予てよりのファンであるクドカンがやっと歌舞伎の台本を書いてくれたというので「大江戸リビングデッド」を見てきました!チケットをとるのが大変で、平日の昼間なのに満席、空いてる席はありません。そして年齢層も幅広かったように見えました。最初の勘太郎の「操り三番叟」は真摯に芸を修行している様子が知れる好感の持てる舞台。「野崎村」は福助のお光がちょっと垢抜けてるのが残念だけど、華やかな人だからなあ、でも、泣かせてくれます。全員が分をわきまえた良い芝居です。「身替座禅」は中村屋、大和屋でしっかり手堅い。笑いました。で千枝、小枝がきちんと品良く踊って次世代の歌舞伎も楽しみ。そしてお待ちかね「大江戸リビングデッド」面白かった。最初意表をつく演出、歌舞伎俳優にそのセリフ言わしちゃいます?ってたたみかけるのはクドカンワールド。染様、七之助共に主役を見事にこなしてましたが、中盤勘三郎が謎解きでのメリハリ効いた芝居は流石、芝居全体に厚味がでます。小山三は幾つになったのでしょう?綺麗な町娘で元気な所を見せてくれて嬉しい。そしてテーマが勧善懲悪でなく、従来の歌舞伎らしく御家騒動でも忠義でもなく、派遣や格差、差別、生きる意味、いろいろに受け取られ、笑いながらずっしりと重いボールを受け取ったようです。この芝居は筋が分かったけど又見てみたい、次はどんな感想を持つのか味わいたいと思いました。でも今月はもう完売ですよねえ。不可解な所、カットしたら?セリフが張りっぱなしで単調など、新作ならではの部分もあったのでまた再演してくれたら必ず見に行きます。それも楽しみです。いつもは一つは面白くない幕が必ずあるのですが、今月はどの幕もはずれがなく、お得感いっぱいでした。
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