神さま 心のふしぎを思っています
心は一時に あれも これも それもと
いろいろな方へ向いていきます
心の中の思いは たくさんのものを
かかえこんでいくことができるのです
憎しみも 呪いも 悲しみも
喜びも 感謝も なんでも 同じ心の中で
あらわしていくことができます
そしてまた
心はたった一つのものごとに 的をしぼることもできます
一日中 いや 何日も 何か月も
ただ ひとつのことだけを
思いつづけていくこともできます
愛する人 忘れえないこと
ゆるしえないこと
ただ ひとつのことに
思いを傾けていくことができます
心は すべてを失って
からっぽにすることもできます
むなしさ 真っ白な何もない心に生きて
それでも どんな心の思いの中でも
ふしぎなほど 静かな ゆり動かない
一点をもつことができます
消えることのない心の一点を信じて生きる
ひとすじの思いにしてください
石井錦一著 「癒されない心の祈り」より