に京都駅に行くようならば、一時預かり1日1個800円を利用できる。
 
京都駅に限らず駅のロッカー探しに苦労したことがあり、できる限りクロスタを使っている。例えば四条のホテルに2人で泊まる、荷物を預けてから渉成園にとって返す、となると、京都の地下鉄は割高なので2人で220円x4プラス1時間くらいのタイムロス。料金だけを見ればペイしないかもしれないけど、1泊二日という短期の旅行で、観光地で過ごす時間が1時間増える価値はかなり大きいと思う。スーツケースを持って混んだバスに乗るのが憚られ、20−30分列に並んでタクシーに乗るということとも無縁。コスパも良く精神衛生上も極めて良好なサービスだと思う。
 
 

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8 コメント

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Unknown (wada67miho)
2024-04-08 16:07:33
kebaさま

京都の桜を満喫できて良かったですね🎵
僕は京都の大学に4年間通いましたが、京都についてはkebaさまの方がずっとお詳しい。勉強になりました😄
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wada67mihoさま (keba)
2024-04-08 17:17:06
桜の開花時期に関しては、まさにストライクゾーンど真ん中、って感じでした。
主人も学生時代6年京都にいて地理情報は詳しいので助かりますが、
名所・旧跡・美味しいところ、は全く知らないので「俺の6年は何だったんだ〜」ってぼやいてます(笑)。
あたしは大学時代に当時山口に住んでいた両親のところに帰省するとき
友人と京都や奈良であそんで別れて帰るとか、京都や奈良で落ち合って観光して一緒に東京に戻る、
みたいな生活を4年間やってたので、当時無鄰菴に行ったことがあったり、かなり詳しいです(笑)
当時はバスに乗るのに便利で荷物も預けられるから、と駅前のチサンホテルを使ってました。
今でもチサンホテルはありますが、当時は地下鉄は北大路までしか行ってなくて、観光には使えませんでした(苦笑)。
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京都~ (よう)
2024-04-08 19:04:12
ブログで堪能させてもらいました。
蹴上って 山の中に勤めていた会社の保養施設があって 研修もおこなわれたり
家族旅行や社員旅行にも利用して 何度も行った 懐かしい地名。
でも こんなにあちこち出来なかったので 今更残念。
やっぱり京都!ですね。
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おー美しい! (じぇれまいあ)
2024-04-08 19:11:53
お誕生日おめでとうございます🎈🎉🎂

美しい写真の数々、目の保養させていただきました。
満開の桜や庭園、良いですね❤️
続きを期待🤩
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ようさま (keba)
2024-04-08 20:25:14
蹴上に保養施設があるなんて、すごいです。
京都は自分の年齢とともに行きたい場所が変わる、行った時に感じるものが違うところがたくさんありますね。
主人は「住んでた6年を無駄にした」と思ってるフシがありますが、
男子大学生が無鄰菴に魅力を感じるか疑問(笑)
なので、大人の修学旅行は京都とか奈良、いいと思います!
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じぇれまいあさま (keba)
2024-04-08 20:26:42
ありがとうございます
あたしの周り、4月生まれが多いんですよね〜
主人もそうだし。
みんな一気に歳をとります(笑)、みんなで歳取れば怖くないぞ。
一泊二日旅なので、あと1日分お付き合いくださいませ
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Unknown (tsubone)
2024-04-08 22:18:43
お誕生日おめでとうございま~す。
一日違い kebaさんのお誕生日は一生忘れないな・・・

無鄰菴 ぜひ行きたくなりました。こういう周りに廊下があってお庭を眺められる感じって好きなんですよね。
桜があると京都の景色は何段階もパワーアップしますね。
やっぱり心がけ良かったのね。
例年だともう桜もおしまいの頃ですもんね。
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tsuboneさま (keba)
2024-04-08 22:41:19
ありがとうございます
そして、1日早いお誕生日おめでとうございます、お互いいい年にしたいですね。

無鄰菴、え〜っと、説明がまずかったかな?周囲に廊下があるわけじゃなくて、
建物は門に近いあたりに集中していて、そこから東山を借景にお庭があるって感じです。

確かに桜は京都だけじゃなくていろんな景色をパワーアップさせますね。
先週末東京でも桜狩りのタイミングだったですし、
毎年一回どんな人にもご褒美がもらえる、みたいな。
でも確かに、昨年の吉野まで行ったのに葉桜見物、に比べるとそこから1年間の行いはよかったのかな(笑)
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