愚策 高速道路無料化

ついに民主党のマニフェスト中心の原理主義化が始まった。約束を守ることはこの社会において必須だけど何でもかんでも原理主義的に守ろうとすれば、必ずボロが出てくる一つの証左としてこの高速道路無料化が良い例である。

自分のことを少し話をすれば、免許証をとって今年で50年になる。仕事やプライベートを含めると恐らく100万キロ以上は走っている事になる。
買い換えた車も10数台になるが、当時と比べ性能は良いし道路は良くなっているので本当の老後の楽しみといえば箱根あたりで温泉三昧と行きたいが、こんな悪法がまかり通るようでは楽しみが半減してしまいそうだ。

結論から言うと高速料金は取るべしだ。但し現行値段の半分以下にして税金投入を少しでも減らす事。こんな単純な事が何故分からないかと思うと政治屋たちは相変わらず選挙目当ての政策しか考えていないのだとつくづく思うのだ。
自分の経験では若い頃は琵琶湖あたりまで車で日帰り出張もしたし、東北から長野の工場まで２日で移動したり、高速道路には大変お世話になった経験がある。
その中で夜間でも道路維持のパトロールカーは仕事をしているし、安全面での保守点検は常時行っていたが、万一無料化になれば保守作業や事故処理など全て税金で賄う事になるというこんな状態がずっと続いたら間違いなく、破綻することは目に見えている。

確かに現行の料金は高い、これは日本の交通費が全てといって良いほど高いのである。新幹線、電車、フェリー、飛行機全てである。そこへ高速だけ無料化してもなんら経済的メリットは出てこないのではないだろうか？恐らく他の業界は値下げをしたり対抗措置をとってこれと競争が始まる事は必定である。
今、この国を覆っているデフレスパイラルは値下げ競争の結果自分の首を絞めているのが分からないのだろうか？受益者負担の法則なら誰もが納得できる約束事で車に乗らない人達にはなんら恩恵が無いのである。よく物流コストが下がれば消費者に還元されるなどと答弁しているが、１０トン車が仮に九州から東京まで無料になったからといって、１０トンの積荷がいくら下がると思っているのだろうか？まさしく現場を知らない議論だと思われる。

今度の無料化実験もどういう基準で決めたのか知らないが、この辺りのことで言えば西湘バイパスを無料化して実験という。バッカじゃ無いのと言いたい。
西湘バイパスの終点は小田原の西、山崎であるがあそこは常時混んでいる場所なのを知っているのか、小田原厚木道路の終点でありターンパイクにも入り口で国道１号箱根との合流点でもあるのだ。これは官僚の陰謀としか思えない。無料化にして混む、渋滞が起きる、事故も増えるだからインターや取り付け道路を作りましょうという他の場所はいざ知らず神奈川県に関して云えば湘南バイパス終点茅ヶ崎も湘南大橋で詰まる事は目に見えている。（今度２車線にはなるのだが）
又今進行している第２東名などどうするんだろう？巨大な橋脚は墓石が立っているような、イースター島のモアイのような１０００年後のモニュメントになるのだろうか？自民党と官僚の利害が一致した結果がこうである。民主党お前もか。

いずれにしても無料化は止めて今の通行料の半分以下にして、全国一律半値以下にすれば税金投入も少なく、保守の人件費くらいは稼げるのではないだろうか。
民主党には勇気あるマニフェストからの撤退を望む、そうしないと金の問題でもこれだけ味噌をつけたのだから国民の反感をもっと買うに違いない。
苦労知らずの２世の小鳩よ考えてください、。これが国民の総意です。