1月に見つけた野草の花
サツマサンキライ(薩摩山帰来)
Smilax bracteata C.Presl var. bracteata
サルトリイバラ科 サルトリイバラ属
花 期 : 12~2月
生育地 : 海岸付近の林縁、林内、路傍、荒地
分 布 : 九州~沖縄
RL指定 : なし
撮 影 : 1月 長崎県
サツマサンキライの図鑑を更新しました
九州西部には、亜熱帯性の植物が多く分布し、さらに九州北部には本土側に極稀れだが、島嶼部には多く分布しているものがある
面積1㎢以下の島に、生育地の50%以上がみられる島嶼偏在植物とも言うべきものの一つに、サツマサンキライが挙げられる
他にはハカマカズラ、キノクニスゲ、ビロウ、ミヤコジマツヅラフジも島嶼偏在といえる
島嶼偏在分布の原因として、島嶼は同緯度の本土側に比べて冬期温暖で、自然度が比較的高く、台風の影響を受けやすく土壌が浅い事が考えられる
参考資料 : 九州北部における島嶼偏在植物の分布と生態(中西弘樹)
雄花
サツマサンキライは、沿岸部の林縁に生育し、マント群落を形成しているか、あるいは海岸低木林を被って生育する
島嶼偏在植物の中では、人為の影響に一番強い植物と考えられ、佐世保市黒島が本種の北限とされるが、ここのものは葉が丸く、以前ハマサルトリイバラと誤認されていた
雌花
サツマサンキライは、つる性の半低木で、サルトリイバラに似るが、茎の棘はまばらで、冬季に開花する
雌雄異株で、蔓は10m以上成長する事もあり、茎は分枝し、葉は互生で単葉
葉身は卵形~長楕円形で、厚く光沢があり、葉先は尖り、基部は心形
花序は球形で、直径4~5cm
花は5mm程、花被片は6片(内花被片3片、外花被片3片)で反り返る
雄花の雄蕊は6本、雌花の花柱は1本で3裂する
初版 2016年1月10日
画像アップロード 20220128
記事アップロード 20250119