断層 足元を深く掘れ 奥村一郎著より
聞き上手と聞き流し上手
聞き流し上手--テルジア--
切に勧めますが、本を読んだり、お説教を聞くとき、また信仰上の秘義について黙想するとき、
よく分らないことが出てきても、それを細かくせんさくして頭を疲れさせたり、
心を涸らしたりしてはなりません。
女性のためでないことはたくさんありますし、男性の方も分らないことがあるのですから。
(大聖テルジア「神愛考第一章1)
「聞き上手は聞き流し上手」とでも言うだろうか。
ユーモラスな、しかも肝心なことはしっかり聞きとる、聞く術をテルジアは教えてくれる。
このことは、ふだんの生活にも当てはまる。
批判や非難、不愉快な態度など、思い出しても聞き流すこと、お世辞や他人からの称賛にも、
それにひっかかっていい気になったりしないで、それを流すこと、
こうした聞き流し上手になれば、心は平和でいられる。結構むずかしいことだが、
こうしたことは祈りのなかの「雑念馴れ」にも似た、日ごろの訓練である。