ナパバレーにあるFar Nienteというワイナリーを見せてもらった
現オーナー一族により修復されたワイナリービル
歴史は1885年に遡る。アメリカ印象派画家のWinslow Homerの叔父にあたるJohn Benson(49年組とよばれる、ゴールドラッシュでカリフォルニアに来た人達のひとり)によって設立される。丘の斜面を利用したワイナリーは、建築家のHamden McIntyre作。重力を使ってブドウを次の工程に優しく移動させる重力流式の醸造所だったという。
今は重力利用ではないらしい。現在発酵用の樽はステンレス製
ここがにぎやかになるのは一年のうちほんのちょっと
その後このワイナリーは禁酒法(1919-1933)が施行される1919年まで栄えたものの、その後閉鎖され文字通り「無為」、荒れるにまかされていた。60年後の1979年に種苗業を営んでいたGil Nickelがワイナリーと近隣のブドウ畑を購入し、3年かけて手を入れて修復した。修復中に今も残るオリジナルの建物の前面にfar niente と刻まれている石を発見し、昔の名前を残すことになったそうだ。
その刻印のある石は、夕食を頂いた食卓の向こう、ブドウ畑を見渡す窓の外
窓アーチの上にある
Far Nienteは自ら250エーカーのブドウ畑を所有。ちなみに隣(写真左方向)はかの有名なロバート・モンダヴィのブドウ畑
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ケラー(地下貯蔵庫)について少々。当初から固い岩をくりぬいて貯蔵庫を作ることを想定していたが、ベンソン氏の死去と禁酒法により叶わず。1980年にニッケル氏がAlf Burtleson氏を雇ってワイナリー裏に貯蔵庫を堀始め(北米初)最終的に2001年に完成したときには4万平方フィートもの規模になった。規模のみならず、照明にまで配慮した美しいケラーでもある。現在フレンチオーク樽にして2500本分のワインを貯蔵している。
石組みの壁の向こうは果てしなく続く地下ケラー、地上で保存するより湿度温度ともに安定し、蒸発も少ないとか
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樽がピンク色なのは、蒸発した分補充するときに醜くこぼれたワインを樽に塗りつけているからとのこと、いいアイディア
ここはシャルドネとカベルネのみのワイナリー
熟成が終り瓶詰めされたワインは、毎年の生産量の1割ほどライブラリーと呼ばれる棚で保存される
単なる棚なのに整然としていて美しい
9割はその年に販売し、残りの1割のそのまた一割を毎年「cave collection」として販売するそうで、案内してくれた女性が見せてくれたこの2本のワインは、左側がcave collectionからとってきてもらった古いもの、右側が一番新しいビンテージのものだそうだ。ブドウ畑を購入し、手入れし、ワインをつくるという果てしなく手のかかる作業を、できた年に全部売ってしまうのではなく、1割は手元で熟成させてコレクションアイテムとしてプレミアムをつけて販売する、それによって不作の年にも最低限の収入が確保できるだろうし、この広大なワイン畑を維持し、畑をさらに買い増すのにも使われるのだろう。自然相手のリスキーなビジネスを持続可能にする知恵、かな。far nienteとはイタリア語で無為・なにもしない、っていう意味だけど、それとは程遠いであろう葡萄酒作りである。
案内してくれたヒラリーさん
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1998年に、初代far niente醸造の1886年ヴィンテージのワインが発見された。現存する最古のカリフォルニアワインとされるそのボトルには、創立者ベンソン氏の甥の画家ホーマー作のラベル(ブドウの房が積まれたハンモックを描いたセピア色の線画)が残っていた。
そのラベルがこれ、暗くてわかりにくいけどね
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というワイナリーツアーでございました。広大な地域に整然とブドウの木が植えられ、丹精込めて手入れされている様子は、日本の里山の風景とどこか重なるところがあり、人間の営みと自然との関係って本来こうあらねばならないんだろうなぁ思ったkebaざんした。
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歴史は1885年に遡る。アメリカ印象派画家のWinslow Homerの叔父にあたるJohn Benson(49年組とよばれる、ゴールドラッシュでカリフォルニアに来た人達のひとり)によって設立される。丘の斜面を利用したワイナリーは、建築家のHamden McIntyre作。重力を使ってブドウを次の工程に優しく移動させる重力流式の醸造所だったという。
