退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 9

2015-08-27 10:03:25 | 韓で遊ぶ


息子と一緒に行った中国旅行
小学校3年の息子が、いつの頃からか普段と違う行動を見せ始めました。何か言葉をかけても、ただうつむいてこて答えもしないで、学校から帰ってくると自分の部屋に閉じこもって、芋虫のように布団に包まっています。様子を見ていると胸が張り裂けるような気分でした。
「一体何が不満なの。話をしないとわからないでしょ。」
私は友達と会ったとき、息子に対する愚痴をこぼしていました。すると、みんなが、一緒に旅行することを薦めてくれました。
「そうしてみると、息子と二人きりで旅行したことが一度もないわね。そうよ、一緒に行こう。」
中国旅行のために、これ見よがしにパスポートを作って、カバンを買って、、、いよいよ空港に到着する時までも、息子はどこに行くのかさえ聞きませんでした。心の中ではあせりましたが、楽しい旅行のために我慢しました。ずっと口を閉ざしていた息子が話をし始めたのは、北京に到着してからでした。
「わぁ、中国だね。お母さん、万里の長城にも行くの。」
「ええ。」
息子の口を開かせるために、できるだけ答えは短くして、絶対に質問はしませんでした。中国に滞在している時間が過ぎるほどに、息子はおしゃべりに変っていきました。
「お母さん、本で見たのと本当にすごく違うよ。ずっと大きくて壮大だよ。道もとっても広くて、車も本当に多いよ。あ、あれを見て。僕が知っている漢字だ。わぁ、ここにはハングルで書いた看板があるよ。へへ、、、」
はじめて体験する外国旅行が新しくて興味深いからでしょうか。息子は芋虫のようにすっかり落としていた肩を広げて、羽ばたく一羽の蝶になって中国の町を闊歩しました。短かったけれど中身の濃いい旅行の最後の夜が来て、、、私は意味のある締めくくりのために、息子に紙を一枚差し出しました。
「お母さんに望むことがあったら、ここに正直に書いてちょうだい。お母さんは、あなたの気持ちが知りたいの。」
黙って紙を受け取った息子は、白い紙に黒い字で、言葉では言いにくい心のうちを表現しました。
「ごめんなさい。僕も他にやりたいことがいっぱいあるのに、お母さんがしょっちゅう勉強しろとだけ言うから辛かった。自分で勉強できるように信じて見守ってくれたらダメですか。これからは心配かけないように勉強を一生懸命やります。お母さんと一緒に来た旅行、本当に楽しかった。いつもありがとう。」
世の中のすべてのお母さんがそうであるように、子供がちゃんと育つことを願う心で、あれやこれや小言を言ったのだけれど、そんな私の行動が息子にとっては関心ではなく干渉だったのです。
息子と一緒の3泊4日の中国旅行、、、、真の教育の分かれ道で少し道を見失った私にとって、そのせいでさまよった息子にとって、互いを本当に理解することができるようにしてくれた時間でした。
コメント
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