次女が中学生だった夏のある夜。
次女はまだ帰宅しておらず、私は犬が吠えたので庭のドッグハウスの犬を見に行った。
家に入ろうとした時、ふっと人の気配を感じたが誰もいなかった。
玄関のドアを開けたら、次女が大泣きしている。
聞けばすぐ近くの橋からハイヒールを履いた長い髪の女性に追いかけられたと。次女は自転車で、必死で凄いスピードで走ったのに、じきに左真横に女性が並び、ずっと自転車と同じスピードでついてきた。恐ろしくて必死で自転車をこいで、家に飛び込んだと。
語る次女の左頬がべっとり何かで濡れていた(汗ではない)。
後日夜に橋まで夫と行ってみた。真っ暗な中、橋の下を走る車のライトだけが浮かぶ。カーブになっていてよく事故が起きると聞いた。
あの女性は………。