芽室町議会議員 正村紀美子のブログ 「つぶやきをかたちに」

いつも市民派ずっと無党派!
芽室町議会議員まさむらきみこのブログです。

正常化にむけて

2015年11月12日 | 議会/委員会
今日は総務経済常任委員会でした。

「消防団条例について」が調査事項にあり、委員会室には議員や報道関係の傍聴者がずらり。事前に情報がないので町長が出席するらしい、と耳にしたのは、委員会がはじまる少し前のことでしたが、傍聴される議員さんは、このことを知っていたのでしょうか?

その後、町長ではなく、副町長が出席されることになったわけですが、副町長からは「このままでは消防団が来年4月から機能しなくなってしまう。町も議会も消防団がなくなることを望んではいないので、この事態を解決するため、非公式で議長、副町長、町長、副町長の4者が話し合いを行った。町は修正案に対して再議を付したが、再度修正案が可決された。町は二元代表制である議会の議決は尊重すべきことと考えるので、町として条例を出さない。議会から条例を提案してほしい。予算を含むものについては町長部局としても柔軟に対応していきたい」という趣旨の発言がありました。

副町長が発言した内容は、消防団条例の正常化にむけた出発点となります。
町が条例提案を出さないのは、町の怠慢でも放棄でもなく、議会の議決を尊重した結果です。
このことを4者会議で、合意をしたので本日の委員会出席となったと副町長はわたしの質疑に対し、答弁がありました。副町長の答弁はもっともだと思ったので、わたしはうなずきながら聞いていました。

今後は、議会が条例提案にむけて準備をする方向で進んでいきますが、提案の内容、時期についてはまだ未定です。ボールは議会が握っており、責任をもって町に手渡さなくてはなりません。
「町が条例を出すべきだ」という後戻りの話はナシにしたいです。

その他の調査事項は以下のとおりです。
◯芽室町公共サイン整備計画(案)について
平成23年に町民の方から公共サインの老朽化、統一感がないことについて指摘を受けた。
町は公共サインに対する考え方を整理するとともに、第4期総合計画後期計画に公共サインの整備を位置づけ、検討を進め計画(案)を作成した。

町内の誘導サインは、50箇所あり1つは新しく設置した。残る49箇所については、現在の場所でよいか、新しい場所にするかを見極め、年間10箇所程度を目処にして設置していきたい。
なお、誘導サインは、緑と茶を貴重とし、白抜きとする。

◯平成27年度芽室町除雪計画について
今年度から除雪車の出動時間を午前1時とする。
町民から要望が多い間口処理については、町として対応していくことは困難であり、各家庭での協力をお願いしたい。障がいのある方、高齢者については保健福祉課で除雪サービスを実施しているのでご連絡頂きたい(☎62-9724、FAX62-0121)
除雪の妨げとなる路上駐車や物を路上に置かないようにお願いしたい。
近年、雪が降ると風が強く吹くことが多くあり、吹雪により視界が確保されない場合は除雪車の出動を控える。(天候回復後に出動。ただし緊急の場合は対応。)町民の方にも吹雪の際には不要な外出を控えて頂き、安全の確保をお願いしたい。

◯芽室町個人番号の利用に関する条例の制定について
マイナンバーは、条例で定める事務で使用することができる。芽室町では5事務を対象とし、独自利用は現在想定していないので規定は設けない。

以上です。

久しぶりに天気が回復したので、青空が挑めながら家に戻りました。

原点がみたくて愛媛県新居浜へ

2015年11月09日 | 議会/委員会
芽室町に「ばぁばのお店」が開店して、まもなく一ヶ月です。連日町内外から多くのお客さまが訪れているとお聞きしています。

これまで芽室町は「発達支援システム」という支援が必要なお子さんへの体制づくりに取り組んで、福祉行政を進めてきました。生まれてから自立するまで一環した支援で一番課題となるのが、就労です。
就労は行政だけでは決してうまく進みません。
民間企業の思いと町の政策が一致しなければ、うまくいかないのです。

さまざまな方とのご縁を頂きながら、今芽室町では就労支援体制の確立がものすごいスピードで進んでいます。九神ファームの設立、「ばぁばのお昼ごはん」の開店がその事業です。
今回視察させて頂きましたが、クック・チャムという素晴らしい企業が芽室町に進出していただいたことを心から感謝しています。

クック・チャムは愛媛県新居浜市にあるお惣菜を販売するお店を経営する企業です。6月に九神ファームのお披露目式に参列させていただいた際に、藤田社長、竹下専務にお会いしました。企業理念や芽室町での事業展開について、ほんとうに嬉しそうに、目を輝かせながら北海道進出について語ってくださった藤田社長のお話をお聞きし、これはいつか新居浜の本店に伺って、現場を見せていただきたい、と思いました。

先日ようやく念願が叶って、先日新居浜の本店、工場、おかずのお店、「ばぁばのお昼ごはん」を視察させていただきました。百聞は一見にしかず、とはこのことですね。工場には芽室産の野菜が積み上げられており、「この食材がなければこの工場は動きませんから」と案内をしてくださった日野さんはおっしゃっていました。そして、なによりも印象的だったのが、高齢の方、障がいのある方がいきいきと働いていることでした。働きたい、という意思があれば、その人にあった働き方ができる会社だということがよくわかりました。
聞いてみたかったNPO法人のこと、障がい者就労の状況、障がい者の65歳以上の働きかた、住まいのことなど丁寧に教えていただきました。貴重なお時間を頂き、ほんとうにありがとうございました。

