雨が上がった朝、ウォーキングロード沿いの森から音がする。
耳を澄ませるとそれは森全体から、そして、そばの林からも聞こえて来る。
雨が降りだしたのかしら、と思ったら違った。
木々の葉に溜まった水滴が落ちて、下の葉に当たってかすかな音をたてる。
それが森全体で起きて、独特な音をたてていたのだった。
ちょっと苦笑する。
これまで忙しくて、忙しくて。
仕事をしていた頃もこのロードを歩いていたけれど、こんなわずかな音をキャッチしたことはなかったわ。
しみじみ道端の花を眺めた事もなかったことだわ。
私生活も仕事も、ずっとハードな人生を送って来た私には、今の穏やかな生活が、少々落ち着かないのだ、と思う。
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道端にあった花の種を撒いたら芽が出て、今朝鮮やかに咲いていました。