小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

スリランカの交通事情

2014年02月14日 | 社会

 前回、キャンディの街などは、昭和50年代初頭の頃を思わせる風情である事を書きました。その訳は、オート三輪車がタクシーの主流で、180CCのバイクを改造したもので観光客を運んでいたり、耕耘機に荷台をつけて路上を走行したりという風景が、普通に見かけられます。

 それに、前首都のコロンボは別として、キャンディの街等には、国道に信号機が全くと言っていい程ありません。その上なんと、使われず電光を発していない信号機があります。混雑する交差点は、警察官が交差点の真ん中で手信号による交通指導を行なっているのです。あの大都会で。

 右側通行は、大枠のルールとしてはあるようですが、一般道路での追い越し行為は、観光バスに乗車している我々が怖さで身構える程に頻繁に行なわれています。その危険度はつい目を覆うほどでした。

 公共交通機関として、バスと鉄道があるようです。鉄道は限られた地域に運行されているようですが、路線バスは頻繁に行き交います。しかも、前述の一般道路での追い越し行為は、路線バスも小型乗用車と同じ頻度でこれを繰り返します。

 また、バスの形状や品質たるや、清掃整備があまり行き届いておらず、運転席のドアや乗車口のドアが開いたまま走行している車両も頻繁に見かけます。だからか、停留所に止まる前、まだ動いている状態でも乗客が下車する様子も頻繁。

 なんだこれはと思う様な運行状態ですが、バスの利用者の数は相当数ある様で、日本の様に、ガラガラで運行している路線バスは数える程。逆に利用者はかなり多く、山間部を走行した際も、所々に乗客らしき人の姿がたくさんありました。発展途上の国の様子としてそれは当然なのでしょうか。

 最終日、旧首都コロンボ市内を視察した際、車の数はさすがに元首都。特に夕方の四時過ぎからの交通渋滞は、日本の大都会なみの混雑。3車線を「オート三輪」(タクシー)を含め4台並んで走行する状態も頻繁。どうなってるのこの状態。それに、割り込みや走行車線変更も想像を絶するやりかた。この状態、日本では必ず喧嘩になる。

 ところで、視察途中で立ち寄ったレストランの駐車場に到着して、不思議に思った事がひとつありました。「排ガス規制」を示すシールや関連するシールが張ったままの日本車(中古車)を相当数見かけるのです。

 スリランカ全土の車両総数のうち、80%が日本車らしい。だからでしょうか国道を走行中、前を走る運送トラック荷台の後部面には、「高速道路は80㎞、一般速度は制限速度を守ります」との表示を張ったまま走っている車も見つけました。それは、日本車である事を示すことに大きな意義があるらしく、わざと剥がずに張ったままにしておくらしいのです。

 このように、スリランカの交通事情は様々に、信じられない光景を数多く目の当たりにして、この状態であれば自分は運転できないなと思いつつ、交通ルールを取り締まる交通公安当局も大変なのではないかと、同情しきりでした。

スリランカ事情

2014年02月12日 | 社会
 長年の積み立てが一定金額になったこと、それと、もう一つの事情からスリランカ国を(2月8日から)訪問する事となりました。

 もう一つの事情とは、APUに在学していたスリランカの前留学生(現在、日本国内で就職)が、スリランカ(人口約2033万人)で野球(野球人口約2000人程度)を振興できればという思いを我々の同僚に伝えていました。

 これを聞きつけた同僚が、であるならば余っている野球道具等があれば集めて送ってあげたらどうだろうと思い立ち、県庁内を中心に募集したところ、何と段ボール箱約30箱にも及ぶ野球道具類が集まりました。

 これを送付するにはお金も大量に必要ですが、それにしても、スリランカという国がどのような国情にあるのか、一度訪ねてみようとなり、所属する県民クラブの有志で、これまでの積み立て金を活用し訪問する事となったものです。

 当初の日程では、スリランカのチームと親善交流試合や交流を計画しようとしましたが、旅行日程の都合と相手方の都合が折り合わずそれは叶いませんでした。しかし、今回の訪問でスリランカの国がどのような国であるか、改めて知る事ができました。

 ご承知の通り、以前は「セイロン」と呼ばれていた国で、首都は「スリジャヤワルダナプラコッテ」です。我々が社会科で習った頃の「コロンボ」から30年くらい前に遷都しており、通貨は、スリランカ・ルピー。日本円の0.8程度の通貨。

 ギリシヤやダンラップ黄金寺院、ピンナワラの象の孤児院など、世界遺産にその数多く(12地域)が指定されており、国際的に観光客の多さではびっくりする程です。

 中でも「キャンディ」は、キャンディ市街そのものが世界遺産になっており、その賑わいも相当なものがありました。街そのものに活気があって、発展途上国特有の雰囲気がありましたが、日本の昭和50年代初頭(日本のバブル経済前)の頃を思わせる感じがしました。    つづく

食文化

2014年02月06日 | 社会
 巷では、炭水化物ダイエットが流行しているとか。私も、過日上京中に、とある本屋で「炭水化物が人類を滅ぼす」と題した書籍を発見し読んでみましたところ、納得行く点が多くあり、それをこの数週間恥ずかしながら実践していました。

