to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

カムイ外伝

2009-09-22 23:59:06 | the cinema (カ行)
生き抜け!
製作年度 2009年
上映時間 120分
原作 白土三平
脚本 宮藤官九郎 崔洋一
監督 崔洋一
音楽 岩代太郎
出演 松山ケンイチ/小雪/伊藤英明/大後寿々花/イーキン・チェン/金井勇太/芦名星/土屋アンナ/イ・ハソン/山本浩司/PANTA/佐藤浩市/小林薫

白土三平原作の傑作コミックを『血と骨』の崔洋一が実写化したアクション娯楽大作。
鉄の意志を持ち、見事な剣の腕前を持つ忍者カムイ(松山ケンイチ)は、おきてにがんじがらめにされた忍びの世界に閉口してそこから抜け出す。かつての仲間、大頭(イーキン・チェン)やミクモ(芦名星)はそんな彼を裏切り者とみなし、執拗(しつよう)にその後を追う。ある日、漁師の半兵衛(小林薫)を助けたことでカムイはその家族に歓迎されるが……。

週刊サンデーはある時期まで愛読書であったのですが(笑)
コチラはビッグコミックの連載で見ていた記憶がある。といっても、もう殆ど忘れていますが。
少女系漫画にはないシリアスドラマに惹きつけられて当時の楽しみでした。
その中の一編「スガルの島」を忠実に映像化した本作。
見所はカムイの得意とするワザの数々。
そして、、抜忍としての孤独と自由への飽くなき闘いの日々―。

まず、世間的には厳しい意見も多い本作品でしたが、私は良かったと思います

ちょっとアレなCGが気になる何箇所かはありましたし、
原作を知らない方に、当時の士農工商以下のなるものが存在していたところの描写が不十分ではなかったかなど、
気になるところもありましたが、
それらのマイナス評価に重きを置かなければ、十分面白い作品でした!

確かに元々の「カムイ伝」を知らなければ、
或いは冒頭のナレーションのみでは、伝わり難い心情描写もあったように思います。
カムイの抜忍となる決意をするに至る描写や、
更に言えばの出である為に、人としての安らぎも希望もないカムイらが忍者になるしか選択支がなかったという現実も、
やや説明不足かも。
そこを知った上で観ると、またこの作品の評価は違うと正直思いました。

               

ツガルとの再会、そして思わず心を通わせる半兵衛一家とのつかの間の安らぎ、
その間も彼を取り巻く孤独感や終わりのない旅への無常なる想い。
そしてまたしてもカムイの心を打ち砕く、追忍の仕業――

個人的に楽しみだった変移抜刀霞斬り、飯綱落し、は文句のないところ
監督が拘ったキャスティングだけに、松ケンのカムイは嵌っていました!
月夜に佇むカムイの姿・・・ただ数秒のその横顔にさえ
果てのない逃亡者としての寂寥感が伝わってきました。さすがです!

すっかりどっぷりで嵌り込んでいた為に忘れていた不動の登場。
伊藤英明さんももう時代劇がすっかり板についていて迫力がありました
小雪も、小林薫さんも本来の味のある雰囲気が活かせてよかったですし、
誰だか解らないくらいに汚されて登場した芦名星、イーキン・チェン、金井勇太くんも頑張っていました

惜しむらくはVFXの点数でしょうか、悔やまれるところですが
物語りも展開もよかったし、俳優陣も文句なしで
私としてはかなり満足の作品でした~