10月22日、加古川市にある古刹・鶴林寺を拝観後、小野市にある浄土寺を拝観しました。
八幡神社拝殿・本殿。
浄土堂(国宝)。
「浄土寺」は、鎌倉時代のはじめに俊乗房重源により建立された歴史ある寺院です。
阿弥陀三尊像と建物が国宝に指定されている「浄土堂」をはじめ、 薬師堂や八幡神社など、知れば知るほどおもしろくなるお寺です。
浄土堂は、大仏様(天竺様)という建築様式の建造物で建てられています。
大仏様は、中国の宋に渡ったことのある重源が取り入れた建築様式です。
大仏様の建物は、東大寺の南大門と浄土寺浄土堂の二つしか残っていません。東大寺南大門は門であることから、仏堂建物としては、浄土堂が唯一のものとなります。
堂内には名仏師快慶作の阿弥陀三尊立像があります。共に国宝に指定されています。
三尊ともに雲に乗られ、来迎の姿をされています。
建久8(1197)年に上棟されましたがその後に焼失し永正14(1517)年に再建されましたが純粋な大仏様ではなく、和様、禅宗様などの建築技法が混在する建物となっています。
浄土堂の本尊は、名仏師「快慶」による阿弥陀三尊立像で、堂内中央の円形須弥壇(えんけいしゅみだん)」上に立っています。来世を信じる人々に、御来迎(ごらいごう)のお姿を、実際に見せようとしたものです。
「阿弥陀如来 (あみだにょらい) 」像は像高5.3m、「両脇侍立像」は像高3.7mもある巨大な三尊像です。 本尊の両手の上げ下げが一般的な仏像と逆で、「観音菩薩(かんのんぼさつ)」像と「勢至菩薩(せいしぼさつ)」像の配置も、一般的な配置と違い左右逆さになっています。これは、快慶が宋の仏画を参考に作られたからと言われています。
この日は残念ながら曇り空で、夕日を浴びた阿弥陀如来さまには出会えませんでしたが、十二分に美しく、神々しい阿弥陀三尊さまです。
内部は荘厳さに満ちていて、西陽が当たると浄土から阿弥陀さまが来迎されて来たかのような雰囲気が漂います。
一度、お詣りすると強く印象に残る阿弥陀三尊さまです。
また、須弥壇の周りを回れ、阿弥陀三蔵さまの裏側も見る事ができます。
八幡神社拝殿・本殿。
東大寺にも鎮守社の手向山八幡宮があるように、浄土寺にも鎌倉時代後期の嘉禎元年(1235)に八幡宮が建てられています。
薬師堂(重文)。
浄土堂と相対する浄土寺の根本道場です。
元の建物は浄土堂と同様に天竺様で建てられいたそうですが、室町時代中頃に焼失しています。
開山の重源をお祀りする開山堂。
13歳の時に山城の上醍醐に入られ名を重源と改めてられ、真言の修行に専念されます。
平重衡による南都焼き討ちで東大寺大仏殿が焼失した際には再建の責任者・勧進に任命されています。
浄土堂内部の写真は小野市HPからお借りしました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます