ロシア軍の「第2防衛線」に進軍、ウクライナ軍「強固ではなく地雷原も少ない」
2023/09/05 22:41
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230905-OYT1T50141/
この記事のほかは、まだ記事を見ていません。
ウクライナ国営通信が情報元のようですから多分、記事は正確なのであろうと思います。ウクライナ軍の報道官と書くだけでは、どこの報道官なのか不明です。国防省にも参謀本部にも方面軍にもいます。まあ、チクリは止めておきます。
これまでとは、違いウクライナ軍の具体的な分析をコメントしています。これまでは、地名と戦闘状況を簡単にコメントするだけでした。
今回は具体的に現地の状況を説明しています。
①三重の防衛線を用意している
②戦力配分の割合は「60%、20%、20%」との見方を示し
③2番目の防衛線は、技術的にはそれほど強固でなく、地雷原も少ない
現在は、ウクライナ軍が一番北側(外側)の第1次防衛ラインを突破し、第2次防衛ラインを攻撃し始めたところです。攻撃している箇所が、ロボティネ村Robotyneの南約4kmの位置にあるノボプロコピウカ村Novoprokopivkaに向かう地域と東方(10km位)のベルボベVerboveです。
戦力配分比率を見ると第1次防衛ラインに60%の戦力を配備していたというのが、ウクライナ軍の分析です。つまり、60%の比率の最も分厚い防衛ラインを突破したと言うことになります。
第2次防衛ラインの戦力配分は、20%の分析です。そして、「それほど強固でなく、地雷原も少ない」との分析です。
これまでよりは、進撃速度は早まるという見込みでしょう。(そうは、言っていませんが結果として、そうなります。)
さて、改めてBBCが航空写真を利用して作成した略図を見てみます。
記事
『ウクライナ、南東部の村を奪還か 「大規模な猛攻」と西側当局』
2023年7月28日
https://www.bbc.com/japanese/66333826
現地略図
https://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/18621/production/_129837899_russiansatellite3.jpg
図の中で「ウクライナの攻撃(可能性)」と示されているのが、現在第1次防衛ラインと言っている防御網です。今回のウクライナ軍の広報では、この部分にロシア軍の戦力の60%が配備されていたことになります。
図の中で「第1次防衛線」と書かれているのが、現在攻撃中の「第2次防衛ライン」です。
従って、図の中の「第2次防衛線」は、一番トクマクよりの「第3次防衛ライン」になります。
この記事の時点では、まだロボティネ村Robotyneの攻撃が開始された直後で、BBCも詳細の把握が出来なかったために仮の略図を作成したと思います。第1次防衛ラインの拠点であるロボティネ村Robotyneの攻略に約40日かかりました。しかし、ここに60%の戦力が配備されていたとすると、20%の戦力配備の第2次防衛ラインの突破には、それほどの時間はかからないと思われます。
更に図を見て分かる通り、第3次防衛ラインは、図の左側が未完成です。左側から迂回して直接、トクマクТокмакの周囲を囲む防御線を攻撃することが出来ます。
ウクライナ軍のロシア側の兵力配分の比率が正確であれば、おそらく今月中に、トクマクТокмакの周囲を囲む防御線に到達すると思われます。
更には、第2次防衛ラインも第3次防衛ラインも155ミリ榴弾砲の射程に入っています。これからウクライナ軍の砲兵部隊の本格的な砲撃が始まるでしょう。
つまり、ロシア側の立場では、トクマクТокмакを中心に築かれたこの分厚い防御網は、非常に危うい状況にあることになります。
ウクライナ軍が絶対的に有利な戦況になったから、ウクライナ軍が具体的な状況を公表したのだろうと思います。
流石に嘘ばかり広報していたロシアのセルゲイ・ショイグ国防相も軍関係者との電話会議で、本当のことを言ったようです。
「最も緊迫した状況がザポリージャ方面で起きている」
しかし、認識はここに至っても甘く・・
私の見るところでは、既に終わっています。
だからウクライナ軍は、今更ロシア軍の予備の空挺師団を投入されようと、余り困らないわけです。むしろ、一緒に壊滅できるから好都合と言うべきだと思います。
ウクライナ軍が雪が降る前にトクマクТокмакの攻略を終えるのは、ほぼ確実だと思います。
ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/