母の病室にも植木鉢から開きかけた花を選んで持っていった。
ジャムの広口ビンに半分ほど水を入れ花の部分だけを浮かせた。花瓶では倒すかもしれないので。
「きれいやなあ」「カーネーション、かわいい?」「うん、かいらしい色やなあ。なんていう花?」「カーネーション」「そうか、きれいやなあ」「Sさんには赤が届いてたよ」「ふーん、赤て珍しいなあ」「私が子供の頃母の日のカーネーションは赤でお母さんがいない人は白て決まってた」「そんなんかわいそうやなあ」「今はみんな一緒になったんやて」「そうか、よかったなあ」「これなんていう花?」「カー・・・」後はずっと繰り返し。
疲れたー!でも第三者に「かわいそう」と思いやりの気持ちを持ってくれたことがなんだか嬉しい。