◇出題傾向分析:過去問からの出題傾向は3つ
(1)法27条の特殊建築物の防火規制との混合問題で、法27条の規定の方が厳しく、優先される。
(2)防火地域をまたがる場合を含めて、防火地域内建築物の建築可能性の是非を問うてくる。
(3)法改正で条文の位置が変わっていますが、法令集参照ですぐ理解できる部分の出題が多い。
◇重要事項①(法27条、別表第1):特殊建築物の防火規制
・法27条:別表第1の建築物は、原則、耐火構造、又は特定避難時間に基づく準耐火構造を要求。
・ただし法改正により、基本的に、3階建200㎡未満のものは、規制対象から除かれる。
・その中で、(2)項の用途で宿泊施設を有するものは、警報設備を設けたものに限定している。
・特定避難時間に基づく準耐火構造の具体仕様については、告示255号で明示している。
◇重要事項②(法61条、令136条の2第一号):防火・準防火地域内で、耐火建築物(延焼防止建築物を含む)を要求する場合。
・防火地域内:3階建以上、若しくは100㎡を超えるもの。
・準防火地域内:4階建て以上、若しくは1,500㎡をこえるもの。
・地域を跨ぐ場合(法65条):建物が建つ位置で判断し、防火地域(厳しい方)の規制を受ける。
◇重要事項③(法61条ただし書き~法64条)
・法61条ただし書き:高さ2m以下の門、塀が木造でも建築できる。
・法62条:屋根に「令136条の2の2」に定める基準に適合する防火性能を有する構造を要求。
・法63条:防火・準防火地域内の隣地境界線に接して設ける外壁には、耐火構造を要求。
・法64条:看板等で屋上に設けるものはすべて、地上であっても3mを超えるものは、不燃材料を要求。
◇重要事項④(令136条の2):法改正により性能表現の規制が追加されている(ある意味の緩和策)。
・既存不適格を作らないという今回の法改正の趣旨への理解が前提にある。
・性能表現の追加に伴い、規制の記載場所が法律から政令に移動していることに注意。
⇒令136条の2第一号 イ:耐火建築物(従来の仕様表現)
⇒ 同・ロ:耐火建築物相当の延焼防止時間以上のものが延焼防止建築物(性能表現)。
⇒令136条の2第二号 イ:準耐火建築物(従来の仕様表現)
⇒ 同・ロ:準耐火建築物相当の延焼防止時間以上のものが準延焼防止建築物(性能表現)。
◇重要事項⑤(告示194号):旧法の法令に記載されていた事項が、告示へと移行していることに注意。
・告示194号第2第二号
⇒防火地域内で100㎡を超える機械製作工場は、耐火建築物でなくてもよい(H27出題)。
・告示194号第4第一号
⇒準防火地域内で3階建500㎡以内は、耐火・準耐火建築物でなくてもよい(H30、H27出題)。
・告示194号第7
⇒防火地域の2mを超える門、塀は、不燃材料で覆う。
⇒準防火地域の木造建築物附属の2mを超える門、塀は、不燃材料で覆う(H28出題)。
2020年5月10日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
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