続き。
９月7日（木）
午後3時
北の監獄部屋で、銅線巻作業
廃棄スマホに音楽が流れる。
作業巻き取り音も奇妙に調和。
巻き取りを見続ける。
涙が溢れ出す。
嗚咽もしない。
午後3時
北の監獄部屋で、銅線巻作業
廃棄スマホに音楽が流れる。
作業巻き取り音も奇妙に調和。
巻き取りを見続ける。
涙が溢れ出す。
嗚咽もしない。
トランス銅線巻作業
兄の次女の電話での悲愴な言葉を何度も何度も
耳鳴りしてしまった耳に反芻する。
兄夫人と次女に10分間の面会が許された。
「父は母と私を憶えていないのです」
「誰だかわからない」と言う。
「次男弟の名前を呼び続けるのです」
「何故 弟は来ない」
せん妄状態に陥った。
破傷風菌による、入院生活での激痛 投薬で
幻覚症状があらゆる記憶を妨げる。
私は知っている。
お袋が長く介護病院での寝た切り生活。
見舞いのベッドでお袋がウツロイの眼差し。
看護婦さんが、呼びかける
「どなたが来られたのですか」？
「弟」
「あら、とてもお若いハンサムな弟さんですね」
ある時は 私に向かって憎悪の目で
「お前など来るなと」叫ぶ
ある時は 両手で僕を叩こうとする。
「お前はなんで長男を殺したのだ」叫ぶ
僕は 夕闇の渋谷道玄坂ネオン街を
涙堪えて彷徨う。
道玄坂3
今又、兄は遠い記憶の彼方を呼び醒ましているのだ。
いつも危険があれば、助けに飛んで来る弟を呼んでいるのだ。
長男と三男は知っている。
厄介者で度々、不祥事を起こす次男が疎ましい。
6畳一間で、一枚の布団にくるまった子供時代。
次男の立ち位置。スタンドバイミー。
https://blog.goo.ne.jp/kikuchimasaji/e/715b38d13e119829d48ac7eb835a9be3
Stand By Me/Ben・E・King（日本語バージョン・Cover）