to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

余命

2009-09-10 23:46:33 | the cinema (マ・ヤ行)
君に届け いのちへの想い
ひとつのからだ、ふたつのいのち。愛はどちらを選ぶのだろう。
製作年度 2008年
上映時間 131分
原作 谷村志穂 『余命』(新潮社刊)
監督 生野慈朗
出演 松雪泰子/椎名桔平/林遣都/奥貫薫/市川実和子/二階堂智/かとうかず子/宮崎美子/橋爪功

がんの治療と出産のはざまで葛藤(かっとう)する外科医と、その夫を描く人間ドラマ。
結婚10年目にして、赤ちゃんを授かった38歳の滴(松雪泰子)。夫の良介(椎名桔平)と喜び合っていたのもつかの間、乳がんが再発してしまう。自分の体と病の進行を十分に知り尽くす外科医の滴は、治療を進めるには出産をあきらめなくてはならないことを悟り……。

生か死か?
しかし、がんに侵されていた女性は妊娠していたことを知る。
子供の生か(自分の死か),自分の生か―となる、究極の選択。
公開時に気になりながら見逃していた作品のひとつ。

このヒロインは外科医である為に、病気を自分で発見し、診断もし、
その進行の予測もついてしまう辺りが悲劇的で、やはり松雪さんは上手いなぁ~と思わせる。

彼女と生活感のない夫婦生活を10年も続けていながら、
貪欲さのかけらもない写真家の夫は椎名桔平。
知的で穏やかな性格だけど、長年妻に頼った生活で折れそうな自尊心を滲ませて、
こちらもぴったりの役かも。

10年前の乳がん手術により、左胸を全摘。諦めていた母となる自分・・・。
ガンの進行に怯えながらも、
確実に夫に自分の命を繋げられる―彼女の選択。
夫に託す、かけがえのない命・・・この作品のテーマは伝わってきました。

しかし、あまりに淡々とすれ違う夫婦を描き過ぎ、
孤独に出産、ガンと闘うヒロインをみつめながらも、その女医と写真家という設定の為か、
現実味に欠け、ただ美しい夫婦愛の物語になってしまった感が否めない。

監督の生野さんといえばTBSテレビ。
土井裕泰さんと同じくらい私は生野さんの関わった青春モノ、ラブストーリーはたくさん観てきたけれど、
これはちょっと役者に頼った演出という感じが残りました。

ただ、ここでも沖縄の自然が一役も二役も買っている。
コバルトの海。マングローブ。
再生の舞台として申し分のない素敵なロケーションでした!
コメント (2)
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