今は重力利用ではないらしい。現在発酵用の樽はステンレス製
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その後このワイナリーは禁酒法(1919-1933)が施行される1919年まで栄えたものの、その後閉鎖され文字通り「無為」、荒れるにまかされていた。60年後の1979年に種苗業を営んでいたGil Nickelがワイナリーと近隣のブドウ畑を購入し、3年かけて手を入れて修復した。修復中に今も残るオリジナルの建物の前面にfar niente と刻まれている石を発見し、昔の名前を残すことになったそうだ。
その刻印のある石は、夕食を頂いた食卓の向こう、ブドウ畑を見渡す窓の外
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Far Nienteは自ら250エーカーのブドウ畑を所有。ちなみに隣(写真左方向)はかの有名なロバート・モンダヴィのブドウ畑
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ケラー(地下貯蔵庫)について少々。当初から固い岩をくりぬいて貯蔵庫を作ることを想定していたが、ベンソン氏の死去と禁酒法により叶わず。1980年にニッケル氏がAlf Burtleson氏を雇ってワイナリー裏に貯蔵庫を堀始め(北米初)最終的に2001年に完成したときには4万平方フィートもの規模になった。規模のみならず、照明にまで配慮した美しいケラーでもある。現在フレンチオーク樽にして2500本分のワインを貯蔵している。
石組みの壁の向こうは果てしなく続く地下ケラー、地上で保存するより湿度温度ともに安定し、蒸発も少ないとか
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樽がピンク色なのは、蒸発した分補充するときに醜くこぼれたワインを樽に塗りつけているからとのこと、いいアイディア
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熟成が終り瓶詰めされたワインは、毎年の生産量の1割ほどライブラリーと呼ばれる棚で保存される
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9割はその年に販売し、残りの1割のそのまた一割を毎年「cave collection」として販売するそうで、案内してくれた女性が見せてくれたこの2本のワインは、左側がcave collectionからとってきてもらった古いもの、右側が一番新しいビンテージのものだそうだ。ブドウ畑を購入し、手入れし、ワインをつくるという果てしなく手のかかる作業を、できた年に全部売ってしまうのではなく、1割は手元で熟成させてコレクションアイテムとしてプレミアムをつけて販売する、それによって不作の年にも最低限の収入が確保できるだろうし、この広大なワイン畑を維持し、畑をさらに買い増すのにも使われるのだろう。自然相手のリスキーなビジネスを持続可能にする知恵、かな。far nienteとはイタリア語で無為・なにもしない、っていう意味だけど、それとは程遠いであろう葡萄酒作りである。
案内してくれたヒラリーさん
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1998年に、初代far niente醸造の1886年ヴィンテージのワインが発見された。現存する最古のカリフォルニアワインとされるそのボトルには、創立者ベンソン氏の甥の画家ホーマー作のラベル(ブドウの房が積まれたハンモックを描いたセピア色の線画)が残っていた。
そのラベルがこれ、暗くてわかりにくいけどね
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というワイナリーツアーでございました。広大な地域に整然とブドウの木が植えられ、丹精込めて手入れされている様子は、日本の里山の風景とどこか重なるところがあり、人間の営みと自然との関係って本来こうあらねばならないんだろうなぁ思ったkebaざんした。
雨にぬれたブドウの木の幹がきれいでした。
見学料金は場所によるのではないでしょうか、
ここは有料で結構いい値段です。
でも、far nienteのワインの値段を考えると当然かもしれませんね。
カリフォルニアワインも美味しいですね。
ワイナリーは無料で見学できるんですか。余市で醸造所を見た時は、たしか無料でしたが。
いいPRになりますよね。