「食べ物さんありがとう」 は、2008年私の愛読書ベスト3。栄養学者
地球各地の気候風土は違う。それぞれの民族には、必ずその気候風土に合った食の文化がある。世界各地にはそれなりにその土地の新鮮で滋養豊かな食べ物はあるが、季節の変化が少なくて、収穫の秋が短い地域、水の少ない地域の食生活は貧困だと思う。放牧家畜の肉・乳製品と小麦。例えば、森に囲まれていない地中海には魚が少ない。マグロは大きく育たない。だから、地中海沿岸の民族は、蛸や貝も多く食べるようになったのではないかと思う。
寒流・暖流が交差する海に囲まれ、南北に長く横たわる変化に富んだ日本列島。顕著な季節、寒暖の差、年間を通じての降雨量の多さ、きれいな水。「日本食」文化は世界に比類なき恵まれた地理的条件、気候風土で育まれてきた。旬を愛でて、季節ごとに新鮮な食べ物を口にできる日本に生まれて幸せだと思う。戦後、戦勝国アメリカの余剰食糧、小麦・肉・乳製品を押付けられて、日本食は否定されてきた。経済的効率性、利潤追求資本主義、Globalizationが日本人の食糧を海外に依存するような構造を煽ってきた。地元の日本食の供給者が減った。「旬」も姿を消してきた。資本主義の毒の盛られた食糧を口にし始めて30年近く経過している。
炭酸飲料・インスタント食品に添加されているリンはカルシウムと化合してリン酸カルシウムとなり、カルシウムの吸収を妨げるらしい。保存料、不自然な人工物質だらけのコンビ二食。厚生省が食品添加物規制を緩めた28年前以降に生まれた子供・若者の体は化学物資漬けで、従来の日本人とは違う、生物として異常な生育をしているらしい。「直ぐにキレル」「家族を殺す」「アトピー」「花粉症」「3人に1人が癌死」「風邪ひき易い、治りにくい」「精子減」、・・・・。
「食」が堕落した民族は滅びる。古代文明、地中海文明、インカ文明、過去の文明は全て「食」が確保出来なくなって滅亡した。日本人の心と体を作った大地と海洋から獲れる日本人の体に適した食べ物を食べることの大切さ。二年前の「憩室炎」は、長年の北米生活や仕事上で体質に合わない食べ物、脂・肉を多食して食生活が乱れていたことが原因だと思っている。よく言われることだが、歯の形にあわせてとるのが正しい食事。即ち、上顎、下顎それぞれ16本の歯の内、肉を噛み切る犬歯は2本、野菜・果物を毟り取る門歯は4本、穀物を磨り潰す臼歯は10本。その歯の割合にしたがった食べ物の組み合わせが人間と言う動物には最適ということ。
「四里四方」、「地産地消」、地方・季節の「旬」。葉緑素野菜と小魚を食べ、肉は極力食べない。
動物と植物、違いはあっても、どっちも同じ命。植物は死ぬ時に血を流さない。だから人間はそれ程同情しない。だけど同じ命。動物も植物も頂くときは、命を「いただきます。」。食べ終わったときは「ごちそうさま。」
今年はこんな物を食べていた。
「森の時間」で:
和歌山・北海道・屋久島・琵琶湖・ドバイの旅先で:
自宅で: