9月13日。晴れ。
残暑きびしく、気温が30度近い。
午前中、田んぼの草刈り。
広さは一反歩あまり、おおよそ1200平方メートルである。
両手で器械をふるうわたしは、疲れて思わずよろけてしまう。
体重が軽くなったせいもあるだろう。
近ごろ年老いたせいか、夜がよく眠れない。
からだがぬくもると、かゆくなるのだ。
直近の「うぐいす塚伝」
描いていて、思わず筆先が揺れた。
いったん、ネットに流した描写を手直してしまった。
となりの田んぼは、稲穂がゆれている。
大規模農家の方が作付けされたものだ。
安易に貸したくない。苦労してもいい。
そんな気持ちが、年老いたわたしを、野良仕事にかりたてる。
足を切らないよう、慎重に刈っていく。
米や麦の作り方やらなにやら、義父にもっともっと教えて
もらいたかったなと思う。
汗といっしょに、涙がこぼれた。
はで木とはで足、それに乾燥機は、今も旧宅の倉庫でねむっている。
使わなくなってもう三十年あまり、年々朽ち果てていくばかりだ。
一条植えの器械、一条刈りの器械、それとバインダー。
ああそうそう、新しく購入した自走式の脱穀機もあったはずだ。
それらはどこにも見当たらない。
人に貸したのか、あげたのかさえ忘れてしまった。
むしろや布製の米袋が数十枚。
これらは今も大事にとってある。
「もう米作りやらないんだろ?」
いつだったろう。
年老いた親にそう言われた憶えがある。
次第に、米作りがおろそかになってきた頃のことだ。
今はかろうじて、きゅうりやなす、それに馬鈴薯を栽培している。
この二十年、どうしたことか鹿やいのしし、それに猿たち。
色んなけものたちが山から里へとやって来る。
電流の流れる装置を水田のまわりに設置する方がいる。
畑だって丈が二メートルくらいのネットを張りめぐらさねば、野菜の
花芽を食い荒らされてしまう。
田んぼが草だらけになる理由は、ちゃんとあるのだ。
「おれの目の黒いうちは、器械植えなんてやらせない」
近所の長老格のお年寄りの言葉を思いだした。
残暑きびしく、気温が30度近い。
午前中、田んぼの草刈り。
広さは一反歩あまり、おおよそ1200平方メートルである。
両手で器械をふるうわたしは、疲れて思わずよろけてしまう。
体重が軽くなったせいもあるだろう。
近ごろ年老いたせいか、夜がよく眠れない。
からだがぬくもると、かゆくなるのだ。
直近の「うぐいす塚伝」
描いていて、思わず筆先が揺れた。
いったん、ネットに流した描写を手直してしまった。
となりの田んぼは、稲穂がゆれている。
大規模農家の方が作付けされたものだ。
安易に貸したくない。苦労してもいい。
そんな気持ちが、年老いたわたしを、野良仕事にかりたてる。
足を切らないよう、慎重に刈っていく。
米や麦の作り方やらなにやら、義父にもっともっと教えて
もらいたかったなと思う。
汗といっしょに、涙がこぼれた。
はで木とはで足、それに乾燥機は、今も旧宅の倉庫でねむっている。
使わなくなってもう三十年あまり、年々朽ち果てていくばかりだ。
一条植えの器械、一条刈りの器械、それとバインダー。
ああそうそう、新しく購入した自走式の脱穀機もあったはずだ。
それらはどこにも見当たらない。
人に貸したのか、あげたのかさえ忘れてしまった。
むしろや布製の米袋が数十枚。
これらは今も大事にとってある。
「もう米作りやらないんだろ?」
いつだったろう。
年老いた親にそう言われた憶えがある。
次第に、米作りがおろそかになってきた頃のことだ。
今はかろうじて、きゅうりやなす、それに馬鈴薯を栽培している。
この二十年、どうしたことか鹿やいのしし、それに猿たち。
色んなけものたちが山から里へとやって来る。
電流の流れる装置を水田のまわりに設置する方がいる。
畑だって丈が二メートルくらいのネットを張りめぐらさねば、野菜の
花芽を食い荒らされてしまう。
田んぼが草だらけになる理由は、ちゃんとあるのだ。
「おれの目の黒いうちは、器械植えなんてやらせない」
近所の長老格のお年寄りの言葉を思いだした。