 ところが、最近発行された週刊誌で、炭水化物ダイエットに関し「65歳以上の高齢者は寝たきりになりますよ」という警告が発せられており、ショックは隠せませんでした。

 この週刊誌の記事は記事で、そうした意見に整合性がなくもありませんでしたが、高齢者が炭水化物を何年もとらないとなれば、高齢の身体には少なからず影響はあるでしょう。そこは、加減というものがあると思います。

 読んだ本にも、やり方として、①プチ糖質制限(夕食のみ主食抜き)②スタンダード糖質制限(朝食と夕食のみ主食抜き)③スーパー糖質制限(三食とも主食抜き)とありましたが、前述の週刊誌の記事もあるので、今後は、③から①に変更しようと考えました。

 これまでの成果として、読んだ本に記載の通りの実例を実感しましたので、マイペースでこれを継続していく、要するに暴飲暴食をしない事だという事なのですよ。きっと。

 これから、木質バイオマスの研修です。良い報告ができればと思います。

お見合い

2014年02月04日 | 社会
 ブログを再開しました。これまで通り、徒然ブログです。ご笑覧の上、ご批正下さい。
 ご意見等に一つひとつお答えや反論を行うことは一切ありませんが、今後の参考にさせて戴きますことは申すまでもありません。

 ところで、昨日(2月3日)、友人の娘さんと知人の男の子を合わせ「お見合い」の真似事をしました。年恰好も背格好も丁度いい二人でした。「うまくいくといいネ」と、一緒に居た女房が言いました。私もそう思います。

 年恰好と書きましたが、丁度、現在の男女共の平均結婚年齢に二人とも達しています。これを機会にお付き合いが始まるとありがたいと思います。

 先日の日曜日に、友人の息子さんの結婚披露宴に招かれました。彼は、何度かお見合いも経験していたようですし、私も一人紹介しましたが、その際はうまくいきませんでした。

 今回は、バッチリ決まり、ご両親も大喜びでしたし、とても落ち着いた素敵なお嫁さんでした。「とても良いご縁があったものだ」と、一緒の来賓テーブルで皆さん口々にそう言っていました。

 何人かから、「うちの娘にいい人はいないかなぁ」とか、「うちの息子に良い娘さんはないかなぁ」など伺っています。これからも良い縁結びに一役と思っています。
                                    大分県議会議員 小 嶋 秀 行

お知らせ

   「新春の集い」(兼)「県政報告会」

  日 時  2014年2月15日(土曜日)11時30分開会
  会 場  ホテル キャッスル大分(大分市府内町)
  参加費  2000円(昼食代)
  記 事  当日は、釘宮 磐大分市長にご講演頂きます
  連絡先  大分県議会議員 小嶋秀行事務所 
        kurashinianshin@gmail.com までメールでお申込み下さい。

議会改革

2011年10月05日 | 地方行政/議会
10月4日から5日にかけて、所沢市議会(議会改革基本条例)と、秋田県議会(会期の見直し)に県民クラブとして、政務調査に赴きました。

先ず、所沢市議会ですが、議会基本条例がよく練られているという印象を受けました。例えば、意見提案手続(パブリックコメント)を行なう事ができると規程してある点、また、議会は、閉会中に市長に対し、文書により質問を行い、文書による回答を求める事ができる事も書き込んでいました。

さらに、まだ実現してはいませんが、議会として「政策討論会」を行なうようにしています。そして、これは比較的に普及していますが、「専門的識見の活用」をすることや、議会は、審査、諮問又は調査のため必要がある場合、別に条例で定めるところにより「附属機関」を設置する事ができる、とも書き込んでいます。

これと比較して大分県議会の場合は、とにかく議会基本条例を制定する事にのみ主眼をおいて条例づくりが行われた形跡が有り、見直しとともに、前記の課題などを含め書き加える項目が多い事を改めて感じました。

既に、平成21年に制定されていますから、前期の議員による論議では有りますが、正直いって、どれだけの論議の末に作られたのか、前に席をおいていた大分市議会の場合と比較しても、疑問な点が多い条例だと言わねばなりません。

次に、秋田県議会が本年度から導入している「会期の見直し」についてです。通常、地方自治体では、年間(3.6.9.12月)の四回の定例会を行なう事が通例となっています。

これを、年間(2月~6月)(9月~12月)の年二回の定例会にして、議会での協議を何時でも行える様にしようと言う試みが、秋田県議会で行われていると言うので、実際の取り組みについて当事者に聞いて見ました。

詳細を記載すると紙数が足りませんが、要は、会期を長くする事で、議長の判断で随時本会議が招集できる事。そして、災害時など突発的な事件や緊急な行政課題が発生した場合など速やかに対応できる事を挙げています。

また、県民の意見を審議に反映させるための参考人制度や、公聴会の活用が容易になる。とも挙げていますし、緊急を要する議案等の裁決が可能になると共に、知事の「専決処分」が少なくなるという効果があるとの事でした。

