森の時間 SINCE 2002

Le Temps Du Bois

娘のハレの日 『ありがとう』

2018年07月28日 | 日記

地球温暖化の心配が現実になった記録破りの猛暑日が連続した2018夏。突然の台風の襲来を受けた日、娘が嫁いだ。

待ち望んだ恵みの雨に濡れ、クールダウンした早朝の街。強い風雨でお濠の水面が波立ち、バルコニー奥の窓にも横殴りの雨が打ちつける。週末の早朝、ビジネス街は眠っていた。

準備は万端で、冷静にこの日を迎えたつもりだったが、気持ちが昂ぶっていたのだろう、早朝に目覚めてしまった。娘もきっと緊張して慶びの朝を迎えている。

花嫁の父としてどのように振る舞ったらよいのだろう、「一言」のエピソードは何を伝えとうか。娘が精一杯準備してきた大切なハレの日、最良の時となるように「花嫁の父」をしっかりと全うせねば。7ヵ月間密かに練習してきたサックスは上手く演奏できるだろうか、宴を台無しにしてしまうことにはならないだろうか。早朝に目覚め、雨降る皇居外苑を一人遠望していたら、俄に不安に包まれた。

9時半、とうとう開幕の時。娘とバージンロードを歩くなんて人の事だと思っていた。娘の感謝の言葉を聞いて涙ぐむなんて自分にはなかろうと思っていた。こんなにも幸福と感動に浸れるなんて思ってもいなかった。祝福を受け娘と共有できた幸せの時間にもっと酔っていたい。幸せに包まれた娘の姿をもっと見ていたい。が、式次第は呆気なく閉演した。

ピアノ演奏を娘に頼んだ。「FRIENDS(Joe Hisaishi)」。娘を思う時に流れる思い出のメロディー。10年振りのピアノ演奏だったそうで、出席者へ娘からのビッグサプライズになった。曲の流れに娘の成長した年月が走馬灯のように廻った。

初めて手にしたサックスで猛練習した父親からのサプライズ曲は、『ありがとう(いきものがかり)』。

娘が歩んだ28年の年月。寄り添ってくれた方々の輪の中で娘は育った。娘を支え、叱咤激励してくださった方々に、そして父親として過ごせた28年に感謝。

ありがとう! 父親の思いは伝わっただろうか。

 

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