花追い放浪記

登山や野草観察のブログです
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超絶マクロの世界

2019-02-25 | 写真

先日、接写リングを購入してみました

エクステンションチューブとも言われるこの接写リングは、カメラとレンズの間に装着する事で、最短撮影距離を短縮し、撮影倍率を上げる機器なのです

購入動機は、登山に携帯する機材を軽量コンパクトにしたいとの思い

登山で風景や、小さな野草を撮影する私は、最低でも風景用レンズと野草用のマクロレンズの2本を携帯しなければならないのですが、接写リングを用いれば、風景用レンズでマクロ撮影ができるのではないかと考えたのです

ですが、広角レンズにおいては、接写リングにより著しい画像劣化等、様々な問題がある事が判明し、この件は断念(このあたりのテストは後述します)

せっかく購入したのだから、他の活用を考えた結果、マクロレンズに接写リングを接続し、超マクロ撮影を楽しむ事にしたのです



焦点距離の短いレンズに接写リングを用いて、撮影倍率を稼ごうとすると、被写体にくっつく程接近する事になるので、所有するマクロレンズの中では一番焦点距離の長い、タムロン90mmを用いる事にしました

また、タムロン90mmに36mmの接写リングを接続すると、四隅をケラレてしまうので、フルサイズ用レンズではありますが、APS-C機を用いる事にしました


ノーマルのタムロン90mmマクロレンズの撮影倍率は等倍

これに36mmの接写リングを接続すると、36/90+1=1.4倍

さらにAPS-C機を用いる事で、1.4☓1.5=2.1倍となるのです

ピンとこないという人が多いと思いますので、具体的な表現をすると、約1.1cmのものが撮影画像の横幅いっぱいに拡大されて映るという事なのです(APS-C機で撮影した場合)
※誤)1.1cm→正)1.7cm

それに、APS-C機クラスの良質な画像であるので、トリミング耐性は十分

という事はトリミングにより更に大きな画像を得る事も可能なのです


それでは、野草の花をいろいろと撮影してみましたので、御覧ください

尚、絞りはf8.0まで絞ってますが、それでも被写界深度は非常に浅く、ピントが合う範囲は1mm程度と思われます

なので、思ったところにピンが来てない画像ばかりとなってます

一眼の画像に不慣れな方には、ピンぼけ画像に見えてしまうかもね
(^O^)

セイヨウタンポポ


オオイヌノフグリ


ヤハズエンドウ


コハコベ


ヤブチョロギ


ホトケノザ


ゲンゲ(レンゲソウ)


ウマゴヤシ


これは、シバの花かな? イネ科は苦手です


ナズナ


下の画像はトリミングしたもの

まぁ~ よくみるとフリンジが目立ちますが、ご愛嬌

花の背景にモアレのような縞模様が発生していたり、画像がガサついてノイジーに感じるかもしれませんが、元画像ではそのようなものは発生しておりません

gooブログってアップロードすると、画像が劣化するように思います


オランダミミナグサ


ミチタネツケバナ


シロツメクサ


オオジシバリ


ノゲシ


これはなんでしょう?





















正解はシロバナタンポポ

拡大し過ぎると、なんの花かよくわからなくなります


菜の花の花





超絶マクロ なかなか楽しいものです



さて、ここからは接写リングの性能評価です

先ず、風景撮影に最もよく使用する24mm単焦点レンズに12mmの接写リングを接続し、最短撮影距離付近で新聞の株式欄を撮影してみます

が、最大撮影倍率を得るには、レンズ先端のプロテクトフィルターに接触する程接近する必要があり、レンズの影で光が回らず、この時点で評価に値しない

問題点①
ワーキングディスタンスを全く確保できず、実質撮影不可といえる

では、ピントが合う範囲で、最もワーキングディスタンスを稼げるところまでカメラを離してみると・・・

たった2cmかよ!

問題点②
ピントが合う範囲が、レンズ前面から2cmしかない

それでも、なんとかレンズから2cm離したところで撮影してみました

レンズの影になり、光が回らないので、スピードライトを用い天井バウンスを行い、垂直方向から光を入れています


なんじゃこりゃ(*_*)

小さなサムネイル画像でもわかるほど、醜い像面湾曲!

問題点③
広角レンズでは補正が難しい像面湾曲が顕在化する

メーカー想定外の撮影距離で撮影している為しかたないが、ここまで酷いとは思わなかった


一応撮影倍率の測定を行ってみた

71mm程撮影されているので、約0.5倍 DXクロップで0.75倍だ



結論

広角レンズで接写リングを使用するのは困難

登山用のレンズを広角1本でまかなうという野望は、儚く消えた


次はズームレンズでテスト

D5300のキットレンズである、18-55mmで試験

先程の結果を受けて、テレ端55mmでの挑戦だ

20mmの接写リングを接続し撮影したのが、この画像

絞りは、f8.0


こちらは f5.6の開放


絞り開放では、画像中心部でも解像が甘い

また、f8.0まで絞っても、像面湾曲が目立つ

だが、先程の24mm単焦点と比べれば、たいぶましだ

使用するとすれば、f8.0に絞り、被写体の花を画像中央で捉える日の丸構図にするしかない

また、f8.0では暗い林内の花は撮影が困難なので、ストロボを使用する必要がありそうだ


参考までに、マクロレンズとの画質比較

左が今回のズームレンズ+接写リング、右が60mmマクロ

画像中央部を等倍切り出ししたものである


これが悲しい現実だ

近接撮影に最適化したマクロレンズの実力はやはり凄い


次は撮影倍率の測定


30mm分の目盛りが写っているので、23.6/30=0.79倍

理論値が0.72倍なので、いい線いっている

撮影倍率が0.79倍という事は約3cmのものが、撮影画像の横幅いっぱいに映し出されるという事だ(APS-Cセンサーの場合)


36mmの接写リングを使用すれば、最大撮影倍率は等倍となるが、ワーキングディスタンスを確保できないであろう

24mm単焦点+マクロレンズに比べて、風景もマクロも撮影画質的には劣るが、この軽量コンパクトなズームレンズ1本を登山に携帯すれば済むので、楽であろう

尚、20mm接写リングに関しては、大きさ、重さとも無視できる程のものである


今回購入したのは、この接写リング

NEEWER 12mm,20mm,36mm AFオートフォーカスABSエクステンションチューブセット


非常に安価なので心配したが、オートフォーカスも有効だし、Exif情報もきちんと記録されている

カメラ、レンズとの嵌合も問題なくお買い得であった

ただ、耐久性に関してはわかりかねます

購入価格はJPY3,399でした(^^)