この会期の二回制は、既に三重県議会等で取り組まれており、市議会を含めて次第に拡大の傾向にあるものと思います。ただ、記載したような効果等は確認されてはいるものの、従来の四回制の場合と比較すると、議員を拘束する期間が長くなる分経費が嵩む事も有りうる事、そして、知事部局、議会事務局の対応が、今のままの態勢で取れるのかどうかなど、慎重に検討を行わねばならないという点もある様です。

今後、この課題を含め、議会改革のテーマについて、大分県議会でも徐々に論議が活発になるものと思いますが、先ずは、県民クラブ(会派)の中でシッカリとした協議を重ねて行かねばと、感じたところです。

防災対策・・・。

2011年09月19日 | 社会
 『今回の東日本大震災後に、「絆」という言葉が改めて強調されている事については、ご承知のとおりです。申すまでもなく、その心は、「いざ災害の時、助け合える環境を整えておく事が重要だ」と言い換える事ができると思います。

 ただ「絆」は、叫ばれるだけで深まるものではありません。「絆」が深まるためには日常的活動が必要であり、そのためには仕組みが充実していなくてはなりません。

 自治体では、「コミュニティーの再生・再興」との観点から、一連の取り組みを行う場合もあり、その「担い手」作りにも力をいれています。

 この場合の「担い手」とは、まさしく「いざ地震や水害が発生した」という時のいわば「防災リーダー」でもあり、日頃から地域で認知されていなければなりません。

 そこで、提案ですが、県庁で働く公務員の皆さんはじめ、地方公務員の皆さんは既に地域で様々な活動に参加をしているとは思いますが、その地域活動参加をさらに充実させると言う観点から、県庁職員及び、市町村職員全員を大分県版「地域防災リーダー」として任命するための仕組みづくりに取り組まれては如何かと考えますが、御見解をお聞かせください。

 併せて、既に公式には「防災士」という地域「防災リーダー」の先駆者的な認証制度も、阪神淡路大震災の経験から生まれており、大分市では、既に約670ある自治会に、日常的に一人以上の「防災士」が配置されるに至り、すでに活動しているものと思います。

 ただ、この「防災士」の認証には多額の費用も必要であり、県も助成制度を設け、これまでに150名程が認証されていますが、直ちにこれを拡充という訳にはまいりません。従って、これも提案となりますが、この際、「防災士」と同程度の情報量と研修制度を併せ持つ、大分県独自の「大分県防災リーダー認証制度」を確立しては如何かと考えます。

 既に、防災士として認証を受けている方々のスキルアップも狙いに併せ持つものとして発足させては如何かと考えます。

 いわずもがなのことですが、大分県が一つの国と考えれば、必ずや備えてなければならない制度とも言えますから、この度の様な東日本大震災並びに紀伊半島の台風12号による想定外の大規模災害が発生した場合、地域にしっかりとした“無数”の「地域防災リーダー」の配置は、時をおかずに実施すべきだと思います。如何でしょうか、御見解を伺います。』

 ・・・・と、これが、今回の一般質問の要旨の一部です。
 9月20日14時以降に予定しています。ネットでも大分県議会にアクセスすれば『傍聴』できます。約一時間程度の論議になると思います。

「脱原発」ということ

2011年09月04日 | 社会
 今朝のニュースで、四国電力伊方原子力発電所で定期点検のため原子炉を止めたという報道がありました。定期点検で約15ヶ月程度停止することになると思いますが、今のところ、定期点検が終わっても、よほどのことがない限り運転再開は難しいといわれています。

 先日、所属委員会の所管事務調査で伊方原子力発電所と愛媛県庁に訪問しました。伊方発電所では、3.11の福島第一号機の教訓を生かし、十分必要な対策が施されていました。また、岩盤の上に立地しているだけに、耐震性も万全だと思うほどの発電所でした。

 愛媛県庁では、大分県側として「安全協定」の締結などを求める声があることを伝えに赴いたわけですが、愛媛県としては、「情報交換は行うが、安全協定を締結する程のことは無い」という感触でした。大分県知事も「安全協定」までは求めていなかったと思います。

 確かに、安全性はこれ以上ないと確信するほどの対策が採られていましたから、海を隔てた隣国から、ミサイルでも放り込まれない限り、また、日本海側で3.11東北大震災規模の地震と津波が発生しない限り『安全』なのでは?とも感じました。

 私は、究極的に『脱原発』ということに反対していません。ただ、原子力発電技術の導入は、化石燃料の使用を極力控えると共に、CO2の排出を削減しようということに趣の一つがあります。

 今回の伊方原発の休止炉を含めて、全国に54ある原子力発電所で、これまで総電力需要量の約4割を担っていた訳ですから、これを休止・廃止するとなれば、当面、火力発電に頼らざるを得ません。それが問題だと思います。水力やメガソーラーの開発も少しずつ進んではいますが、今のところ原発の代替がいつごろになるか分かりません。

