今年も春闘の季節がやってきたが、先ごろ発表の日銀短観の景気動向の各支店のデータを見ると本当に横ばいか上向きの指標になっているが、庶民にはその実感がまったく無いと云って構わないだろう。99%が中小、零細企業という実体の日本の産業界では一部の大企業が利益を出していても裾野に広がらなくては何の意味も持たないのではないか。政府が経団連に給料を上げろという前代未聞の要請をしたり、増税の言い訳のために補正予算を同じ金額を計上したりとおかしなことばかりを政策として行っているのを誰も止められないのは如何なものか?
これからの零細企業は恐らく無くなっていくだろうと思われる現象が出始めている。仕事が無い、跡継ぎが居ない、高齢化が進むなど多くの零細企業が倒産しないまでも閉鎖されていくだろう。巨大ショッピングモールが出来駅前商店街がシャッター街となり人の集まる場所が無くなっていく現状を政治はどう解決するのだろうか?
新しいITを利用した仕事で巨万の富を得る若い経営者たち、これも根っこが無いから泡のごとく浮いたり沈んだりと有為転変の業界で日本の将来は何を目指すかということの目標が全く見えなくなってきたので、余程しっかりした計画を立てて挑まないと結局はシャッター街と同じになってしまいそうだ。以前は携帯電話を売るのがIT企業だと銀行が貸し込んであっという間に倒産という例もあったが、これから起業する人たちはどんな卵をかえすのか目標を決めて頑張って欲しい。ただ楽しみではあるけれどバックアップ体制がしっかり出来ていないので金融が一番のネックだろうと思っていますが、銀行受けするデータはなかなか出来ないのが現状のようだ。
企業の場合、小説のようには上手くいかないが、私の考えでは創業していきなり売り上げを何千万円とか、何億にするとかは考えずに地道にニッチな分野でまず毎月50万円の売り上げがあるような考え方をして、利益率の高いものを創造すべきと考えます。最初の1、2年は1000万円を超えるような売り上げにはせず消費税の課税から逃れて少なくても8%は利益が出ることを考えて合法的に節税をすることです。これからの消費税は必ず足かせになるから、これからは10%までの事を考えて合法的な節税をするべきです。体力がついたらいくらでも税金を払って良いからです。
私の知っている店屋さんが去年から今年の春にかけて3軒ほど営業をやめたり、やめる予定が入ってます。赤字で預金を食い潰すような仕事をやめるしかないと決断の結果です。銀行でよく言ういわゆる『損切り』です。多くの経営者があと少しで何とかなるといって一月、二月とズルズルと仕事をやめずにいた結果、赤字の積み上がりで傷を深くしてしまうのです。だからやりたいと思っても損切りを決断したほうが傷は深くならないのです。これがなかなか難しいのですが、創業後数字データを見て常に撤退できる状態を作っておくことが、再起の為にも良いのです。テレビやマスコミで報じられる成功例は極々わずかな例だということを理解しておいたほうが良いでしょう。
今、金融は緩んでいるという話は信用しないほうが良いと思います。銀行は起業者には必ず保証協会の保証付を要求します。自分たちには起業者の仕事内容が理解できないからです。(最も保証協会も同じですが)ですから噛んで含んで事業内容のデータを出さなければ判断できないのです。恐らく銀行は文系の人間しかとっていないのだろうと思われますので、計算は出来ても科学や物理世の中の動きなどは理解できないと思っています。これは政治家にも言えることで、今の為政者たちの中で科学的なことを理解できる人間はどれだけ居るだろうかと調べて見ればよく分かります。
中小企業のオヤジとしては優れた起業家が出てきてくれたら嬉しいので、就職活動に絶望しても自分で起業するという選択肢もあるのだから、是非希望と夢を持って若い人たちには挑戦してもらいたいと願ってます。日本は物を作って売らなければ成り立たない国なのだから、いざとなったら自分を輸出するくらいの覚悟で人生の選択をして欲しいと思っています。親戚の二十歳の息子が今教師になるべく勉強中だが、目的をきちんと持てば必ず成就するという信念を持って彼は励んでいるそうです。どうか周りに居る年寄りを有効活用して、踏み台にしても良いので頑張ってほしいものだと思います。特に今日はセンター試験中というので彼らにエールを贈りたい。
ガンバレ! ガンバレ! 幸運を祈ります。