
去年の11月、今年の3月、に続いてなんと1年以内に3度目の奈良旅行。今回はクラウドファンディングの返礼として、僧侶に法隆寺内を案内していただけることになった。土曜日の朝自宅を出て、新幹線と在来線を乗り継いで奈良へ。駅前のホテルに荷物を預けて、いつも朝ごはんを食べる奈良物産を扱うお店で、初めてランチをとった。そしてJRで法隆寺駅へ、そこからは時間が余ったので徒歩で法隆寺へ。南門を入ってすぐの社務所に1時集合。
お茶とお菓子ををいただきながら、鏡を模した金属にキリで名前や願い事を彫る。社務所も重要文化財だそうで、奥にあるお堂もどうぞご自由にご覧くださいと通されたりしつつ、今回見せていただく場所の説明を受け、5組10人が二人組のお坊さんに付き添われて出発。順番は違うけど、まず最初の写真。最下階の屋根と裳階の間で頑張るこのおかた、ガイドブックには邪気、とあった。
昭和の大修理の時の記録には、邪気ではなく力士と記載されているのだと教わった。説明してくださった僧侶の話だと、記録にあるものをあるようにしか説明できないので、ガイドブックでは邪気とされているのは承知しているものの、自分達の記録では力士なのです、とのこと。
で、この日のルート。非公開の場所に多く入れていただいたので、写真は少ない。

一般客は外から眺めることしかできないお堂の中に通され、仏像を拝んだ。鏡を模した円盤はここに納めることになっているようで、本尊の前にみんな集合して、たった10人のためにお坊さんお二人が般若心経で小さな儀式をあげてくださった。そこから五重塔、大講堂、金堂へ。

五重塔は外から覗きこんで内部4面のご説明をいただき、大講堂と金堂では内部で説明をいただき(金堂内部は一般客は入れない)、その後大宝蔵院で百済観音の説明を受けた。百済観音の地下の倉庫に、我々の名前を記載したお札を納めてくださるのだそうだ。百済観音はながらく記録がなく、江戸時代になって初めて法隆寺の記録に登場した、だからそれ以降は法隆寺に存在したことはわかるのだけど、名前も定かじゃない時代が長かったらしい。それを修復で百済観音だということがわかったり、と情報が集積され今に至っているのだというご説明も頂戴した。努力して時間もコストも使って記録を残し、その記録に基づいて情報を伝えていく、東大寺の正倉院の宝物の中に「お腹が痛いから今日はお休みさせてください」みたいな文章が残ってるのと同じく、都合のいいことも悪いことも記録として後世に残す、奈良時代にできたことが平成時代以降の日本では全くできなくなったようだなぁ、同じ人種なのかしら?とふと思ったりした。
そういえば以前、くりまんじゅうさまからご質問をいただいていた、玉虫厨子の疑問。説明してくださったお坊さんによると、使われた羽は7万枚、当時は養殖の技術などなかっただろうから野生と考える方が自然、とのことだった。3万5千匹もの玉虫、ううぅぅ、想像しただけでも鳥肌が立つ。。。(笑)

この日は、去年11月よりも夢殿の救世観音がはっきり見えたのは不思議。夢殿の左側にある絵殿(非公開)は靴を脱いであがり、内部を見せていただいた。縦にヒビが入った箇所を指して、みなさまの寄付でこの絵の修復が叶います、とご説明を受けた。聖徳太子の一生を描いた襖絵、江戸時代の作なので国宝ではない。そのため国からは維持費用が出ないから、修復がなかなか叶わなかった。そこにコロナで大事な資金源であった修学旅行がなくなり、さらに修復のお金が工面できなかったとのことだった。
当初頂戴していた招待状には、説明は2時間半をご予定くださいと記載されていた。なのでそもそもギリギリだけど法隆寺から駅まで、奈良駅からもタクシーを使えば1時間は見学できるだろうとチケットを手配していた、旧奈良監獄の赤煉瓦ビルは、説明が長引いたこととそのためタクシーの予約が思うように行かなかったことで予定崩壊。行っても外から見られるかなぁ?くらいの時間しか残らない。だったらご縁がなかったってことにしましょう、と奈良駅からホテルに直行しチェックイン。部屋で一息ついてから、バスで夕食に向かった。駅のそばにホテルを取るメリットの一つが、バスで移動しやすいこと。観光スポットとは逆方向に向かうバスに乗って、地元の人たちが降りるバス停の名前の漢字の読み方が面白いねぇとか、そういうの結構好き。

カウンター席をいただいた。味もさることながら、シェフの奈良愛と知識がすごくて楽しい食事となった。そして教わった知識を口走ったことで、翌日飛鳥でちょっとした偶然が起こる。それはまた明日。
お見事に納得させていただきました。
ありがとう…‥・・奈良駅前の大安寺に親戚があり再度訪れた時には、しっかり勉強させていただきます。
道中お気をつけてください。
早く知りたいな。
タマムシ、私は当時の人達が個人的に持っていたタマムシを寄付されたのかなと思ってました。
タマムシきれいだから、見つけた人は宝物的に持っていることもあると思うから。
厨子作るから提供してくださいと言われたら、私なら喜んで提供する。
これは私の想像です。
丁寧な説明と一緒に非公開部分を見られて自分の名前のお札を百済観音さまの地下に収められるなんてありがたみがいっぱいだぁ
次のエピソードも楽しみにしてます!
偶然の出来事 なんだろう わくわく
季節も良く、楽しかったです
奈良のお寺に親戚がおられるのですね
素晴らしい、羨ましい。
ただあの一言がなかったら出会わなかった人だなぁと思うと、面白いなぁと思ったのでした。
玉虫、みんなが寄贈したものだとすると、さらにありがたいですね。
そうかも〜
実は招待状には二枚の拝観券も同封されていました。
今回は不要ですが、来年8月まで使えるので是非、というメッセージが添えられていました。
法隆寺にお参りする方が増えることで、地元の経済にも貢献するわけですからね。
色んな意味で、素晴らしい対応がされ、ますます好きになりました。
偶然はね、大したことないの(笑)