 国際的な約束事であるCO2の削減をどのように担保するか、また、総需要量をどのように確保するかなどを総合的に政策化しない限り、脱原発だけが先行しても、家庭生活はおろか、中小企業をはじめ産業部門への電力供給が滞ると、雇用の確保もおぼつきません。

 そのような観点から、「脱・原発」もいいけど、代替エネルギーをどのように確保するか、その方向性の一つに、『脱・化石燃料』ということも並行して十分考慮すべきだと思います。

 先日来、民主党代表選挙が行われる中で、脱原発に関していくつかの特徴的な意見も交わされていました。中でも、『原発の寿命が40年であれば、これから、新規建設で運転開始しなければ、40年後には原子力発電はなくなる計算だ』という意見がありました。

 分かりやすい話でした。したがって、どうするかは、これからこの世に生を受ける子どもたちのために、そして今を生きる子どもたちのために、今、われわれ大人が結論を出さねばなりません。

 日常的な生活に欠くことのできない電力だけに、脱原発ならば、繰り返しになりますが、「代替エネルギーをどのように確保するか」という点を明確にすべきだと思いますし、私は、ストレステストをしっかり実施し、これに耐えられた原子力発電は、当面、40年の寿命が到来するまでは、活用するという方針でも良いと思っています。

稼動できなくなった原発の代替に、早速、かつて使用していた火力発電を再開するということも報道の中にありましたが、私は、それは絶対に間違っていると思っています。





民主党代表選挙

2011年08月27日 | 民主党・選挙

  賑やかな顔ぶれになりました。良いことだと思います。でも、いつまでも「長老」が影響力を残そうとするところにいささかの疑問はあります。

  今、この国にとって一番重要なことは、言うまでもなく「復興」ですね。東北大震災の被災地の復興も最優先ですが、経済の復興も極めて重要です。

 日本一国で日本の経済のかじ取りができないほど、国際化しています。グローバルな経済体制の中で、如何にして日本経済を安定成長に導くは、為政者の思いや政策によるところが大です。

 これからどのように実践されるおつもりかを、しっかりとお聞きしたいものです。ただ、前述のとおり、周りが、いらざる口出しをすることは、避けてほしいものだと思います。

 これからの日本は、新進気鋭のリーダーが必要です。どの国とも対等に話のできる方がいいと思います。その意味では、名前を連ねている方々のほとんどが、そう見えます。

 「挙党一致」ということをテーマに挙げておられる方が殆どで、「一丸となって」ともいいますが、これは大変難しいことだと思います。是非とも、挙党一致の体制を築いて頂き、民主党政権が持続的に発展できるよう願っています。

 「脱原発」は、理想だと思います。終局の目的とすることにいささかの異論はありません。ただ、「脱原発」の代替をどの様に捻出するかについても、一緒に提案すること、そして、それと同時に「脱化石燃料」も進めないといけませんね。

 先日、伊方原発を視察しました。私のようなものが述べるのは、似つかわしくありませんが、伊方原発現地では、「3.11福島」の経験を十二分に学び、その教訓から導かれた対策をしっかりと取り組まれていました。

 その意味では、今後「ストレステスト」の結果に基づいて、OKであれば淡々と運用なさるのは間違いではないと感じました。

 「大連立」について、マスコミが好みそうなテーマではありますが、私は、極めて不可能に近いと感じます。小選挙区制という選挙制度や、二大政党政治体制の日本においては、与野党で、双方とも真摯に政策を「競議」する体制の構築こそが重要だと思います。


 「マニフェストの見直し」については、政権交代の原則から行けば、財源のねん出を含めて、最低4年の任期の間に成し遂げるという気概を持つべきだと思います。

 もちろん、相手のあることですから、情勢の変遷はあります。また、大震災の復興を第一義に考えるならば、少々柔軟に対応ということも視野にはおきながら、その基本的精神まで変えるのは、得策ではないと思いますが、如何でしょうか。

 気の早い新聞社が、もう世論調査を行っていました。この民主党代表選挙が実施されるということで、世論の反応が表れていますが、民主党支持率が若干上向きました。逆に自民党の支持率が下降線に移っています。

 世論は敏感に反応するわけですが、この反応を見る限りでは、民主党政権の持続的発展にかすかな期待を寄せる国民は、零ではないことがハッキリしていると思います。

 この代表選挙を一つの起点に、民主党政権が復活し「国民の生活が第一」の路線をまっすぐに進むことを大いに期待したいと思います。



「県立美術館」

2011年06月24日 | 地方行政/議会
 大分市内に、美術館新規建設が本当に必要かどうか、本気で検討しなくていいでしょうか。

 現在、大分市には、14年前に建設された大分市美術館があります。県立であれ市立であれ、お客様である県民にとっては、実はどちらでもいいことです。まして、大分県立芸術会館には、既に立派な美術館機能は備えられています。

 そんなことから、県立で大分市内に「美術館を移転新築」しなければならない理由がいま一つ見当たりません。大分県立芸術会館のホームページでは、以下の通り、県立芸術会館について、県民に情報発信しています。

