ジブリの次回作が決定しました。
2010年夏公開予定、「借りぐらしのアリエッティ」です。
原作はメアリー・ノートン「床下の小人たち」。
そして監督は、米林宏昌。
http://karigurashi.jp/
米林氏は、現在35歳か36歳と見られる、ジブリ中堅のアニメーター(後日注:36歳だそうです)。長編映画の原画に昇進したのは、宮崎駿『千と千尋の神隠し』から。そのときの担当シーンは、千尋のお父さんが「不思議の国」の料理をがつがつ食べるシーンなど。ぼくは個人的にはこのシーンをあまり評価していませんが、世間ではわりと話題になりました。
『ハウル』では、初めてハウルが颯爽と登場するシーン等を担当。ソフィを兵士たちから救出するところです。
また、鈴木敏夫によれば、『ポニョ』では有名な「ポニョ来る」のシーンを担当したとのこと。ぼくの記憶では、あそこは二木真希子さんが担当したはずなのですが、もちろんあれほどのシーンを一人で描いたとは思えないので、この二人が主要スタッフということかもしれません。
ちなみに、若干23歳だった米林宏昌氏は、『もののけ姫』に動画としてジブリ作品に初参加、当時のインタビューでは、冗談だとは断りつつも、つらい生活を告白しています。
コアなジブリファンであれば恐らく知っているだろう名前ですが、驚きました。もともとは、高畑勲が「竹取物語」を題材にした映画の監督を務める、という話だったのが、最近になって新人の起用を発表、そして本日、米林監督のデビューとなりました。
スタジオジブリは、周知のように、基本的には宮崎駿と高畑勲の監督作が基本ですが、近藤喜文(故)や宮崎吾朗といった監督も輩出しています。しかし、いずれも一度きりの監督業であり、「ローテーション」化してはいません。中には『耳をすませば』といった人気作(とりわけ中高生にとって)も生まれましたが、『ゲド戦記』の評判が散々だったことは記憶に新しいところ。後に有名になった細田守が『ハウル』の監督を降板したのはよく知られており、このあたりからジブリの監督を探す試みは迷走しているようにも見えます。今回は、比較的若いジブリ内部のスタッフを起用していますが、米林氏はあくまでアニメーターであり、その演出の手腕は未知数。
ぼくとしては、たとえ赤字になったとしても高畑勲を監督に据えて欲しかったのですが、もう仕方ないことですね。今は米林宏昌氏の能力に期待するしかありません。
ちなみに、ジブリには「ジブリ胴体論」という論理があり、監督は外部から連れてきて、アニメーション制作だけをジブリがやればよい、という考え方がありました。今回の措置はそれとは明らかに矛盾する行為ですから、もう方針を転換しているのかもしれません。
以上、現時点ではわりと詳しい解説記事になっているはずです。
2010年夏公開予定、「借りぐらしのアリエッティ」です。
原作はメアリー・ノートン「床下の小人たち」。
そして監督は、米林宏昌。
http://karigurashi.jp/
米林氏は、現在35歳か36歳と見られる、ジブリ中堅のアニメーター(後日注:36歳だそうです)。長編映画の原画に昇進したのは、宮崎駿『千と千尋の神隠し』から。そのときの担当シーンは、千尋のお父さんが「不思議の国」の料理をがつがつ食べるシーンなど。ぼくは個人的にはこのシーンをあまり評価していませんが、世間ではわりと話題になりました。
『ハウル』では、初めてハウルが颯爽と登場するシーン等を担当。ソフィを兵士たちから救出するところです。
また、鈴木敏夫によれば、『ポニョ』では有名な「ポニョ来る」のシーンを担当したとのこと。ぼくの記憶では、あそこは二木真希子さんが担当したはずなのですが、もちろんあれほどのシーンを一人で描いたとは思えないので、この二人が主要スタッフということかもしれません。
ちなみに、若干23歳だった米林宏昌氏は、『もののけ姫』に動画としてジブリ作品に初参加、当時のインタビューでは、冗談だとは断りつつも、つらい生活を告白しています。
コアなジブリファンであれば恐らく知っているだろう名前ですが、驚きました。もともとは、高畑勲が「竹取物語」を題材にした映画の監督を務める、という話だったのが、最近になって新人の起用を発表、そして本日、米林監督のデビューとなりました。
スタジオジブリは、周知のように、基本的には宮崎駿と高畑勲の監督作が基本ですが、近藤喜文(故)や宮崎吾朗といった監督も輩出しています。しかし、いずれも一度きりの監督業であり、「ローテーション」化してはいません。中には『耳をすませば』といった人気作(とりわけ中高生にとって)も生まれましたが、『ゲド戦記』の評判が散々だったことは記憶に新しいところ。後に有名になった細田守が『ハウル』の監督を降板したのはよく知られており、このあたりからジブリの監督を探す試みは迷走しているようにも見えます。今回は、比較的若いジブリ内部のスタッフを起用していますが、米林氏はあくまでアニメーターであり、その演出の手腕は未知数。
ぼくとしては、たとえ赤字になったとしても高畑勲を監督に据えて欲しかったのですが、もう仕方ないことですね。今は米林宏昌氏の能力に期待するしかありません。
ちなみに、ジブリには「ジブリ胴体論」という論理があり、監督は外部から連れてきて、アニメーション制作だけをジブリがやればよい、という考え方がありました。今回の措置はそれとは明らかに矛盾する行為ですから、もう方針を転換しているのかもしれません。
以上、現時点ではわりと詳しい解説記事になっているはずです。