葉山の海と森

葉山町の自然と日々の暮らしのスケッチ

継続は力なり

2008-09-23 12:55:39 | Weblog
言い古されているとはいえ、継続するというのは簡単なようで本当に難しいものだとつくづく考えさせられる。学校、仕事、趣味、習い事等など本当に長く続けるというのは大変な事だと思う。
例えば結婚や友情なども長くその感情を保ち互に尊敬しあうなど、利害関係の無いような関係だとうまくいくが、そこに利害やら他人などが入ってくるとたちまち壊れるのが常である。特に商売、仕事となるとこれまた人間関係以上に大変になる。

鎌倉に三婆(サンババ)通りというのがあるのをご存知でしょうか?
鎌倉駅を降りて小町通に入り一つ目の路地を右に入った、スーパーユニオンの通りです。この路地は何の変哲も無い路地ですが、この通りには三人のオールドレディーが店をやって居て有名でした。(残念ながら今は一人引退して二婆通りになってますが)
夫々の店の名はふぐの『田島』、バー『龍胆』(りんどう)、スナック『トノヤマ』
夫々のママの年齢は田島80歳、龍胆92歳(引退時)トノヤマ83歳これが三婆通りの由来です。(ちなみに龍胆の胆の字は旧字です)
龍胆は鎌倉文士の溜まり場だったし、トノヤマは映画関係者や芸術家の溜まり場だったこともあり、今思い出すと錚々たる人達が集まっていたのを思い出します。

開店以来(一寸中抜けはしたが)トノヤマには今も通っている、安くて居心地の良いカウンターだけの小さなバーです。映画俳優の殿山泰司の奥さんの妹さんのチャコママが女性と2人でやっている店です。83歳にもなるのに毎晩お酒を客と飲んでいる様は感心してしまいますが、千客万来で空いている時間が無いといって良いほどですが、此処もあと2年で開店45年になり今では鎌倉で一番古いバーになりつつあります。

美術監督であったご主人を縁の下で支え、一流の監督にして死別、以来店に来るお客を亭主と思ってこの40年以上を頑張ってきている素晴らしい女性です。
我々にとってはおふくろのような存在だが、長く続けてきてもらって本当に感謝している。その秘訣はお酒を売って夢を売る、お客同士が仲良くなるがそこでは裃つけない対等な関係であるという事、必要以上の酒は出さずに無理やりタクシーを呼んで帰らせる事、春の花見、ボーリング、ソフトボールなど夜だけではなく、健全な昼遊びもすることなど本当に人のために努力している事。

毎年クリスマスは皆飲みに来るけれども、イブの夜はママは近くのカトリック教会に夜半のミサに出かけ、客は待っているという事もあり、トノヤマ一家という家族を為しているこの店と隣の『田島』の長く続いてくれる事を願う今日この頃である。

一寸、九州に行って昔の仕事仲間に10数年ぶりに会ってきたが、会えば昔のままの友情が芽生え、互いの無事を喜び懐かしさがこみあふれてきて、長生き人生は良いものだとつくづく考えさせられた。長く人間を続けられますように、『継続は力なり』を実感した9月であった。
人生の継続は神が許す限り続けてゆきたいものだと思う。



















コメント
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