『大分県立芸術会館は、美術館と県民文化会館(文化ホール)を併せ持つ複合施設として、昭和52年にオープンしました。大分市中心街から車で約10分、平和市民公園に隣接しており、公園内の季節に応じた花や、側を流れる裏川沿いの800本以上のソメイヨシノや八重桜など、四季を通じて自然が楽しめる市民憩いの地域の一画にあります。

 美術館は、近世以降の大分県出身、ないしは大分県に関係の深い作家を中心に、南画の田能村竹田、日本画の福田平八郎、山辰雄、洋画の宇治山哲平、佐藤敬、竹工芸の生野祥雲斎、さらに彫刻では朝倉文夫などの秀作を収蔵しています。

  文化ホールでは、学校との連携を図り、演劇・演奏会などの発表の機会を提供するとともに、県内の芸術文化団体の発表機会等を支援しています。』・・・・と。また、ちなみに、県立芸術会館運営の基本方針(芸術会館ホームページから引用)は、以下のとおり立派な考え方があります。

県立芸術会館運営の基本方針
1. 優れた芸術作品を紹介する。
優れた芸術作品を紹介し、県民に鑑賞の場を提供することによって豊かな県民性を培う。
2. 総合文化施設として、芸術・文化の創造活動を促す。
鑑賞者が創造活動に参加できるようにするとともに、芸術・文化の総合的な深化を図る。
3. 自主的な学習の場を提供する。
芸術・文化活動を実践する人々が、自ら学習することのできる環境整備に努める。
4. 調査・研究・情報提供活動を行う。
芸術・文化活動の基礎となる調査・研究活動を行い、広く県民に情報を提供する。
5. コミュニケーションの場とする。
芸術・文化活動を通じて、県民の交流を深め、豊かな人間関係を作るコミュニケーション の場とする。

 いまから、35年前に建設された施設が老朽化したこと、したがって、新しさがない。展示室が狭隘である。所蔵品の所蔵庫が狭くなって新しい作品が収蔵できない。など、いろいろな理由があるのでしょうか。であれば、そうした問題を解決することで済ませないものか、この点も疑問です。

 または、もしかしたら「大分県には、県立美術館は設置されていない」という問題意識をお持ちの方もおいでになるのかもしれませんね。しかし、今検討されている新美術館は、新築移転してもこれまでの収蔵品を展示するのであり、改めて特別のコンセプトを以て展示品を新規に購入することは考えられていないとのことらしいですね。

 であるにもかかわらず、建設地の購入費用を含め130億円規模の事業を行う根拠はどういうものか、もっとしっかり県民に説明すべきではないかと思います。

 これまでの経過とたどると、昨年、美術関係者から、美術館の建設について要望書が出されました。すぐさま「構想検討委員会」が立ちあげられ、この1年間、6回にわたり検討委員会が開催され、今年の5月に「答申書」が県知事に提出されています。

 ところが、この「答申書」を以て、これからは、広く県民に『こうした構想で美術館を建設しますがどうでしょうか』と、県民論議に供されるものと思いきや、7月7日から開会される、県議会に、先ずは土地購入と基本設計のための予算が上程されるという、異例の速さで事が進もうとしています。

 是非考えてほしいことは、構想検討委員会で検討していただいた方々に対し敬意を表しつつ、県は、この構想を以て、県民にそれを説明する機会を持つべきだということです。最近の手法は、「ワークショップ」などという新しいやり方もありますから、これらを駆使して、少なくとも県内3か所以上で、県民の意見を聞く機会を作る必要がないでしょうか。

 現在、私が県議会で所属する「県民クラブ」のなかでも、このことが大変大きな話題になっています。7月7日開会の県議会では、少なくとも各方面からの論議が行われることになるのではないかと、期待しています。


田植え

2011年06月22日 | 家族
 市内の中心部から少し郊外にでると水田に水が張られ田植えが準備されています。既に苗が植えつけられている所もあり、農家にとって今が一番忙しい時期だといえましょう。

 その昔、私も実家で稲作を手伝っていましたから、この時期になると懐かしく思い出します。同時に、この梅雨時期の田植えの辛かったことも蘇ってきます。

 小学校の頃(昭和30年代)、児童の保護者ほぼ全てが農家という土地柄でしたから、田植えの頃になると、小学校には2日から3日間の「農繁期休業」がありました。今では信じられないことですが、本当です。

 児童全てが田植えを手伝えるというわけではありませんが、低学年の頃は、父母が忙しいので「弟や妹の子守をしなさい」ということでしたね。

 小学校中学年になると、苗運びや田植えそのものを手伝うこともありました。丁度梅雨時期に田植えが集中しますから、雨の中、泥田で作業を続けていると、年少ですからとても疲れたうえ、泥に足を取られ転ぶこともしばしばで、ズボンがいつも泥だらけでした。

 高学年から中学生の頃になると、当時は、農作業が「牛」から7馬力程度の「耕運機」による作業が主流になり始めていましたから、父に代わりこの「耕運機」で田んぼを耕す作業を手伝うようになりました。既に、一家の重要な労働力だったわけです。

