油屋種吉の独り言

日記や随筆をのせます。

春とは、いえど。

2022-01-09 10:18:08 | 随筆
七草がゆ。
こんな言葉を耳にしなくなって、どれほ
どたつだろう。

正月三ヶ日、ごちそうばかりいただいて
いて、どうも胸やけがする。
そろそろ、胃を休ませよう。

なずな、はこべ、ごぎょう、せり、ほと
けのざ、すずな、それにすずしろ。

これらの中に、かぶとだいこんがまじっ
ている。

読者諸氏は、それらを指摘することがお
できになるだろうか。
小生、みっつばかりを、ええっとこれだ
と思うと、言えるだけである。

春の菜がゆを食する習わしが、昔、わが
家では長い間つづいていた。
いつの間にか、それがぷつりと途だえた。

それに、三が日、あちらこちらと出歩い
ても、子どもが凧あげや羽根つきに興じ
る姿を見かけない。

あっ、そうそう、一度だけ。
小学三年くらいの男の子が凧あげをして
たっけ。
わきに、その子の父親らしきひとがおら
れた。凧揚げというのはな、こうやるん
だと、いわんばかり。見ていていかにも、
微笑ましいかぎりである。

子どもが外で遊ばない。
その分、うちでゲームをしているらしい。
理由のひとつが防犯。
子どもをかどわかし、不埒な行為に及ぶ。
果ては、誘拐や、なんと殺しまでやる。

残念ながら、わが県の片田舎で、小学一
年の女の子が左様なめにあった。 鋭利な
刃物でからだを、あちこち切られた。

鬼のしわざと言うしかない。

ふたたびのコロナ禍。
人と人との交わりを困難にする。

話をすこし、明るくしてみよう。

今はなき、村田英雄さんが、王将を歌い、
大ヒットを飛ばしたのはいつだったろう。
小生が中学三年だったから、昭和38年
ころだったか。
正月らしい正月を過ごせた。

このところ、渥美清さん扮する、寅次郎
を、テレビで拝見する機会が多い。

男はつらいよ

この映画のおしまいに、たびたび、半世
紀前の正月もようが映し出される。

私のような昔ものにとって、誠に安堵す
るシーンである。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする