秋晴れの青空と美しい海を見ながら海岸を散策してきた
そこには終盤を迎えたクルマバアカネの花が咲いていた
クルバマアカネは海岸付近に自生している植物で、アカネとは近縁
葉は光沢があり、厚く、アカネの葉が4輪生するのに対し、クルマバアカネは6~8輪生する
ご存じのように、アカネの根からは、赤系の染料が作られ、古くから利用されてきた
アカネの赤系の色は、アリザリンとプルプリンという色素に由来するが、その他の色素も含有しており、その事により深みのある色合いを醸し出す
アカネとクルマバアカネは、含有する成分色素は同一であるが、その比率が異なっており、もしクルマバアカネから染料を造ったとすると、アカネとは異なる色であるのかもしれない
クルマバアカネは、満鮮要素とされており、本来寒冷で乾燥した気候の下に生育する植物であるのだが、意外な事に現在の日本においては暖地の海岸に自生している
国外の分布を調べてみると、朝鮮半島、中国大陸(東北部)、ウスリー、アムールと寒冷な地域に分布している
クルマバアカネはアカネの変種という訳ではなく、同じアカネ属の近縁種という事なのだ
日本に自生するアカネ属の植物は、アカネ、クルマバアカネの他、オオキヌタソウ、マンセンオオキヌタソウ、オオアカネ、アカネムグラであるが、九州に限定すると、アカネ、クルマバアカネ、オオキヌタソウとなる
アカネは大変多くみられる植物であるが、クルマバアカネに関してはやや稀なもので、熊本県ではレッドリスト入りしている
学名:Rubia cordifolia L. var. lancifolia Regel
和名:クルマバアカネ(車葉茜)
アカネ科 アカネ属
クルマバアカネの輪生する葉
初版 2015年10月20日
記事アップロード 2022年11月03日
画像アップロード 2022年10月31日