大砲にやられし傷かつくばいて白き着物の傷痍軍人
*傷痍=しょうい
大砲にやられし傷か つくばいて白装束の傷痍軍人 (推敲)
※子供の頃に成田山に行く道すがら、白い着物を身につけた手や足の無い男の人が
物乞いをしている姿をよく見かけた。
なぜこの人たちは、一日中道にうずくまっているのかがわからず、ただ怖かった。
大人になって、「 国からお金をもらっているのだから、支援などする必要はない 」という
声を耳にしたことがある。これは必ずしも正しくはないことが解った。
2014年1月に、大島渚監督のノンフィクション劇場 「 忘れられた皇軍 」 の再放送を観た。
1963年に作られたもので、日本兵として戦地に送られ傷を負った在日朝鮮人を追った
ドキュメンタリーである。
日本兵として戦地に行って戦ったにもかかわらず、日本からの補償は得られず
韓国からも北朝鮮からも補償は無い。
生活のために、傷痍軍人として寄付を仰ぐほかは無かったのだ。
若松孝二監督の 「 キャタピラー 」 や、オリバー・ストーン監督の 「 7月4日に生まれて 」
などの映画を観ると、二度と傷痍軍人を出してはならないと切に願う。