花追い放浪記

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ハマジンチョウ コウの花図鑑

2025-01-22 | コウの花図鑑

1月に見つけた野草の花

 

ハマジンチョウ(浜沈丁)

 Pentacoelium bontioides Siebold et Zucc.

 

ゴマノハグサ科  ハマジンチョウ属

花 期 : 12~3月

生育地 : 入り江、河口

分 布 : 三重、長崎、熊本、鹿児島、沖縄

RL指定 : 環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類

撮 影 : 1月 長崎県

 

ハマジンチョウの図鑑を更新しました

ハマジンチョウは、九州西廻り分布型植物とされ、インドシナから台湾、琉球列島をへて、鹿児島県阿久根市、熊本県苓北町から長崎県まで分布し、本州においても三重県に生育地がある

 

従来虫媒花と言われてきたが、高頻度でメジロが訪花することが確認され、嘴を花筒内に差し込んで蜜をなめる

その際、花筒の外に突き出た4本の雄蕊と1本の花柱にメジロの頭や首が触れ、花粉が付着する

分泌される蜜量は、一般的な鳥媒花の値に匹敵する量であり、メジロがハマジンチョウの有効な送粉者として働いている可能性が高いと言える

東アジアでは鳥媒花の植物種は希であるが、本種はまさにメジロによる送粉に適応した植物の一例と言える

引用)ハマジンチョウ(ゴマノハグサ科)のメジロによる送粉(菅原 敬  中路真嘉  田畑満大)

 

ハマジンチョウは、波穏やかな海岸際に自生する常緑低木

樹高1~2m程で、分枝が多く、地表を覆うように茂る

葉は5~10cm、長楕円形もしくは倒披針形で、枝先に互生する

花は葉腋から花柄を伸ばして1~3個付き、花冠はロート型で先が5裂する

果実は海面に浮いて漂流し、分布を広げる

初版 2016年1月3日

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