葉山の海と森

葉山町の自然と日々の暮らしのスケッチ

酒の飲み方酒場のルール

2009-08-02 14:19:18 | Weblog
暑中お見舞い申し上げます。梅雨の晴れ間か、夏の雨間か分からない日々が続いていますが、これも地球の温暖化の一つと考えて、冷たいビールでも飲みながらノー天気に先行きを考える今日この頃です。

毎週末に気分転換をかねて鎌倉の小町の小さなバーに寄って疲れを癒して葉山に帰ってくるのだが最近の酒の飲み方について一寸言いたい事がある。
鎌倉駅から小町通を入ってすぐに右に入る路地がある。以前にも紹介した所謂三婆通りという名物ママが3人居てバーや料理屋があった。あったと言うからには過去形だが、『龍胆(りんどう)』という店はママが90歳で2年前引退、隣のふぐ料理屋『たじま』はこの7月に80歳のママが引退、残る一軒はスナック『トノヤマ』のチャコママ一人になってしまった。彼女も御年80歳毎晩酔客の相手で日本酒を3合くらい飲んで頑張っている。

ある晩20代~30代の男一人女二人の3人連れが入ってきて、夫々ビール、水割り、ソーダ割りなどを注文して延々2時間カウンターを占領して自分達の話をして周りをうんざりさせていた。おまけに一人の女性は携帯を持って店を出たり入ったりという振る舞いで、私は思わず『ママ、もう11時半だから終わろうよ』と言って帰る支度のそぶりをして退店を促した。それだけ居てツマミも取らず3人で2000円で『安いわね』は無いだろう。

店は商売、酒を売るか、楽しい夢を売るかどちらしかないのだから自分達の世界で居たいのならファミレスでも行ってお喋りして来いって腹が立って仕方が無かった夜でした。世の中には法律ではない目に見えないルールと言うものがあり、ましてこの店は大人の隠れ家であり、ママを中心とした家族のような店なので、余りに無神経な若い連中の無恥にこの先の日本を象徴しているような気がしてなりませんでした。

この店を一寸紹介しておくと亡くなった俳優の殿山泰司の義妹のママが45年前に開店して、現在まで一人で切り盛りして頑張ってきた素敵な婆さんです。(特に着物姿は)ここのカウンターはママのご主人だった亡くなられた美術監督の戸田重昌氏の設計で当時としては珍しい床材の張り合わせたカウンターで40年、50年持つようにと彼が愛妻のために作ったものでした。今は酒とタバコの焼け焦げで渋くあめ色に光って座るといくらでも酒が飲めるような気がして、つい夜更かししてしまうのも仕方ない事で、此処から素面で帰るのは先ほどの若い連中くらいだと思うし、殆どが楽しく鎌倉や逗子葉山にフラフラしながら帰っていくのである。

時代も変わり昔のバーのスタイルを残すのは大変かもしれないが、心あるママやバーテンダーが育つ事を願ってやまない。

コメント
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