小川糸著『ライオンのおやつ』を読む。本を開くと字が薄い。
もしかして視力が落ちたのでは、と慌てて別の本を開くと
いつもの濃さだった。
読み終わって作者の趣旨がわかった。
33歳で余命宣告を受けた女性が、瀬戸内海にあるホスピス
「ライオンの家」に移り住む。
暗い内容を想像しがちだが、小説全体がやわらかい光をまとっている
ようで、それでいて押しつけがましさはなく、満たされた気分になる。
毎日、目の前に人参をぶら下げて、それを楽しみに生きる。
主人公は朝に出るお粥や、日曜日に出るおやつを楽しみにしている。
「レモン島」というだけあって、島全体にレモンの香りがするようだ。
新型コロナで気持ちが萎えている今、読みながら心が少し軽くなった。
追記
午前中に上の文章を書いてから、何か違和感があった。
この小説は「死が怖くなくなる物語」だと言う。
新型コロナは未知の病だが、死も未知のものだ。
未知のものへの恐怖は計り知れないものがある。私は死が怖い。
この小説は全てが解りやす過ぎるのだ。
まるでハウツーもののように、死を扱っていると言えなくもない。
私がへそ曲がりなのかもしれないが、この小説には毒がない
食べやすくやわらかい、やさしい味だけで出来ている。
小豆を煮る時に塩をひとつまみ加えるように、もうひと味欲しいと思った。
もしかして視力が落ちたのでは、と慌てて別の本を開くと
いつもの濃さだった。
読み終わって作者の趣旨がわかった。
33歳で余命宣告を受けた女性が、瀬戸内海にあるホスピス
「ライオンの家」に移り住む。
暗い内容を想像しがちだが、小説全体がやわらかい光をまとっている
ようで、それでいて押しつけがましさはなく、満たされた気分になる。
毎日、目の前に人参をぶら下げて、それを楽しみに生きる。
主人公は朝に出るお粥や、日曜日に出るおやつを楽しみにしている。
「レモン島」というだけあって、島全体にレモンの香りがするようだ。
新型コロナで気持ちが萎えている今、読みながら心が少し軽くなった。
追記
午前中に上の文章を書いてから、何か違和感があった。
この小説は「死が怖くなくなる物語」だと言う。
新型コロナは未知の病だが、死も未知のものだ。
未知のものへの恐怖は計り知れないものがある。私は死が怖い。
この小説は全てが解りやす過ぎるのだ。
まるでハウツーもののように、死を扱っていると言えなくもない。
私がへそ曲がりなのかもしれないが、この小説には毒がない
食べやすくやわらかい、やさしい味だけで出来ている。
小豆を煮る時に塩をひとつまみ加えるように、もうひと味欲しいと思った。