 中学生になると、その耕運機に荷台を連結して、一般道を走行することもありました。もちろん無免許です。父が会社勤めをしていましたから、母の負担を少しでも軽減するためにと、脱穀した籾袋を田んぼから倉庫まで運んだりしたものでした。

  今では時効ですが、中学生が耕運機を運転することは、道路交通法に違反しているにもかかわらず、2~3年生のころは頻繁に荷物を運んだりしていました。これが、担任の先生に「告げ口」され、とうとう「大きな拳骨」をもらうことになってしまいました。


 それからは、担任との約束もありましたから、無免許運転はしていません。それに「告げ口」された事も、母と一緒に感謝したことをよく覚えています。調子に乗ってそういう仕事の仕方をしていては、大変な事故を起こしていたかもしれませんから。


 もう40年以上も昔の事ですが、その頃の事は今でもクッキリと覚えています。というより、牧歌的なこの時代のことは特に忘れないのかもしれません。この時期、日に日に田植えが進む様子を見るにつけ、また、秋に黄金色に実った稲穂を見ると、あの頃を思い出して、ひと時ボーっとしてしまうことがあります。

高速道路

2011年06月20日 | 政治・経済
 高速道路の社会実験が昨日までで終了ということになりました。自民党政権時代に、平日以外の「上限1000円制度」が導入され、それ以前には、通勤時間帯に限った「半額制度」がスタートしていました。

 東日本大震災前には、様々な論議が交わされてはいましたが、文字通り、東日本大震災の影響で、財源確保を最優先に、被災地域以外の社会実験をやめるということになりました。あくまで、社会実験ということでしたから、それはそれで理解ができるところです。

 民主党が政権を担うようになり、早い段階で社会実験を開始し、前原国土交通大臣の下で、第二弾までエリア拡大となりましたが、この社会実験の成否について、後に成果や課題について説明責任を果たしていただきたいと、みんなが期待していると思います。

 ご承知のとおり、高速道路料金は、国際的にみても日本ぐらいらしいですね。こんなに高い料金体系になっているのは。一部、ヨーロッパに料金を徴収している国があると聞きますが、それ以外に、あのドイツの高速道路さえ無料でした。

 広い所では5車線でした。走る車の量も半端ではなく、相当量の車両が走行しています。また、この高速道路には速度制限を示す標識も何もありません。ドライバーの良識に依拠しているということでした。にもかかわらず、ほとんど事故はないともいいます。

 こうした国際的な傾向が一つの根拠になってか、日本でも無料化が実験的に実施されましたが、実は、日本の高速道路は、無料を前提に建設していませんので、社会実験がはじまると、いたるところで渋滞や事故多発など問題が発生しました。

 この社会実験には、つねに賛否両論がつきまとっていましたが、いざ、一旦終了となると、昨日までのマスコミ報道でもそうですが、惜しむ声が強調される傾向にあります。この点、政府の政策実施の一貫性について、今後に期待するところ大きいものがあります。

 ところで、日本の高速道路は、実際の料金から換算しても整合していましたが、1km当り24円と言われています。前述したヨーロッパ(どの国か覚えていませんが)の有料道路は、確か1km当り8円ということを聞いたことがあります。

 実に日本の1/3の料金体系のようです。日本の料金がこんなに高いのは、建設費用やファミリー企業の問題など、すでに様々取りざたされましたから、ここで述べるまでもありません。そうしたこともあってか、日本の高速道路は、「民営化」されました。

 民営化の意図は、必ずしもよく承知していませんが、私がここで述べたいことは、高速道路の無料化は賛成。ですが、将来的にということです。その前段として、ソフトランデングで、料金体系を徐々に見直すことに手掛けるべきであったと思います。

 つまり、先ずはヨーロッパ並みの料金に値下げをすることからはじめ、これも社会実験として実施すると共に、最終段階の一歩手前は1/3まで下げて、その推移を見守るという事でも良かったのではないかと考える次第です。

 高速道路の無料化社会実験が開始されたのち、民主党県連には輸送船関連の団体、運輸部門の団体、バス事業者などが「政策提言」として、無料化反対をベースとした料金体系の見直しについて、随分多くの「陳情」団がお見えになりました。

 結果として、本日から、通勤時間帯限定の「半額制度」のみが残されることになりましたが、これまでにお見えになりました方々には、提言内容を超越して「ご期待に応える」という、皮肉な結末になりました。

 高速道路の無料化については、また、そう遠くない時期に論議が再燃されることを期待しています。将来は、徐々に料金が見直され、限りなくゼロ円に近づくよう、大きな期待を持っておきたいと思います。

調べています

2011年06月17日 | 地方行政/議会
 県議会で所属する、福祉保健生活環境委員会として、県内の各地に出かけ、高齢者福祉施設や児童福祉関係の施設などを見学しました。また、県の保健所や地域振興局、児童相談所などにも伺いました。

 大分県内の保健所は、7ヵ所です。その内の一つは、大分市が独自に設置しており、大分県として運営する保健所は、6ヵ所です。ただ、保健所のいくつかは、施設建設後30年以上経過しているところもあり、事務所内の業務環境は決して良好なものとは言えないのが実情でした。そう遠くない時期に、建て替えを含め、検討が必要になると感じました。

