9月に見つけた野草の花
ムジナノカミソリ(狢の剃刀)
Lycoris sanguinea Maxim. var. koreana (Nakai) T.Koyama
ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
花 期 : 8~10月
生育地 : 林内、林縁、草地、路傍
分 布 : 長崎県、佐賀県、宮崎県
RL指定 : 野生絶滅(環境省) 長崎県絶滅危惧Ⅱ類
撮 影 : 9月 長崎県
ムジナノカミソリは、朝鮮半島と九州の一部地域に分布するヒガンバナ属の植物で、形態的には、キツネノカミソリやオオキツネノカミソリに類似するものである
日本産については、宮崎県日南市で生育していたものが消失し、野生絶滅とされたが、長崎県、佐賀県などで、ムジナノカミソリ近似種なるものが現存する
花期に関しては、キツネノカミソリやオオキツネノカミソリよりも遅く、8月下旬~10月上旬に咲き始める
花被片と雄蕊の長さの比が、キツネノカミソリより大きく、オオキツネノカミソリより小さいと言われているが、私の観察では、オオキツネノカミソリと大きな差はないように見える
長崎県対馬産と野母崎産の個体について、ゲノム解析が行われたが、オオキツネノカミソリとの差異は認められなかったようだ
参考までに、ヒガンバナ属と外群の核ITS領域の解析の結果、ヒガンバナ属下に3クレードが見いだされ、ムジナノカミソリは、キツネノカミソリ、ヒガンバナ、コヒガンバナ、リコリス スプレンゲリー、リコリス ハイワルディー、リコリス ロゼアと同クレードに分けられた
オオキツネノカミソリに関しては、解析が行われなかったが、はたして本家ムジナノカミソリとオオキツネノカミソリのゲノムに差がみられるのだろうか?
初版 2024年8月15日
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