「芽室町の子どもたちのために、どうぞお力添えをお願いいたします」と先日お礼のお手紙を書きましたが、ぜひとも芽室町の「ばぁばのお昼ごはん」がしっかり根付きますように、これからも応援させていただきます。


新居浜市「おかずのお店」


藤田社長と竹下専務と一緒に「ばぁばのお昼ごはん」で。



新居浜店にしかない定食、エビが瀬戸内海の地エビ 

消防団条例のその後は

2015年11月08日 | 議会/委員会
 消防団条例の再議は、議員提案による修正案が再び可決される結果となった。
来年4月に西十勝消防組合から芽室町に消防団が移管されることとなるが、消防団長や消防団員についての条項がないため、現状のままでは消防団の運営はできない。大きな問題だと思う。
 問題の捉え方は、議員によって違う。芽室町議会の全議員は、これまでの審議に参加し、それぞれの判断をして採決を行っており、それぞれに考えがあると思う。
採決、今日に至るまでのわたしの考えをお伝えする。

 9月議会初日、町は消防団条例を提案した。町からの提案説明は「とかち広域消防事務組合の設立に伴い、西十勝消防組合から芽室町に事務を移管するため、条例を制定する」である。消防団の報酬金額が20年来そのままであることを問題にした議員が、この条例について異議を求めたことが問題の発端である。
 9月議会に条例が提案されたのは、管内自治体が協議し進めてきた事項であるからである。特別職公務員である消防団員の公務災害に関する事務を処理するため北海道市町村総合事務組合に加入するためである。
 付託された総務経済常任委員会では、「なぜもっと早く条例提案しなかったのか」という質疑があったが、管内全10市町村議会で「とかち広域消防事務組合規約(案)」を議決し、平成27年5月にはとかち消防事務組合を設立したことからみても、問題がないスケジュールであると思う。
 消防団との話し合いについては、条例制定が西十勝消防組合の事務が芽室町に移管されることについて共通認識が図られていた。
 しかし、原案の報酬金額を不服とする議員から修正案が提案され、修正案は本会議では賛成多数で可決した。
 わたしは原案に賛成する討論の中で、消防団条例は西十勝消防組合から芽室町に事務が移管されるため制定する条例であること、修正案が消防組織法に違反していること、修正案には報酬金額についての条項もなく、議員提案することは困難であること、を述べた。
 その後、「条例に不備がある」として町は再議書を議長に提出。修正案のまま、進んでしまえば消防団はなくなってしまい、それを避けるために町は当然の手続きを踏んだと思う。
 再議が提出されたことを知ったのは新聞報道だった。恥ずかしい話、報道機関からの情報が一番早かった。議会としても何らかの動きがあると予想していたが、いつまでたってもなにも連絡がない。芽室町議会はじまって以来の一大事であるにもかかわらず、全議員がこの問題について情報を共有し、意見交換をする機会がないなんて考えられない、日程を探っているのでは・・・と思っていたが、結局、全員協議会も開催されないまま、本会議へ。
 
 再議書が提出されて一週間後に議会運営委員会が開催されたが、その中でも議運以外の議員への情報提供について協議されなかったのはなぜだろうか。
 議員控室には、議会事務局がまとめた議運の議事録が置いてあったが、「これを読んで理解して」という内容ではないと思う。議員はそれぞれの思いや考えがあり、町のために働こうとこの仕事に就いた。最善の答えを導くために議員同士が議論する場の設定は、水面下で行われる議員間の調整ではなく、公式に位置づけられた会議の場であるはずだ。議会基本条例では議論の透明性を謳っており、町民にわかりやすい議会のあり方とはこうした問題が起きたときにこそ発揮されなければならないはずである。議会基本条例のことば通り「分かりやすい議会、開かれた議会、行動する議会」を目指したい。

再議では、再び修正案を可決した。「われわれは(われわれって誰のこと?)条例を2本立てにして考えるべき」という内容の質疑があったが、こんなことはじめて耳にした。わたしは条例は一本でいいと考えるので「われわれ」の中には含まれていないし、誰かもわからない「われわれ」といっしょにされるのは心外だ。

11月は、どこの自治体も新年度予算にむけた作業が始まる時期である。このままでは来年度の消防団運営費の予算も組めないが、議員の誰もが消防団をなくすことを望んでいない。では、来年4月からも消防団が滞りなく運営されるために、この問題をどう解決に導くのだろうか。修正案を可決したということは、削除してしまった内容を否としたということになるが、一体誰が提案するのか。自ら否定した内容をまさか提案することはないと思うが、原案との違いをどう説明されるのだろうか。報酬金額について提案することできるのか?
再議の質疑では、町長が「議会の議決の重み」について答弁していたが、言わずもがなの内容をわざわざ首長が答弁していることを猛烈に恥ずかしいと思った。

今週は総務経済常任委員会が開催される。先日送られてきた議案の次第には「消防団条例について」と調査項目がある。正常化にむけて前向きな議論をしたいと思う。