 一方、地域振興局は、保健所同様6ヵ所設置されています。必ずしも保健所と同地域に立地してはいませんが、それぞれに100人程度の職員が配置されているとの説明でした。それぞれが管轄の市町村との連携を図っています。

 保健所は、これまでも医療・保健部門で「予防」を充実する観点などから、ますます重要性が増しているものと感じましたが、地域振興局は、これほどの陣容を揃え、県内6地域に設置するだけの背景があるのか、率直に感じました。

 例えば、南部地域振興局は、佐伯市のみが対象地域であり、「一市一地域振興局」となっており、単純に判断できませんが、「屋上屋」を重ねています。この問題はさらに調べ、私の見解・考え方をいずれまとめたいと思います。

 「児童相談所」は、概ね50万人に一ヵ所設置されています。主要業務の児童虐待などに関する相談事業は、平成17年に法改正により市でも実施することができることとなりました。

 その結果、例えば中津児童相談所の場合、直接持ち込まれる相談件数は、平成17年以降3~4年間は、ほぼ半減に転じました。しかし、平成22年度は、突然、それ以前と同様の数字に戻ったと説明されました。

 児童相談所は、現在大分市と中津市の2ヵ所のみ設置されています。説明によると、大分県内全体として業務の割合は8(大分)対2(中津)となっているのが現状で、大分市に設置の児童相談所は、多忙を極めているとのことでした。

 そこで、昨今の児童を取り巻く環境の変化が著しい中、大分県内にはもう二ヵ所、児童相談所を設置することが必要なのではないかと考えました。現在の大分市(中央)、中津市(県北)これに、県南(佐伯市)、西部(日田市)というように。

 そうすれば、県内一円でバランスのとれた児童相談所業務が執行できることとなりますし、児童虐待など様々な状況により「即応」体制を執ることができます。この点もさらに精査し、考え方をまとめられたらと考えています。




ノン・アルコール

2011年06月15日 | 家族
 五月の連休前、内臓に異常なところがあるからということで、入院を余儀なくされることとなりました。入院自体は、二年ぶりでしかも約二週間と、私にとってはとても“長期”ということになりました。

 二年ぶりという意味は、二年前の(四回目)市議会議員選挙が終わって、やはり内臓の一部に異常があるからと、五日間ほど入院し手術しましたが、五日の入院で退院した二日後にはもう、ゴルフコンペに参加するという程度のことでした。

 大病を患っておられる方にすれば、長期とは何ヵ月もということだと思いますが、私にとって、約二週間の入院は“未経験”なだけに長期です。手術後の過ごし方など、全く経験がなかったので良く判らず、日々新聞購読と読書に明け暮れました。

 今では、術後の経過を見るということから、生活を少し変え“暴飲暴食”を慎んでいます。特に、飲酒についてはもう二ヶ月以上は“遠慮”しています。この数か月間は、宴会の場でも「ウーロン茶を下さい」と、割り切っています。

 最近は、「“ノンアルコール”ありますか」と聞くこともありますが、これがビール(の一種)かと、香りも味も、ビールとは全くほど遠い内容ですが、グラスに注ぐと少々の泡が立つことと、冷やしたものを飲むと多少喉をさすのが、“ビールらしい”だけですね。

 先日、仕事を終えて帰宅。食卓で遅めの食事を取ろうとしたとき、目の前に1カートンの箱入り缶ビールらしきものがある。「これなに?」「ウン?ノンアルコール」「誰が飲むの?」「お父さん」「ひとケースもか」「ウン!要らんの?」「こんなに飲めんだろうノンばかりを」。

 次の検査までは、「アルコールを絶とう」と決意して二か月余。以前、宴会の時に飲んだノンアルコールのことを話したからか、前述のような展開になるとは“想定外”。そんな会話を交わしたこともあってか、もう何日間も開封されず、冷蔵庫に入れてもいません。

 昨今、大分県警察が「飲んだら“暖簾”」キャンペーンを徹底していることで、このノンアルコールの売れ行きが良いらしいですね。どの宴会場にも置いてありますが、ただこれは、飲めてもせいぜい一本まで。二本目には手が出ず、次は、「ウーロン茶下さい」。

 今月末に控えた再検査までの間、一滴もアルコールを体内に入れていない自分に、検査後、結果が良好ならば“ご褒美”をあげたいと思います。なにしろ、宴会では「ドクターストップですから」と、断固断り続けている愛飲家の自分が、本当に“偉い”と思います。

 これまで、時々「一杯位は構わんのでは」と、気持ちが揺れる事もありました。同席のお客さんが美味そうにビールを飲む姿を見て、気持ちが動かない方が普通じゃないと、言い訳を考えながら、何度か“危険性”もありましたが、まだ、持ちこたえています。

 あと数日我慢して、好結果を待つ。その結果、おそらく家族から「ご褒美は、ノンアルコールです。どうぞ。」と言われそうでなりません。先日、「治っても、このまま飲まなきゃいいのに」と、娘と話しているのが聞こえていましたから。

