天理大学柔道部では、4年生が1年生に対し平手打ちなどの暴行をし、その内一人の部員が鼓膜を破られていた事が発覚し、大きな問題として報道されていなかったろうか。また柔道連なども、非難していたと思えるのだが。
これに関し、暴行をしたという4人の4年生に対し何らかの処置を行う事には、一応納得できない事はない。だが、天理大学は暴行したとされる4年生だけで無く、男子及び女子柔道部の活動を、再発防止策が確認されるまで、無期限に停止するとしている。
暴行したとされているのは、4人の4年生の部員だけだ。なのに、他の部員までが4人の行った行為の責任を負わされなければならないのか、これには納得など出来ない。
まして、女子柔道部員などには一切関わりの無い事だろう。なのに何故、女子柔道部の活動が無期限停止されなければならないんだ。
天理大の山田常則副学長は「抜本的に改革するためには、厳しい処置をして新しく出直したいと判断した」と語っているらしいが、抜本的改革とは一体何なんだろうか。今回の問題に関しては、指導者が部員などに今回問題とされた部員の行為に関し、これからどの様な意識を持ち、どの様な活動をしなければならない事ではないのか。
改めて思うが、柔道部の抜本的改革とは一体何なんだ。抜本的の意味は、根本に立ち戻り訂正するという事らしいが、指導の在り方、天理大柔道部員としての柔道への意識を変える、という事だろうか。
そういった事であれば、無期限停止では無く、活動を続行しながら抜本的改革とやらを実践しなければ意味など無いんじゃないか。抜本的改革などと綺麗ごと言っているが、単に廃部へ追い込もうとしているだけなんじゃないか。
現在の世論では柔道への批判的意識は非常に強い。ロンドンオリンピックでの成績や女子柔道の園田監督の問題など、これに桜宮高バスケ部の問題も絡み合わされ、指導の在り方等にも批判的になっていた。
天理大はこの様な事を意識して、問題とされている4人の4年生の暴行の責任を他の男子部員だけで無く、女子柔道部員にまで負わせようとしている。
この天理大の柔道部に対する処置を、世間の人々はどの様に判断しているのだろうか。もし、この様な処置を誤りは無いとするならば、柔道に対する世論にも非常に強い疑問を感じられてならない。