退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 9

2015-08-29 20:36:09 | 韓で遊ぶ


子供のように考えること
何年か前の夏、妻に絵を習う小学生が、夏休みになって我が家でキャンプをすることになりました。妻が組んでおいた日程表の通りに、子供たちは3,4人ずつ組になって合同で絵を描きました。それに続く料理の時間には、直接食べ物を作って食べて、夕方になると小川で魚とザリガニも採って、広い板の間でどれが息が長いか競ったりして楽しい時間を過ごしました。
純粋な童心に浸って、澄んだ自然に酔った、ひと夏の最後の夜の予定で、私が行ったのは、名づけて「推理劇場」でした。暗い庭で繰り広げられる薄ら寒い話に、子供たちは耳を傾けました。
「昔、昔、ある山深いところの古い家に、力が強く性格が悪い猫が住んでいました。世の中で一番価値のある宝物を守っている守護猫でした。」
夜が深まるにつれて子供たちも話には夢中になっていきました。
「怖い猫のせいで、人々は宝物を持っていくことができません。ならば本当に宝物を手に入れる方法はないのでしょうか。」
子供たちは、話の中の主人公になって、いろいろな妙案を考えました。
「僕なら、お尻で猫をびっくりさせてやる。」
核爆弾1発ならば力の強い猫もぶるぶる震えるという子供、薬で猫を眠らせるという子供、、、、各自各様の答えが出て来ました。
「だけど、そいつは、そのどんな武器とか薬も問題にしない天下無敵なんだけど、どうする。」
これだという解決策が出てこなくなると、だんだん興味をなくしていく気配でした。
「ならば猫から宝物をもらう方法はないのかな。」
「そうじゃないよ。方法はあるよ。」
言葉ではそういったものの、私もまた方法がわからずに冷や汗が流れました。
みなが悩んで答えを探していた時、一人の子供が大きな声で叫びました。
「猫と親しくなればいいじゃないか。大事な友達になったならば猫が宝物をくれるはずだ。」
ひざをポンと叩かせた明快で痛快な答えでした。
「そうだ。猫に好きになってもらうといいな。好きだという心はとても大切な宝物をもらうことができる力がある。だから君達も、いつも友達が好きだという気持ちを持っていないとダメだよ。わかったかい。」
「はぁい。」
子供たちの力強い答えが、月の明るい夜にりんりんと響きました。子供のように考えて愛する純粋な心、、、、。それが人生のすべての問題と悩みをさっぱりと解決する知恵ではないかと思います。
コメント
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