 冷たい面々ですね・・・・。でも、私の体のことを一番考えてくれているのかもしれません。おかげで、体調は “完璧”です。

大連立

2011年06月12日 | 政治・経済
 「大連立」が政界で大きな話題となっている。

 3月11日に東日本大震災が発生し、その復興・復旧が急であるあまりに、この論議が加速しているように見える。

 ただ、この論議は、大震災より約二年前から既に開始されている。

 たぶん、無理。

 政治家が本当に「大連立」をやる気ならば、既にその緒についていてもいい。

 まして、大震災の復興・復旧を「スピード感持って」と、どの政党も口にしている。

 あの大震災から3か月以上たった今、何も進んでいない現状では、実現不可能と言う以外にない。

 本気で「大連立」を実現するならば、まず、いわゆる「55年体制」からの完全な脱皮が必須だ。

 旧態依然とした政治が今なお尾を引く政治体制の下では、間違いなく無理に違いない。

 その証拠に、政権交代で攻守所を代えた今も、「55年体制」下の政治と全く変わらない国会運営(攻防)が続くことに、それは端緒だと感ずる。

 二つは、「健全な二大政党制」。

 つまり、政策論争による政党政治が成り立っていなくてはなるまい。

 現下の議院内閣制では、健全な二大政党制を「育む」システムになり得ていないとしか言いようがない。

 「大連立」で、逆にそれが益々遠のくのは明白だと思うが如何だろう。  


起立条例可決

2011年06月04日 | 地方行政/議会
 やっぱり!とか、遂に!とか、表現の仕方はいろいろありますが、今朝の新聞に『君が代起立条例 成立 大阪府議会 教職員に義務付け』という見出しの記事がありました。気がつかれた方も多かろうと思いますが、「やっぱり、遂に出た!」と言う感じです。

 この条例の趣旨は、学校行事で「君が代」(今では国歌)を歌うとき、教職員に起立を義務付ける、というもの。わざわざ起立を義務付けなくても、座って歌を歌うのはカラオケくらいで、起立して歌うのが常識中の常識だと思います。

 ここで問題視していることは、この条例の決まり方です。つまり、大阪府議会で過半数を占める、地域政党・大阪維新の会(代表・橋下徹大阪府知事)が提案し、他の政党の反対がありながら、賛成多数により6月3日の府議会で可決・成立したというのです。

 この条例は、橋下大阪府政でいわば「与党」である、大阪維新の会が議員提案という形をとっていますが、橋下府知事の思いが濃く滲んでいる条例であることは疑う余地もありません。したがって、この条例の決まり方は、今後様々な角度から論議があると思います。

 私の観点は、大阪の地域政党によるこうしたやり方が、たいへん危険性を内包していると考える点です。以前、大分県でも、県政「与党」を自任する政党と県知事が、ほぼ「癒着」状態で県政を運営する時期が長くありました。

 その結果、例えば、①県央空港 ②香りの森博物館 ③農業文化公園などを、ほとんど論議という論議もせず建設することとなり、今では、この三施設とも当初の建設目的からかけ離れた運営形態となっていることは、承知のとおりです。

 つまり、首長と議会の関係が健全でなければならないにもかかわらず、その「与党」をして、過半数の議員数を背景に、ほぼ無条件で議案を可決する、あるいは、条例を制定することになれば、場合によって、首長の「独裁」政治が行われることにもなりかねません。

 今回の「起立条例」の場合、あくまでも「議員提案」という体裁を採っていますから、表向きは、首長の意向ということではありません。が、政治的背景を含め、こうした手法そのものについて、本質的な意味合いをしっかり捉えなければならないと思います。

 日本の場合、地方議会は、「二元代表制」を採用しています。この点、国の議院内閣制とは異なり、首長と議会の関係は相対する関係でなければなりません。そうしなければ、圧倒的権力を持つ首長のワンサイドな行政運営を許すことになるからです。

 このような観点から言えば、首長自らが代表者を務める政党に所属の議員による多数決で、条例を制定するとなれば、これからの地方自治体行政の在り方を根本から歪めることになるのではないかと、大いなる危惧を抱いているのは、私一人ではないでしょう。

 橋下大阪府知事も、これから先、自ら提案する条例案の可決・成立を、予め過半数の議員を掌握しておくことにより容易にしようと、地域政党を設立しているわけですから、そのことと、今回の議員提案事項は、全く無関係と考えられませんね。

 マスコミへの露出度から言って、社会的影響力が著しい首長率いる地域政党は、現在のところそう多くは実在しませんが、にも拘らず、社会的影響力が大きければ大きいだけ、これからの地方行政について、真剣に考えなければと思います。

 他の地域における条例制定など、行政のあり様、営みについて、とやかく言うことは避けねばなりませんが、今回、初めてこうした事案が顕在化したことで、改めて議会の在り方を見つめなおすと共に、「地域主権」改革の論議を、スピード感を持って行わねばと、気持ちを新たにした次第です。