国道から駅までまっすぐな道が続いている。
暖かかったここ数日の小春日和の終わりを告げるように北風が吹きつける。
街路樹の欅がはらはらと葉を落としている。
駅に着いて階段を上がって北口へと出る。転居してきた当時とほぼ変わらない風景がそこにある。
歩く人がほぼいない県道を少し歩いて右折すると、丁度踏切の遮断機が下りるところだった。
足を止めて電車をやり過ごす。
電車の行き先は娘たちが住む町。会いたいな、孫ちゃん。と、ふっと思う。
電車が行って再び歩き出す。
この地に越してきて30年余り。
景色は大きく変わってはいないが、それでも新しい住宅地が建っていたり、お店が変わったりとそれなりに変化はある。
かさかさと音がして誰か歩いているのかと振り返ると落ち葉が風に舞う音。