アングル:ドイツ不動産市場、外国人が敬遠 経済の傷深まる恐れ
By Tom Sims、 John O'Donnell
2024年5月24日午後 4:21 GMT+91日前更新
https://jp.reuters.com/markets/japan/CFWSI34WHNPDVMDKDP52TIMAAI-2024-05-24/
アングル:企業投資はドイツからフランスへ、マクロン氏の改革が成果
By Leigh Thomas
2024年5月25日午前 8:07 GMT+919時間前更新
https://jp.reuters.com/markets/bonds/HEE33X7ZFVMTLODIXYBOTUJNAE-2024-05-24/
アングル:EU市民の生活水準低下、議会選で極右伸長のパワー溜まる
By Michel Rose、 Maria Martinez、 Mark John
2024年5月11日午後 3:12 GMT+915時間前更新
https://jp.reuters.com/world/europe/FUWS7TA3PNM27LYJTZTPLDEQZA-2024-05-11/
ドイツの今年のGDP成長率予想を昨秋時点の0.7%から0.2%に下方修正されました。
「ドイツの経済モデルには疑問の声が投げかけられている。」
エネルギーコストの高騰
世界的な需要低迷
破壊的なネットゼロ経済へのシフト
中国との競争激化など
「ドイツの経済成長モデル」の失敗
中国向け輸出
安価なロシア産天然ガスに依存し過ぎた
インフラの老朽化や電力価格の高騰
緊縮財政など
「不動産市況の低迷の理由」
分散型の都市設計を進めた。
単一の巨大都市が存在せず、ロンドンやパリといった真のグローバル都市を
ターゲットにする傾向がある外国人から敬遠されることが少なくない
ドイツの不動産所有者は不動産価格を下げずに不況を乗り切ろうとする
<大体、こんな事情がドイツ経済の足を引っ張っているようです。>
一方、フランス
原子力エネルギーを長期的に推進してきた経緯
(安定した安価な電力供給)
法人所得税率を25%に引き下げる
(ドイツの平均的な法人税率は30%弱)
労働市場改革も推進
労働裁判所向けの雇用主拠出金負担を抑え、週35時間労働制をより柔軟に運用することを企業に認めるなど
良好なインフラや技能を備えた労働力
税負担軽減
※イギリス
EU離脱によりメリットが失われて、文句なしのド壺!
(イギリスに投資するメリットが、なくなった)
このような各国の事情を背景にフランスへの投資が近年増えているのだそうです。
「フランス中銀、2024年のGDP成長率を0.9%と予測」
2023年12月25日
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/12/e04bf1539342c041.html
それほど良好とも言えませんが、ドイツよりはマシと言うことのようです。
で、評価
「ハーガー氏は、外国投資がフランスに大きく流入しているとしても、同国の工業セクターがドイツに追いつくまでの道のりはなお非常に長い、と話している。」
目先の成長率の話で、製造業でフランスがドイツに追いつくには、程遠い状況のようです。
ドイツの失敗は、極端にエネルギーをロシアに依存したことです。脱原発宗教に取付かれたドイツは、原発を全部廃止しました。その電力を補ったのは、ロシア産の格安の天然ガスです。
これが輸入できなくなり、かなり割高のアメリカとノルウエーの液化天然ガスに切り替えるしかありませんでした。
フランスは原発政策を維持してきたので2022年で85%超が原子力発電です。安定して格安の電力を供給できます。
この電気代の差は、国全体に及びますから大きいと思います。
日本の電力政策でも考えて欲しい部分です。
※そして違う角度から見てみます。
https://www.iti.or.jp/kikan77/77echo.pdf
「ドイツの名目GDP(2019年) を需要項目別にみると、輸出(財・サービス)は46.8%と大きなシェアを占めている(図6)。」
2004 年から 08 年までの輸出先
EU諸国62%~63%
BRICs向け
4年間で87.6%増加
シェアでも 5.9%から 8.2%と拡大
「好況のときは平均以上に利益が出るが、不況のときは打撃が特に大きい」
ウクライナ紛争の影響でEU各国は、どちらかと言うと不況に近い経済状況だと思います。
大きな比率を占めるEU諸国向け輸出は、減少していると思います。
更には伸び率が大きく稼ぎ頭であったBRICs向けは激減していると思います。
加えて中国製品が世界中でドイツ製品を駆逐しつつあります。
つまり❓
ドイツ経済不振の原因は・・・
①エネルギーコストの上昇
②輸出依存型経済が、輸出減で縮小した
主にこの2点だと思います。
日本が得られる教訓は・・・
一定の価格でのエネルギーの安定供給
輸出と内需のバランスの良い経済構成
(過度に輸出に依存しない)
日本の輸出比率はわずか18%で内需中心の経済です。
輸出振興より内需拡大を図るべきでしょう。
日本経済が比較的無事な理由は、ウクライナ紛争やガザ紛争の影響をヨーロッパほど受けない。
内需比率が高いので外国の景気動向に左右されにくい点だと思います。
急激に良くならない代わりに、急激に悪くもならないと言うことのようです。
だから外国では高インフレが社会問題になっていますが、日本では比較的インフレが抑えられているのも、これが理由です。
イギリスなど前年同月比10%程度のインフレが続きました。アメリカでも8%を超える時期がありました。
そういった意味で何かと馬鹿にされる日本政府ですが、国民生活の安定と言う意味では、多分世界で一番成功していると思います。
こう書くと、何が良くて何が悪いか❓
良く分かりませんね❓
「他人の芝生は青く見える」