鉛筆をつよく握りて父の描く少女の目もとは母に似てゐき
すべきこと何も無ければわがひと日怠るはなし 水雲(もづく)をすする
すべきこと何も無ければわがひと日怠るはなし水雲(もづく)をすする(推敲)
春の空耳のかたちが截(き)りてゆくエンジン音をひびかせながら
題詠でなかったら、スペースを空けたいところです。
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春の空 耳のかたちが截(き)りてゆくエンジン音をひびかせながら
月の出ぬ山奥の夜はさびしかろ山桜のころ逝きてふたとせ
* 2008年4月5日、前登志夫氏はご逝去されました。
過剰なるこころとからだを疎む日は金盞花となり空を見てゐる
*疎=うと、金盞花=きんせんか
過剰なるこころとからだを疎む日は金盞花になり空を見てゐる (推敲)
そはそはからグハグハ揺るる昼下がりタモリの頭上にテロップ流る
そはそはがグハグハ揺れ出す昼下がりタモリの頭上にテロップ流れ (推敲)