kebaneco日記

日々の出来事、考えたこと、行った場所、見たもの、なんかを記録してます

政策に科学的アプローチを

2011年06月23日 | 折々の話題
原子力安全委員会が、原子力発電所の安全に関する指針類の改定作業に着手した。来年3月までに改訂項目をまとめ、数年かけて見直すという。見直しは当然と思うものの、福島原発の事故を受けていろんな人たちが「政策の見直し」という言葉を口にする、それが記事になったりニュースでとりあげられるたびに、あたしは不安になる。

政策という、あたしたちの生活にかくも影響大なものに対して、政策決定者たちは、科学的な定量的・定性的分析を行ったことがあるのだろうか、そしてその結果を国民に伝える努力をしてきただろうか。断片的に「オリンピックの開催地になると幾らの経済効果」みたいな、日本にオリンピック誘致をさせることでもうけようとする広告代理店の手先みたいな組織が、根拠の希薄な数字をはじき出したりする、そういうことはあったとしても、たとえば悪評高きゆとり教育、いったいどういう弊害を生んだのか、なぜそういう弊害が生じたのか、どこでボタンをかけ違えたのか、といった評価が系統立ててされた形跡はない。ってか、少なくともそういうものが一般国民の目に触れる機会はなかったといってよかろう。そういうトピックの調査報道も目にしたことはない。

だから、政策を見直さねばっていう言葉は、その政策の「延命措置を講じる」「正当化するための理由作りをする」と同義語にしか聞こえない。特にたとえば、原子力発電所の安全基準や指針を作った張本人がそれを見直しするなんて言い始めたら、そりゃ「やっぱりまずい基準だったんだ」としか思えず、定期検査で停止されていた原発が再稼働されなんとしている今、さらに原発のことが怖くなる。

安全基準を見直すという小手先の対症療法じゃなくて(しかもそれに何年もかけるなよ・・・)、「原子力政策」なるものが、そもそもなにを達成目標に掲げていたのか、どういうリスクとメリットがあり、それぞれにどういう分析をして、それぞれのリスクに対する対策はどういうものが講じられてきたのか、そして当初政策が掲げた理想像と比べて現状はどういう状態なのか、まずはエビデンスに基づいた政策評価をしてほしい。想定外のことが起こった時に最悪の事態を招かないための対策の、どこにぬかりがあったのか、納得のいく説明をしてほしい。安全基準を見直しをするなら、見直しの方法や手法を国民に開示し、どういう基準やデータを元にして、なにをどうするために見直すのか、まずはそれらを明らかにしてほしい。

電気を使わない国民はいない日本において、すべての国民の生活に直結している原子力政策を、少なくとも外部電源の全喪失すら想定できなかった(あるいは、原発をつくるためにあえて想定しなかった)「専門家」や「専門機関」に、科学的根拠を示されないまま原発の安全基準を見直しされるのは、欠陥とその欠陥の責任の所在をうやむやにされ、この教訓が生かされる日など永遠に来ないのではないかと不安に思うkebaです。

写真は護国寺の猫。酔っぱらって外で眠っちゃったおっさんみたいにも見える、ユーモラスなお顔。夕暮れ時の護国寺の境内で猫さんを探すお散歩、最近やってないなぁ~。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tomoke)
2011-06-23 14:37:20
パチパチ・・・大拍手!
そうだ!その通りだ!

ニュースを見るより、猫を見ていた方が、
いらっ!っとせず、健康に良さそうです。
返信する
>tomokeさま (keba)
2011-06-23 16:44:08
そんなに原発が好きなら
電力会社の本社だって、国会関連施設だって、経産省も保安院も
みぃ~んな原発の敷地内に移設すりゃいいのにね~
あたしゃいやですよぉ~

とかぐちりながら、猫様のブラッシングに励むkebaでございます。
奉仕してるのか、癒してもらってるのか不明(苦笑)

今年は節電で涼しくしてあげられないから、
せめて冬の毛だけでもとって、夏服(?)にしてやらねば、です。
返信する

コメントを投稿