原題 AMERICAN SNIPER
上映時間 132分 映倫 R15+
原作 クリス・カイル 『ネイビー・シールズ 最強の狙撃手』(原書房刊)
監督 クリント・イーストウッド
出演 ブラッドリー・クーパー/シエナ・ミラー/ルーク・グライムス/ジェイク・マクドーマン
2001年のアメリカ同時多発テロをテレビで目の当たりにした青年クリス・カイルは、祖国の人々を守るために貢献したいとの思いを強くし、ネイビー・シールズで狙撃手としての過酷な訓練に励んでいく。やがてイラクに出征したクリスは、その驚異的な狙撃の精度で味方の窮地を幾度も救っていく。仲間たちから“レジェンド”と賞賛される活躍をし、無事に帰国したクリス。これでようやく、愛する妻タヤと生まれたばかりの長男と共に平穏な日常を送れるかに思われたが…。
公開して直ぐに観たのに、恭子ちゃん祭りの為(笑)感想が遅くなりましたが、
これ以上遅くなると未だに記事にしてない「インターステラ―」の二の舞になること確実なので
ひと言感想を。
過去にもアメリカ兵のPTSDをテーマにした作品は印象深いものが多いけれど、
本作は実話であり、また、奇しくも最新の悲劇を描いている、リアルな戦争ドラマでした。
主な舞台は9.11以降のイラク戦争。――なのだけれど、
クリスの少年期の、カイル家の教えが描かれたプロローグがあって、
ちょっと残念な青年期があって、、、2001年の同時多発テロを迎え、ネイビー・シールズに入隊する。
そこがやはり観客の心を掴むポイントだったと思う。さすが、イーストウッド監督!
闘えない「羊」.....その羊を喰う「オオカミ」、、、、羊をオオカミから守るのは「犬」だ。
そしてクリスは射撃の腕を買われ、戦場で「どんな過酷な状況でも仲間を守る」スナイパーとなり、
“レジェンド”と崇められる存在となり、愛国心の強い、忠実な「犬」となる。
しかし、度重なるイラクでの戦闘では、「守れなかった」作戦もあり、、
アメリカの正義を信じ、任務に実直なクリスが、次第に病んでいく過程が苦しい・・・。
原作にあるのかどうか知らないけど、この作品のテーマを見事に描いた一瞬。
それが、クリスが「犬」に殴り掛かるシーンに象徴されているのがイーストウッド監督の凄さだと思うけど
それは実際のエピソードなのか、
イラク戦争の是非を問う、監督の変化球なのか。。。
ざらついた映像も、無音のラストも素晴らしかった
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見ていて辛くなりました。
恐怖感と虚しさが残りました。
生々しい戦争ドラマでしたね。
チームのメンバーがひとりまたひとりといなくなる。
ラスト、クリスがレジェンドであった証しとして
棺の蓋に打たれたトライデントバッチの数が、それを物語ってましたね。
ワタシ、一瞬金箔の棺桶と思いましたよ(おい)
犬のシーン、クリスの中に渦巻いている何かが凄く分かりやすかったですよね。
イーストウッドの演出なのか、実際にあったことなのかは私も知りませんが、恐くなりました。
そしてEDの無音、最高の演出でした。
クリスが出征したのはイラク戦争で、大義のない戦争でしたから、これは国に罪があると強く感じましたね。
こちらからもTBお願いします。
まさに、それこそがイーストウッド監督の、
この戦争ドラマから感じ取ってほしい感情だったんでしょうね。
「愛国心」が強すぎることの怖さも感じました。
まさに戦場での守護神。
その彼が変わっていく過程(特に戦場で)と、
あの犬のシーンが印象的でした。
そうそう。あの棺に打ち込められたバッチの数、、、その前に伏線がありましたね~。
ひたすらに虚しい、ラストでした~
「羊は育てない」とか父親に言われて、兄は犬になるべくして育ち、、
弟は兄に憧れながらも、なり切れず・・・
再会するシーンに心が痛みましたよ。羊とイヌでした。
でも、、立場が変われば、彼はオオカミでしたから!
男の子を持つ親としては、徴兵制度がなくてホントによかったと、
ずっと思って観ていました。家の子は多分羊ですもん
それが彼らのような忠実な犬的愛国心に支えられているとしても、
棺の蓋がバッチで埋め尽くされようとも、
あの、番犬に襲い掛かるクリスの、一瞬の驚愕の表情が、
病の元凶、敵の正体を思い知る、残酷さで、
無音のラストへ・・・と、素晴らしかったですね~。
番犬であることに自分の意味を感じていた彼にとってまもるべき羊は誰なのか、ということがだんだんわからなくなっていったのかもしれません。
国なのか、家族なのか・・・。
それで自分の本来の位置がわからなくなっていったのかもしれないですね。
守ってきたのに、
襲ってしまった時――
自分を番犬として、敵をオオカミだと信じてきたのに、
でも、、見方を変えたら(逆の立場からみたら)
自分はオオカミだったかも?というのも感じましたし、
いろいろと深い、監督の見せ方でしたよね?